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香織の策略

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香織の計画はこれだけにとどまらなかった。彼女は、祐樹についてありとあらゆることを調べ上げていた。その中に面白い情報があった。祐樹は、中学になるまで育児放棄されていた。そんなことをする親がまともな人間のはずがない。探し出して利用する価値があるのではないか、香織はそれを織り込んで計画を考えようとした。その時、祐樹から奪い取った携帯電話に昌磨からのメッセージが送付された着信音が鳴った。
香織は、遠慮することなく携帯画面を見るとそこには、自分に対してさえ言われなかった熱烈な愛の告白が記載されていた。香織が思うより、彼らの関係は進んでいたのだ。香織は考えるより先に体が動き祐樹のいる部屋に走って戻った。ドアを勢いよく開けて祐樹に詰めかけよった。
香織は怒り狂うままに鞭をふるった。祐樹は堪らず両手でかばった。
「あなたって、本当にいやらしい方ね。」
祐樹の両手から血が流れていても、香織の怒りは収まらず、肩で息をしていた。
「今ここで自分が卑しいものだと認めなさい。そして、謝りなさい。」
祐樹は香織に肩をつかまれ、顔に向かって叫ばれた。鬼のような形相だった。
祐樹は涙と恐怖で顔をこわばらせながら強要されるがまま答えた。
その言葉を聞いてようやく香織は我に返って、祐樹の肩から手を放して身を正した。
「携帯電話をお渡しします。今ここで、昌磨様にメッセージを送って今発言したことを証明してください。」
祐樹は言われるがまま、携帯電話と受け取りメッセージを送った。香織はそれを、確認し祐樹の携帯電話を奪って自分の手元にもう一度戻すとようやくいつもの自分に戻った。
「取り乱してしまいました。もう、二度と会うことはありません。どうぞ、どこかの誰かに可愛がられてくださいね。さようなら。」
ドアはもう一度閉じられた。香織の足音がどんどん小さくなっていった。

健一はその日、講義を受け終わって練と一緒にご飯を食べるつもりでいた。だから、お互いの講義が終わったら、いつも行っている定食屋で待ち合わせをしていた。しかし、予定の時間になっても練は現れず、心配になって電話を掛けた。電話に出た練はどうやら誰かに絡まれているらしく、助けてくれと言っていた。詳しい居場所を聞いて、健一は走っていくと、50代のおばさんに腕をつかまれている練を見かけた。健一は急いで駆け寄った。
「すみませんが、何をしているんですか。手を離してください。」健一は力いっぱいおばさんの腕をつかんで練の腕から引きはがした。
「なによ!痛いじゃない。」おばさんは、自分は何もしていないのに突然乱暴されたかのように叫んだ。
「あなたは誰ですか?どうして、いきなり彼につかみかかってきたのですか?」
「あたしね、祐樹のお母さんなの。小山祐樹ってしらない。この男の子祐樹のお友達で、お金もってるらしいじゃない。ちょっと貸してもらおうと思って。」
祐樹という名前には、覚えがあったが健一たちの知っている祐樹の苗字は浅賀だ。それに、祐樹の母親には会ったことがあるが、三十代といっても通じるくらい若々しい外見で四十いくつだったはずだ。決して、今目の前にいるこの人ではない。
「人違いだと思います。僕たちの知っている友人の中にそんな名前の方はいません。」
「そんなはずないわよ。確か、あの子名前が変わって、あさが?になったのかしら。私あの子を産んだ母親なの、小山冴子よ。正真正銘の血のつながった親子。」
健一は驚いたが、このおばさんが言っていることには事実が含まれていた。しかし、だからと言って簡単に信じることはできない。今時、個人情報なんてパソコンを使って探し出そうと思えばいくらでもできる。それらしいことを言うのも、難しくはないだろう。だから、健一たちの友人の本名を言い当てたからと言って鵜呑みにはできない。とにかく、この人から一度離れよう。祐樹にはこのことを話して、今後もっと個人情報を大切に扱うように一言言っておかなくてはならない。しかし、二人が離れようとどうにかする前に周囲で、この一部始終を見た人が通報したのだろうか、警察が来てしまった。
健一は冷静に事情を話した。練に絡んできたおばさんが警察の質問にわめいたせいで、健一の話はすんなり信じてもらえた。おばさんには厳重注意をされて、健一たちは無事その場から離れることができた。

