無理です!!。乙女ゲームのヒロインからの正統派ライバル令嬢なんて務まりません! 残念JK残念令嬢に転生する

ひろくー

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ヴァニタス公爵家での滞在

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「いや、娘が自ら友人を家に招待するなんて初めての事でね。気になって仕事にならないからもう仕事を切り上げて来てしまったよ」
「私も領地から早馬で駆け付けて来てしまいましたわ」
 家族用の居間でソファにゆったりと腰掛けたブルーノ&フリーデヴァニタス公爵夫妻はテンション高めでアリスに興味津々なのを隠そうともしなかった。
「今日の夕食は私が腕によりを掛けて作りますからね。シーフードはお好き?」
「フリーデの料理の腕は確かだよ。楽しみにしてくれ」
『わーい!お母様のシーフード料理、どれも大好き!』
 ゲームスチルではウェインルートに入った時に少し出てくるだけのヴァニタス家の面々。ウェインをそのままロマンスグレーにしたような父ブルーノは冷淡な印象。母フリーデは何かに怯えた様な沈んだ表情をしていてその背に隠れたアナベル&セシルは暗い瞳でいた。尊大な態度のクラリアと家族から目を背けているウェイン。絵に描いた様な破綻した家族のスチルをアリスは覚えていた。
 ウェインの色香に潜む陰は家族が原因って設定だったのよね~。こっちは絵に描いた様な幸せ家族だな。
 父ブルーノは大人の余裕と自信に溢れたロマンスグレーの紳士。母フリーデは大きな娘がいるとは思えない若々しい美貌と明るい笑顔。アナベル&セシルも両親の前では16才のあどけない少女だった。
 二人共メンチ切ったり般若の形相しなければ凄く可愛いのよ。
 と改めて思うアリスだった。そして凄く不安だった。
 なのになのに、どうしてクラリア様だけが良からぬ事を企み顔なの。ゲームクラリア悪役令嬢になってるじゃん。
 つんつん。
 その時、隣のルミアがアリスの袖を引いた。
「この茶色い飲み物、砂糖とミルクを入れると美味しいね」
 出迎えられた後アリスとルミアは家族で使う比較的こじんまりした居間に通された。とはいっても広く調度品は全て高級家具。二人が座っているソファもフカフカで、お高いんでしょ?はい、とても!だった。そこで用意されていたのはこの国ではまだ珍しいコーヒー。海峡を挟んで隣国と向かい合っているヴァニタス領は海上交易が盛んで外国の珍しい品々が色々と入ってくる。海産物も山盛りだ。
「この茶色のソースの掛かった丸いパンケーキ?も美味しい、中の具は何だろう?」
『でしょう!私達も大好き』
 首を傾げるルミアにアナベル&セシルが笑顔で説明している。
「具はタコよ。この弾力がクセになるの」
「お姉様のレシピなのよ。自分で焼く事も出来るの」
 三人がパクついているのはたこ焼きだ。
 私は前世から大好き。
 勿論アリスもパクついている。がクラリアはたこ焼きに手もつけず一人ソワソワと、
「お兄様、遅いですわ」
「確かに遅いね」
 ブルーノも窓の外へ目をやり、
 コンコンコン。
 ドアがノックされ執事が手紙を手に部屋に入ってきた。その手紙を受け取ったブルーノはサッと目を通して残念そうにクラリアを見た。
「クラリア、ウェインは今日は家へ帰れないそうだ」
「えーっ、何故ですの?」
「王太子様が城へ戻るのを3日程延ばしたそうだ」
「何故そのような」
「城へ戻れば王族としての仕事が休む間もなく始まるからね。少し羽を伸ばすのに付き合うとある」
「そんなぁ」
 クラリアはガックリと肩を落とした。アナベル&セシルも残念そうな声を上げる。
『ええっ、折角お兄様ともゆっくりお話出来ると思っていたのに』
 がっかりしている三姉妹にフリーデが優しく声を掛ける。
「ちょっと延びただけよ。ふふっ、三人共お兄様が大好きだものね」
 三姉妹が揃って残念そうにしているのを温かく見守る両親。
 ゲームスチルと180度違うわ。アナベル&セシルってシスコン+ブラコンだったのね。クラリア様は謀り事が失敗してチックショーって感じだな。意外とウェイン様はクラリア様のぶっ飛んだ行動に振り回されているのかも。
 アリスの視線に気付いたクラリアはコホンと咳をするとにっこりと笑顔になった。
「まぁ、残念だけど仕方がないわ。アリス、その代わりにお父様スペシャルをお見舞いするから楽しみにしていてね♪」
 満面の笑顔のクラリアに勿論アリスは不安倍増になった。
 いや、さっきから悪役令嬢オーラ出しまくりのクラリア様に恐怖しかないです…。

