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禍福は糾える縄の如し
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「好き好き~、ラーメン大好き~♪好き好きチャーシュー麺~♪」
お茶会もお開きになりクラリアからの沢山のお土産菓子を手にアリスは寮の廊下をスキップスキップしていた。
お土産菓子袋の重量が心地良い♪
初めてのお茶会を楽しく過ごしたアリスは自分の部屋へ戻る所だった。部屋で一休みすればもう夕食の時間。その後はお土産菓子で糖分を補給しながらアラン張り込み計画を練る予定のアリスだった。
可能な限り自然でオフなアラン様ショットをGETしなくてはならない。校舎内は何とかなるとして、問題は寛ぎシーンが満載の寮内だ。流石に男子寮はハードルが高い、というか棒高跳び並よね。クラスの男子共を利用して何とか、ならないか~。モブだしなぁ。とにかく足で稼ぐしか。
「おっと」
ついつい自分の部屋を通り越しそうになったアリスは慌てて立ち止まるとドアノブに手を伸ばした。
「こんにちは、アリス嬢」
その時背後からアリスに声が掛かる。ノブに手が触れる寸前でアリスの手が固まる。
……気配がまったく無かったのに。
振り返るとそこには寮長&3階メイド長+2階メイド長の三女史がドンとそびえ立っていた。
ひゃっ。
ドアにへばり付きそうになるのをぐっと堪え、アリスは無意識にお菓子の袋を後ろ手に隠しながら必死で平静を装い三女史に会釈した。
「寮長様、メイド長様方、ごきげんよう」
引き吊り笑顔のアリスをじっと値踏みするような目で見ていた寮長は両脇のメイド長達と何やら目配せを交わす。アリスの背中を暑くも無いのに汗がつうっと流れた。
何なのよ~、部屋はキレイにしてあるよ~?まさかクローゼット奥に隠してあるアレク様オタ祭壇が見つかった?!
「クラリア嬢のお茶会に招かれていたそうですね」
「はハイ、寮長様」
「大変楽しく過ごしたようですね」
「はい、寮長様」
「お茶会に参加されていたご令嬢は皆優秀な方々です。勉強になりましたね」
「はい、とても」
寮長の問い掛けに答えながらアリスの頭の中は疑問符で満杯だった。
どういう事?これも察しろという奴?でも何を?土産菓子を差し出せとか?
寮長もメイド長の二人も無表情で心中を推し測る事は出来なかった。寮長はアリスの背後にチラッと目線をやった後、急にニッコリと笑った。
「理事長様より珍しいお菓子を頂きました。貴方はお菓子が大変好きなようですね」
「はい、寮長様。大変好きです」
「私のお茶会で召しあがる?」
遠慮しまーす!
即、そう心の中で叫んだアリス。しかし前門のトラ、後門のオオカミ&龍に睨まれたカエルアリスは干乾びた喉から、
「はい、是非」
絞り出すのが精一杯だった。
「日程は後程お伝えしますね」
「はい、有難う御座います」
そう答えるしかなかった。引き吊り笑顔のアリスを残し寮長とメイド長二人は階下へ去って行く。
「……」
廊下の向こうの階段を下る靴音が消えて、アリスはその場にへたり込んだ。
……マナーチェックの再チェックって奴か。楽しいお茶会も終わり、お次は看守と過ごす地獄のお茶会か…。何故にこうなった?
「……」
放心していたアリスは鉛の様に重くなった体を動かし何とか立ち上がるとノロノロと自分の部屋のドアノブを握り、その手がピタと止まった。
「……」
アリスはスッと音もなく足を滑らせ一つ間を飛んだ部屋の
ドアをいきなり開けた。
ガチャッ!