香織は、薄らぎたない初老の女性がせわしなく手を動かし家のものをくすねようと、あちらこちらに視線を移している様子を何も言わず見ていた。そして、それをポッケにいれたときに声をかけた。
「冴子さん。ポケットに入れたものを返してください。」
ばれていたのが分かると冴子は、薄ら笑いを浮かべて物をもとの場所に戻した。
「ごめんなさいね。あんまりにもきれいだったから、つい。」
「そうですか。こんど、同じ真似をしたら警察に突き出しますからね。」
その言葉にようやく香織が本気だと分かって、冴子は慌てて香織の前の席に座った。
「それで、祐樹さんのご友人は貸してくれそうでしたか?」
その話を聞かれて、冴子は勢いよく話した。話は終始して自分は悪くないという主張だった。
「失敗したのですね。」
冴子は先ほど見せた薄ら笑いをした。
「では、こうしましょう。今度、祐樹さんとその友人を招待します。昌磨さんという方です。そのかたは、私が足元にも及ばない資産の持ち主ですから、冴子さんが借金している200万円程度ならすぐ貸してくれますよ。」
「でも、そんな回りくどいことしなくても、香織さんが貸してくれたら全部丸く収まるんじゃないの?」
「言い忘れていましたが、冴子さんの借金はすべて私が代わりに充てておきました。」
「あらまあ、ありがたいね。ありがとうね。」冴子は、香織の手をつかもうとしたが払われた。
「勘違いしているようですが、つまり今私が債権主なのです。ですから、私にお金を返してください。もし、返さないようであれば借用書は街の貸金よりも、もっとひどいところに売り渡しますから。」
香織の態度に、冴子の頬がひきつる。
「でも、安心してください。昌磨さんから借りれば済む話です。昌磨さんは。」
ここで、初めて香織の冷酷な表情が苦しそうに歪んだ。しかしすぐに元の無表情に戻って続けた。
「昌磨さんは祐樹さんに好意を持っているようです。その方の母親とあればきっと助けてくださいますよ。」
「あら、あの子男に好かれてるの?昔から、妙に媚を売るのがうまくてね。でも、それが役に立ってくれたから私は気にしなかったけど。」
「昔からというのは、どういう意味ですか?」
練の話を聞く限りでは、祐樹は異性愛者のようだった。しかし、この母親の話では昔から同性愛者だったような口ぶりだ。
「あの子ね、小さい時から男の人に妙に好かれるんだよ。本人もまんざらじゃないから、私の仕事をちょっと手伝わせてやったの。そしたら、お金になるもんだからね。私が、強制したわけじゃないのよ。」
冴子ははぐらかすような口ぶりだったが、話の内容から察することはできた。
「売春させてたんですか?」
「売春なんて、人聞きの悪いことをいうのはやめてよ。それにあの子だって最初こそは泣いてたけど、あとは慣れてまんざらでもなかったんだから。」
思わぬ儲けものに、これは利用できると香織は考えた。最初は祐樹の母親を使って、彼の周囲の人間関係を徹底的に潰し、昌磨に祐樹のことを幻滅させて、諦めさせればいいと考えていた。しかし、それ以上に利用できる事実が現れた。どんな方法を使って、この事実を知らせようか。その結果を考えるだけで笑ってしまう。
香織はにっこり笑った。冴子はその笑顔の意味が理解できずに笑い返した。

祐樹からメッセージを受け取ったその日仕事中の昌磨は兄に一言告げてオフィスを離れて車を飛ばし、祐樹の家に向かった。何度電話をしても繋がらず返事がなかった。何かあったのではないだろうか。不安がよぎる。昌磨は、祐樹の家のインターフォンを押したがならなかった。来ることを予想して、切ったのかもしれない。代わりに、そっとドアをノックした。返事はなかった。
昌磨はドアを突き破ろうか考えたが、そこへアパートの大家が現れた。昌磨を見かけるとニコニコ笑いかけてくる。昌磨は急いで、階段を下りて祐樹の所在について聞いた。
「そういえば出かけてから、一度も帰ってきてないよ。お友達の家に泊まったのかね。」
昌磨は祐樹の友人を全員把握しているわけではないが、調べればすぐわかることだ。
「ありがとうございます。」昌磨は、大家にお礼を言って素早く車に戻った。

圭太は、祐樹が心配だった。ゼミを休んでいるうえに、連絡をしても一切返事がなかった。健一に聞いた話から考えれば、厄介なことに巻き込まれたのではないだろうかと心配してしまう。それに、就職活動に向けてみんなが動き始める頃を、このまま過ごしていては本当にやばいことになる。祐樹にもう一度メッセージを送ってみようか。圭太がそう考えているときに、誰かに声をかけられた。振り返ると、祐樹のストーカー昌磨が立っていた。
「あれ、どうしたの?」もしかして、原因はこいつなのかと勘ぐってしまう。