 ぱかっと口を開けアリスとルミアの二人は立ち尽くしていた。お茶を頂いた後アリスとルミアはそれぞれに用意された部屋に通された。そこで一休みしていたら、この後に設けられているちょっとしたホームパーティの志向で用意したという衣装が届けられた。その衣装を手にアリスの部屋に飛び込んできたルミアと二人でテンパっている所へ、着替えを手伝う為にメイド達がやって来てあっという間の早着替え。そして二人はそのまま大広間に連れていかれた。
 着いた大広間は、クラリアパパスペシャルが炸裂!綺麗に飾り付けられた広間には色とりどりの珍しい美味しそうな料理が並び、心地好い音楽が奏でられていた。
 そして今二人の目の前で繰り広げられているのはユリアンヌやサーシャ達とも話題になっていたマジカルクリスタルランドの現役パフォーマー達による人気ショー、クリスタルドリームマジック!!ショーだった。
 大掛かりな魔具を使った魔法と音楽に合わせて華麗に歌い踊る綺羅びやかな衣装を身に纏った美男美女のパフォーマー達。正に夢と魔法の世界。
 それをソファに座ってヴァニタス夫妻はのんびりと眺めながらワインを飲んでいた。アリスとルミアの隣ではアナベル&セシルがペンライトの様な魔具を手に音楽にノッて踊っている。クラリアは料理のテーブルの前でポップコーンとチェロスを手にショーを樂しんでいた。
 クラリアはマジカルクリスタルランドの人気キャラクター、レースをふんだんにあしらった雷の妖精の衣装。アナベルは火の妖精の衣装、セシルは水の妖精の衣装を着ていた。ルミアはフードコートのうさぎ耳とエプロンが可愛いパクパクうさぎ。そしてアリスは、
 何で着ぐるみやねん。
 土の魔法のキャラクターはモグラだった。つなぎ着たモグラ、背中にシャベル付きの着ぐるみを着たアリスはちょっと納得がいかなかった。
 他の4人はキラキラでひらひらの可愛いドレスなのに何でモグラに喰われているんだ、私は。
 モグラの口から顔を出している斬新なデザイン。(じゃないと食べられないでしょ。クラリア談)
 背中のシャベルは本物を使う必要があった?重いんだけど。
 絢爛豪華なショーに圧倒されながらもちょっと引っ掛かっているアリスだった。
「えっ?」
 気付くとアリスの目の前に綺麗なお兄さんお姉さんの輝く笑顔があった。
『可愛いモグラちゃんを魔法の国へ御招待~♪』
「へっ?」
 アリスはそのまま舞台に引っ張り上げられた。そして体を真っ二つにされたり串刺しにされたり的にされたりした。