『キャアッ』
突然ドアを開けられ、隙間から廊下の様子を覗き見ていたユリアンヌ達がバランスを崩してドミノ倒しになる。クラスメートノーラの部屋のドアの所で折り重なる様に倒れ込んでいたのはユリアンヌやサーシャにノーラといったクラスメートや非公認?サークルのメンバー達だった。
「いだい~っ」
と呻くサーシャが邪魔で起き上がれずにいるユリアンヌや一番下敷きになり、
「退いて~」
とジタバタノーラ他御学友達の山。それを光の失われた瞳で見下ろしたアリスは、
「……、見捨てたわね~。寮長様に断罪されている私を見殺しにしたわね~」
アリスの地を這うような恨みの籠もった声にユリアンヌ達の山が硬直する。頬を引き吊らせたユリアンヌが、
「様子を見て声掛けしようと思ってはいたのよ?」
「でもしなかった…」
「り、寮長様に太刀打ち出来る寮生なんていないもの~」
言い訳するノーラに、
「だからただ見ていたのね…」
「寮長様のお茶会へのご招待自体は光栄な事なのよ?」
ポジティブ変換のサーシャ。それに全員が乗った。何とか崩れた人間ピラミッド状態から脱したユリアンヌ達は、勢い皆何となく正座して口々に暗黒落ちしたアリスを、
「寮長様のお茶会にアリスが一番乗りなんて」
「凄く名誉な事だわ~」
「3階のメイド長様の淹れた紅茶は絶品という噂よ」
「素晴らしいわ、流石アリスね~」
ポジティブにアリスを持ち上げる猿芝居モブ令嬢方。その言葉にアリスの心は、動く訳がなかった。
「言いたい事はそれだけか~ぁ」
『すみませんでした~っ』
鈍器を振り下ろす様な重いアリスの声に全員謝った。勿論それでアリスの絶望が消える事はない。アリスは後ろ手に持っていたクラリアお土産菓子をバッと前に掲げた。
「クラリア様からのお土産菓子、皆で食べようと思っていたけどあげない。一人で食べる!」
そう叫んでノーラの部屋を飛び出すアリス。背後からユリアンヌ達の、
『本当に申し訳ありませんでした~』
心からの謝罪の言葉がこだまする。しかし振り返る事はなくお菓子の袋を抱えたアリスは自分の部屋へ一人戻った。
お茶会もお開きになりクラリアからの沢山のお土産菓子を手にアリスは寮の廊下をスキップスキップしていた。
お土産菓子袋の重量が心地良い♪
初めてのお茶会を楽しく過ごしたアリスは自分の部屋へ戻る所だった。部屋で一休みすればもう夕食の時間。その後はお土産菓子で糖分を補給しながらアラン張り込み計画を練る予定のアリスだった。
可能な限り自然でオフなアラン様ショットをGETしなくてはならない。校舎内は何とかなるとして、問題は寛ぎシーンが満載の寮内だ。流石に男子寮はハードルが高い、というか棒高跳び並よね。クラスの男子共を利用して何とか、ならないか~。モブだしなぁ。とにかく足で稼ぐしか。
「おっと」
ついつい自分の部屋を通り越しそうになったアリスは慌てて立ち止まるとドアノブに手を伸ばした。
「こんにちは、アリス嬢」
その時背後からアリスに声が掛かる。ノブに手が触れる寸前でアリスの手が固まる。
……気配がまったく無かったのに。
振り返るとそこには寮長&3階メイド長+2階メイド長の三女史がドンとそびえ立っていた。
ひゃっ。
ドアにへばり付きそうになるのをぐっと堪え、アリスは無意識にお菓子の袋を後ろ手に隠しながら必死で平静を装い三女史に会釈した。
「寮長様、メイド長様方、ごきげんよう」
引き吊り笑顔のアリスをじっと値踏みするような目で見ていた寮長は両脇のメイド長達と何やら目配せを交わす。アリスの背中を暑くも無いのに汗がつうっと流れた。
何なのよ~、部屋はキレイにしてあるよ~?まさかクローゼット奥に隠してあるアレク様オタ祭壇が見つかった?!