「お久しぶりです。圭太さん。」自己紹介をした覚えはないが当然のように名前を呼ばれた。
「祐ならいないよ。」
「それは、知っています。だから、来ました。最近祐樹さんの周りで何か起こりませんでしたか?」
どうやら、原因は昌磨ではないようだ。
圭太は、どうしようかと考えた。ストーカーに祐樹の最近の事情を話すのは憚れる。
しかし、そこは昌磨の方が一枚上手で、直ぐに圭太の考えを読んだように言った
「圭太さんは、就活生でしたよね。僕だったら、圭太さんの希望する企業に口添えできるのですが、どうしますか?」
祐、こいつは良いやつだよ。圭太の考えは百八十度回転した。そして、迷いのない眼で最近祐樹の母親と名乗るおかしなおばさんがいることを話した。
「ありがとうございます。」礼を言って立ち去る昌磨の背中をホクホク顔で圭太は見送った。手には昌磨からもらった名刺が握られていた。
圭太の話を聞いて、学部長に連絡を入れて健一と練を呼び出してもらい、学部長の応接室を借りて二人を待った。間もなく、緊張した面持ちで2人が現れたがソファーに座っている昌磨を見ると混乱した顔になった。
しかし、そんな二人の戸惑いを無視して単刀直入に話を切り出した。
「悪いけど、ストーカーにターゲットの情報を話すつもりはないし、圭太の話がすべてだよ。」健一は圭太と違って一つ縄ではいかないようだ。
「ストーカーではありません。」
「ストーカーって自分から認める人はいないよね。」健一は即座に切り返した。
昌磨は健一の隣の練を見た。目が合った練は直ぐに目をそらした。その視線に気が付いて健一は、昌磨を睨む。
「日笠練さんですよね。確か、以前何かの集りでお会いしませんでしたか。」ほほ笑むように笑う昌磨の言葉に練はビックとした。健一は知らないだろうが、西園寺家は本物の権力者の集まりだ。それを、痛いほど知っている練はそんな言葉遣いできない。
「その、僕が知っているのは本当に健一の言う通り、圭太が話したことが全てです。それ以外では、」必死に頭を巡らす練に昌磨は畳みかけた。
「些細なことで、構いませんから思い出せることは何でも話してください。」
「そっそう言えば、香織ちゃんに昌磨君が祐樹のこと好きだって話しちゃった、じゃなくって、話してしまいました。」
昌磨その言葉を聞いて、ようやく糸口のようなものを見つけ出した気がした。香織とは幼馴染のような関係で一度付き合ったことがあるが、直ぐに気持ちが冷めてしまった。そのあとは、香織の家のほうが経済上、不安定になり家を売り払って引っ越してしまってからは以前ほどの付き合いはなくなってしまった。香織が今でも自分に一方的な思いを寄せていることに気が付いていたが、それは別れた女の子によくあったことだし未練が長く続いているからと言ってこちらから何かをするというのもおかしな話で気にすることはなかった。しかし、今現時点で何かに関連して可能性があるのは彼女だけだ。
「ありがとう。」そう言って、直ぐに昌磨は立ち去った。
練は昌磨が消えてからようやく緊張の糸を手放して、ソファーにもたれかかった。

昌磨はまず香織に会いに行こうと考えていた。しかし、兄から家で香織が昌磨のことを待っているという連絡が届き、急きょ行先を変えた。兄の住むマンションの駐車場に車をとめて目的の階にたどり着き部屋に入ると、そこには香織がリビングの中央にあるソファーで姿勢よく座っていた。その隣には初老の女性が背中を丸めてあたりを落ち着きなく部屋を見回している。
「昌磨さん突然押しかけてしまい、申し訳ありません。しかし、一つ申し上げておきたいことがありまして昌磨さんのお兄さんに伺ったところ、こちらで待ってて良いと言われましたので。」
「丁度良かったです。僕も、お会いしたいと思っていたところなので。」香織は何を勘違いしたのか頬を赤らめた。そして、咳払いをしてから口を開いた。
「こちらの方は、小山冴子さん。浅賀祐樹さんの産みの母親です。浅賀さんは中学から養子として別のご家庭で育てられていましたが、それまではこちらの産みの母親と暮らしていましたの。」
香織は一度話を切って、隣にいる冴子に同意を求めるように目線を向けた。冴子はその視線に気が付くと、歯をむき出しにして笑った。
昌磨には初耳だった。祐樹の家について話す機会がなかったが、それはいつか心を打ち明けてくれた時に祐樹の方から聞きたかった話だ。
「昌磨さんは、浅賀さんがどのような方かご存じないですか?私も、こちらのお母様から聞いたときは驚かされましたが、浅賀さんは小さいころから男性相手に色を売っていたようです。こちらのお母様だって、浅賀さんと離れたのは再婚相手に媚を売って寝ていた事に耐えられなくなって已むに已まれぬためだと証言しました。」香織は、そこまで話すと事前に出されていたテーブルの上のカップを手に取り口につけた。