「酷くないですか~?」
 ヘトヘトのアリスはソファの上で伸びていた。アリスの為に大皿に山盛りの料理を取り分けてきたクラリアが、恨めし気に見上げるアリスに笑いながら謝る。
「ごめん、ごめん。どうやったら兄の気を引けるか考えていたらこうなっちゃった」
「当事者不在なのにパフォーマーの兄ちゃん姉ちゃんの玩具にするなんて酷いです」
「アリスが大袈裟に騒ぐからよ。あんなリアクションされたらノリノリで大サービスになるわ」
「サービスで火だるまにされたくないです」
 アリスはよっこいしょと起き上がるとソファに座り直してクラリアから大皿を受け取った。大皿の上では串焼きにされた沢山のシーフードが美味しそうな匂いと湯気を立てている。
「美味しそう~、いっただっきま~す!」
 アリスは手始めに大きな海老の串焼きを取るとかぶりついた。大振りの海老はプリプリで塩胡椒のシンプルな味付けが海老の旨味を引き立てていた。
「この海老、メッチャ旨い!」
 あっという間に一本平らげて次の串に手を伸ばすアリスにフリーデが嬉しそうに声を掛けた。
「気にいってくれて良かったわ。沢山あるから好きなだけ食べてね、アリス。ルミアもね」
「はい、ありがとうございますっ。とっても美味しいです」
「ありがとうございます、お気遣い感謝致します」
 アリスは元気良くルミアは緊張しつつも礼儀正しく返答した。ルミアはアナベル&セシルと3人でシーフードを焼く給仕係の前に並んで楽しそうにお喋りしながら焼き上がるのを待っている。
「貝も美味しいのよ、食べてみて」
「はい、勧めて頂いたスープも凄く美味しかったです」
 それをジッと観察していたクラリアはアリスの隣に座るとまじまじとアリスを見た。
「…ルミア嬢はしっかり者でマナーもキチンと身についているわね」
「はい、私の母が教育の鬼で超スパルタなんです。一緒に遊んでいたルミアもちょいちょい巻き添えに」
 二本目の海老を食べ終えたアリスは頷きながら三本目に手を伸ばす。
「成程、それでハーネット男爵家のお眼鏡に適ったのね」
「おメガネ?」
「そう、本当ならアリス、貴方がああなる筈だったのよ。それなのに前世のキャラが濃すぎたばっかりにモグラに…」
「私をモグラにしたのはクラリア様ですが」
「しかももの凄く似合っちゃってる。モグラの着ぐるみを着こなす乙女ゲームのヒロインってなんとも不憫で…」
「もしかしてクラリア様、お酒を飲んでます?」
「そうね、いっそ飲みたい位よ。お兄様との初遭遇イベントは起こせなかった。もうモグラアリスは見せない方が正解だったと思い込むしかないわ」
「…黒薔薇の根っ子、掘り返しますよ」
「それがあなたに出来るならこんな手間は掛けていないわ」
 クラリアに言い返したアリスは逆に返されてぐっと詰まった。
 確かに無理だ。そもそも何をしていいのかも判らない。
 じぐじょ~っ。
 悔しさを噛みしめるアリスの肩をクラリアはポンポン叩いた。
「魚貝類の次に焼くのはアリス、肉よ」
 アリスの悔しい気持ちはニワトリと豚と牛の3匹があっという間に蹴散らした。そのタイミングで肉の焼ける香ばしい匂いが漂ってくる。給仕係が二人掛りで運んできたのは、物凄くデカい1mはあるこんがりと焼けた美味しそうな塊肉だった。
『うわー、大きい』
 クラリアは目を丸くして立ち上がると、
「アリス、食べましょ…、アリス?」
 振り返ったソファの上にアリスは居なかった。その時、肉を運んできた給仕係の二人がバッと上着を脱ぎ捨てた。そこにいたのは綺羅びやかな衣装のマジカルクリスタルランドパフォーマーの二人。
『マジカルクリスタルランド名物びっくりミートグリルをマジカルスパイスで更に美味しくしちゃうよ!』
 二人は取り出した大きな白いクロスをフワッとお肉に掛けるとサッと外して、
『あれれ~?食いしん坊モグラが食べちゃったーっ』
 巨大なお肉の代わりにそこにいたのは大きな麻袋から頭だけ出したアリスだった。アリスは口一杯にお肉を頬張り、
「も~、もご~っ(ど~なってるの~?!)」
 そのアリスの前に立ったのはクラリアパパのイザーク。イザークはアリスの顔を覗き込んだ。
「食いしん坊なモグラちゃん、も~っとお肉を食べたいかい?」
「もごもご、もごもご~っ(その前に助けて~っ)」
「皆もお肉を食べたいよねぇ」
 イザークの言葉にアナベル&セシルの表情がパアッと明るくなる。
『お父様、もしかして』
「ああ、皆で明日マジカルクリスタルランドへ行っておいで」
『やったー!お父様、大好き!』
 アナベル&セシルはイザークに飛び付いて喜んだ。クラリアはガッツポーズで
「やった、限定味のポップコーン食べれる」
 ルミアはアリスの所まで走って来ると、
「アリス、マジカルクリスタルランドに行けるって!凄い嬉しいっ」
 とウサギの様にぴょんぴょん飛び跳ねた。アリスはというと、
「もごっもごもごーっ(誰か助けてー!)」

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