「クラリア嬢のお茶会に招かれていたそうですね」
「はハイ、寮長様」
「大変楽しく過ごしたようですね」
「はい、寮長様」
「お茶会に参加されていたご令嬢は皆優秀な方々です。勉強になりましたね」
「はい、とても」
寮長の問い掛けに答えながらアリスの頭の中は疑問符で満杯だった。
どういう事?これも察しろという奴?でも何を?土産菓子を差し出せとか?
寮長もメイド長の二人も無表情で心中を推し測る事は出来なかった。寮長はアリスの背後にチラッと目線をやった後、急にニッコリと笑った。
「理事長様より珍しいお菓子を頂きました。貴方はお菓子が大変好きなようですね」
「はい、寮長様。大変好きです」
「私のお茶会で召しあがる?」
遠慮しまーす!
即、そう心の中で叫んだアリス。しかし前門のトラ、後門のオオカミ&龍に睨まれたカエルアリスは干乾びた喉から、
「はい、是非」
絞り出すのが精一杯だった。
「日程は後程お伝えしますね」
「はい、有難う御座います」
そう答えるしかなかった。引き吊り笑顔のアリスを残し寮長とメイド長二人は階下へ去って行く。
「……」
廊下の向こうの階段を下る靴音が消えて、アリスはその場にへたり込んだ。
……マナーチェックの再チェックって奴か。楽しいお茶会も終わり、お次は看守と過ごす地獄のお茶会か…。何故にこうなった?
「……」
放心していたアリスは鉛の様に重くなった体を動かし何とか立ち上がるとノロノロと自分の部屋のドアノブを握り、その手がピタと止まった。
「……」
アリスはスッと音もなく足を滑らせ一つ間を飛んだ部屋の
ドアをいきなり開けた。
ガチャッ!
『キャアッ』
突然ドアを開けられ、隙間から廊下の様子を覗き見ていたユリアンヌ達がバランスを崩してドミノ倒しになる。クラスメートノーラの部屋のドアの所で折り重なる様に倒れ込んでいたのはユリアンヌやサーシャにノーラといったクラスメートや非公認?サークルのメンバー達だった。
「いだい~っ」
と呻くサーシャが邪魔で起き上がれずにいるユリアンヌや一番下敷きになり、
「退いて~」
とジタバタノーラ他御学友達の山。それを光の失われた瞳で見下ろしたアリスは、
「……、見捨てたわね~。寮長様に断罪されている私を見殺しにしたわね~」
アリスの地を這うような恨みの籠もった声にユリアンヌ達の山が硬直する。頬を引き吊らせたユリアンヌが、
「様子を見て声掛けしようと思ってはいたのよ?」
「でもしなかった…」
「り、寮長様に太刀打ち出来る寮生なんていないもの~」
言い訳するノーラに、
「だからただ見ていたのね…」
「寮長様のお茶会へのご招待自体は光栄な事なのよ?」
ポジティブ変換のサーシャ。それに全員が乗った。何とか崩れた人間ピラミッド状態から脱したユリアンヌ達は、勢い皆何となく正座して口々に暗黒落ちしたアリスを、
「寮長様のお茶会にアリスが一番乗りなんて」
「凄く名誉な事だわ~」
「3階のメイド長様の淹れた紅茶は絶品という噂よ」
「素晴らしいわ、流石アリスね~」
ポジティブにアリスを持ち上げる猿芝居モブ令嬢方。その言葉にアリスの心は、動く訳がなかった。
「言いたい事はそれだけか~ぁ」
『すみませんでした~っ』
鈍器を振り下ろす様な重いアリスの声に全員謝った。勿論それでアリスの絶望が消える事はない。アリスは後ろ手に持っていたクラリアお土産菓子をバッと前に掲げた。
「クラリア様からのお土産菓子、皆で食べようと思っていたけどあげない。一人で食べる!」
そう叫んでノーラの部屋を飛び出すアリス。背後からユリアンヌ達の、
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