昌磨には衝撃の事実だった。まさか、祐樹がそのような過去を背負っていたなんて知る由もない。昌磨は自分の勝手な行動を悔やんだ。祐樹との関係に可能性すら感じていたことを恥じた。自分が傲慢だった。誰からも拒絶された経験がないから、それを祐樹にも当てはめた。今思えば、受け入れてくれると心の無意識の領域で思っていた。恐怖を与えていたのだろうか。そう考えると、胸が引き裂かれるように痛んだ。今すぐ、謝り許しを請いたい。これは、本当に自分のわがままだ。しかし、もし拒絶されたら、今度こそ…。
香織は、何も話さなくなった昌磨を見て畳みかける言葉を探して、慎重に話した。
「私も、昌磨さんの友人がそのような方で驚きました。しかし、この事実は昌磨さんの耳に入れておかなくてはいけないと思ったのです。だって、そのような方とお付き合いすれば、西園寺家の沽券にかかわると思うのです。ね。」香織はきれいに整えられた眉を寄せて、困ったような顔を作りながらほほ笑んだ。完璧だと思った。
しかし、昌磨は何かが引っかかっていた。
「そちらのご婦人は、その事実を僕に伝えるためだけに、お呼びしたのですか?」
香織は思いがけない質問に言葉が詰まった。自分が祐樹の過去を知った経緯についてはいくらでも誤魔化せるが、この女をわざわざ話の場に連れてきた理由に関しては苦しくなる。ここで、香織は冴子を連れてきたのは欲張ってしまったと後悔した。この女に、お金を昌磨からせびらせれば、祐樹への印象をより悪くできると期待していた。香織は昌磨の視線に焦りとっさに言った。
「私も、困っているのですが、こちらの方がどうしてもついてきたいと。」
「香織さんは、どうやってこちらのご婦人と知り合ったのですか?一緒に並んでソファーに座っている様子を見ると、しつこくされて迷惑を被った様子は見受けられませんね。」
いよいよ、言い訳が苦しくなってきた。
「たまたま、偶然ではなく、その・・・」言葉を続けられない。何を言えばいいか考えが浮かばず真っ白になる。
昌磨は、しどろもどろの香織を注視した。香織は本当の話をしていない。
「小山冴子さんと言いましたね。香織さんとはどういう御関係ですか?」
女は、目を左右に泳がせている。明らかに何かを隠している。
昌磨はこういう人物を人生において実際に出会ったことが何度かある。肩書は違えど、性質は同じだ。どう扱えばいいかも、わかる。
「何か困っていることはありませんか?」昌磨は仕事で使う笑顔を作った。初対面の相手に笑いかけ信頼をえるのは基本。そして、人間が困っていることがあれば二つ。
「例えば金銭関係や人間関係。きっと、お手伝いできると思いますよ。」
冴子は直ぐに目を輝かせた。
「本当に?私ね、こちらのお嬢さんに200万円貸してもらっているんだけど、返さないと借用書を闇金に売りつけるって脅されてるの。あなたが裕ちゃんの色で金持ちだって聞いてね。金をせびれば、もらえるっていってたけど、言わなくても貸してくれるなんて。本当に親切ね。」
冴子の口を割らせるのは拍子抜けするほど簡単で、あっさり答えた。隣にいる香織はみるみる顔が青ざめていく。
「香織さん詰めが甘いですね。こういう人間は、どんなに教え込んでも、その場で状況が変われば、すぐ身を翻すものです。連れてきたのは、あなたの失敗でした。もう少し詳しいお話を聞かせてくれませんか?」
この時点になっても、香織はどうにか挽回する方法はないか必死に頭を回転させていた。しかし、一つも浮かぶことなく混乱するばかりで、感情の制御ができなくなった。自分がどれほど昌磨を思い、こんなことをしてまでここにいるのに、その気持ちが一ミリも彼には伝わらない。それどころか、あの汚らしい男に肩入れするどころか、自分を責め立てる。
「昌磨様が悪いのです。今まで、誰も好きにならなかったのに、あのような方に入れあげるなんて。」泣くつもりは無くとも、涙をとめられなかった。
「香織さん、僕は自分でも祐樹さんに恋した衝撃を説明できるかわかりませんが、あなたに冷めた理由なら言えます。あなたは空っぽなのです。僕が、100といえばあなたも100という。自分というものがない。あなたは、付き合ってきた女性の中で一番退屈な方でした。」
昌磨の言葉を聞いた香織は膝から崩れ落ちるようにソファーから滑り落ちた。目には何も映っておらず、涙だけがあふれ出ていた。
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