無理です!!。乙女ゲームのヒロインからの正統派ライバル令嬢なんて務まりません! 残念JK残念令嬢に転生する

ひろくー

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ウェインイベント発生?!

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 来る日も来る日もアリスはダンスレッスンに明け暮れていた。しかし努力虚しく成果はほとんど見られない。
 とっくにアリスの心は折れていたが膝を付く事をソネガン先生ズとのっぺらぼうが許さない。
 …アイツ、疲れ知らず…。
 この日もアリスは足取り重く授業後の夕方のダンスレッスンへと一人廊下を歩いていた。
 あ~、行きたくない。
 トボトボとダンス教室に向かうアリス。その足元に、
 ヒラリ。
 一枚の黒い薔薇の花びらが舞い落ちた。
 ?
 顔を上げるアリスの目に飛び込んできたのは魅惑の微笑みだった。
 ?!
 廊下の先にウェインが一人佇んでいた。
 どどどど、どぅぇ~え?!
 ウェインから怒涛の如く流れ来る妖しい色香と溢れ出るフェロモンの激流に押し流されそうになるアリス。アリスは必死でその場に踏む留まる。
 溺れる溺れる溺れる、パート幾つだぁ?
 そんなアリスにウェインはにこやかな笑顔で近付いて来た。
「こんにちは、アリス嬢。ダンスレッスンを頑張っているようだね」
 アリスに優しく語り掛けながら瞳に掛かる黒髪を優雅な仕草でかき上げるウェイン。指先から黒い薔薇の花びらが舞い、気品と色香を身に纏わせた魅惑の黒薔薇ウェインにアリスは、
 うっ。
 クラリアのイケメンと簡単おしゃべりマニュアル基本中の基本版 攻略対象キャラクター共通 犬でも出来ちゃう会話応対集を取り出す暇もなく、一発でKOされた。
 ああ、やっぱり攻略対象キャラクターのキラキラパンチは重い…。今日はダンスレッスンはお休みです。
 マットに沈みかけたアリスは寸前でのっぺらぼうによって現実に引き戻される。
 ちっ。
 心の中で舌打ちするアリス。ウェインは首を傾げた。アリスは無理矢理後ろを向いて、
 パンッ。
 両手で自分の両頬を叩くと必死でアリスは犬でも出来ちゃう会話応対集のページを頭の中でめくった。
 おしっと。
 ギギギとウェインに向き直るアリス。
「ゴゴゴゴキゲンヨウ」
 ほっぺた真っ赤アリスにウェインは二度まばたきをしてクスッと可笑しそうに笑う。
「苦労している様だとアーサーから聞いたよ」
 ウェインの言葉にアリスは、
 あのヤロー、チクりやがって。
 しかしこれは頭突きを食らわせたアリスが悪い。
 全身ガチガチのアリスはにへっと兎に角笑顔を作った。
 イケメンと簡単おしゃべりマニュアル基本中の基本版 攻略対象キャラクター共通 犬でも出来ちゃう会話応対集、挨拶の後も話を続けてきたら。
 お勧めパターン 友人といる場合、全てそのセリフや間合いを真似して友人の後に繰り返す。
 …どうしていつもお勧めパターンが使えないの?
 一人の時の緊急パターン2
 曖昧な笑顔で頷いたり、肯定とも否定とも取れない「まあ」と合いの手を入れる。「はい、お気遣い有り難うございます」を時折挟む。相手が飽きるまで愛想笑いで我慢する。
 今回はコッチだ。
「まあ、あい、…お気遣い有り難うございます」
 アリスは文言をそのまま復唱した。
「まあ、あい?」
「あああ、あい、スイマセン」
 反射的に思い浮かんだ言葉を口走るアリス。
「あー、いや君がとても頑張っている事は聞いているよ」
「はい、有り難うございますまふ」
「まふ?…疲れているんだね」
「はい、いえ、あのその」
 頬が引きつるアリスにウェインは考え込む様な仕草をする。
 そんな姿すら色気が溢れている。
 と冷や汗アリスは思った。
「まあ、練習は闇雲にすれば良いというものでも無いから、そうだね」
 アリスを見るウェインの瞳に少し悪戯っぽい光が入る。
 そんな表情ですら色気がだだ漏れてるなー。
 な冷や汗アリス。その手をさり気なく取ったウェインはスッとアリスの腰に手を回した。
「ひゃっ?」
 いつの間にかダンスのポジションをとっていたアリス。その脳裏に浮かんだのはアーサーとの惨劇イベント。
 アーサーなら兎も角、ウェインに頭突きかましたらクラリア様に殺される。アナベル&セシルに眠る墓を掘り返される。しかも今の私は(冷や)汗だくだし~。
「きき、危険です、ウェイン様っ」
 慌ててアリスはウェインから離れようとするが、予想外にウェインの力は強くビクともしない。
「あの、危ないッス」
 必死に訴えるアリスにウェインはにこやかな笑顔を返した。
「今の体勢をキープしてくれるかい?」
「はひ?」
 動こうにも電池の切れかけたダンシング人形なアリス。そのアリスの手をしっかりと掴み直して腰に回した手で制服のスカートのベルトを掴んだ。
 そしてそのままウェインはヒョイとアリスを持ち上げた。
「へっ?」
 靴の爪先がギリギリで床に着かない位で浮いた状態のアリスを抱えるように支えたウェインは、
「ララ、ララララ、ラ~ラ~ララ~♪」
 とワルツの音階を口ずさみながらワルツのステップで踊り始めた。
 ウェインの笑顔とハミングを間近で拝もうと思えば拝める距離でくるくる回るアリスは白目を剥きかけ、
「…、?!」
 その他アリスの視界に教室の窓ガラスに映るウェインと自分の姿が見えた。
 …何か、私に、踊れてる?てゆーかめっちゃ優雅に踊れてる~?!
 ように見える。
 地に足が着いていないアリスには相手の足を踏む事が出来ない。蹴り技も投げ技も地に足が着いてこそだ。
 夢中になって窓ガラスに映る自分を見るアリスにウェインは嬉しそうに話し掛ける。
「どう?先ずは成功体験でイメージを掴んでみるのも良いのではと思ってね」
「はいっ」
 アリスは笑顔でウェインに頷き、
「!!」
 アリスはウェインの魅惑の黒い瞳を間近で直視してしまった。瞬時に意識が飛ぶアリス。
「良かった。アーサーよりは役に立てたかな。ふふっ」
 完全に電池の切れたダンシング人形アリスを持ったウェインはご機嫌でワルツを踊る。
「クラリアの喜ぶ顔が目に浮かぶよ。アナベルとセシルも流石お兄様って褒めてくれるかな~」
「…」





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