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4章
257 シエラの奮闘と一転攻勢
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あっさりと一部隊を葬り去り、シエラが僕の方へ戻ってきた。何やら足取りが軽いので解析を発動してみたところ、今の戦闘で種族レベルが上がったようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
名前 シエラ
種族 人間 Lv28
第一職業 上級宝飾師 Lv2
第二職業 上級剣士 Lv2
第三職業 中級道具師 Lv18
ーーーーーーーーーーーーーーー
僕やミレアよりは低いものの、アリアさんやレインよりは三つほど上だ。プレイヤー全体で見ても、十分に上位陣と言っていいだろう。
それに、職業欄に格闘士がないので、そちらから与ダメージなどへの補正は受けられないはず。すなわち、技術面もそう悪くはないということになる。
とはいえ、格闘と剣術の連携については、まだまだ直すべき箇所が多分にある。
一皮むけられるかは今後の頑張り次第だ。
「お疲れ、シエラ。上手く敵の利――数的有利な状態を奪いつつ戦えてたな。さすがは【無冠の戦姫】だ」
「ちょっとー! その二つ名は嫌いだからやめてってばー!」
「はいはい。それじゃあUターンね。次の相手がお出ましだから」
「ふえっ!?」
ぷんすか怒るシエラを、走ってきた勢いそのままにくるっと一回転させ、ポンと背中を押す。まだ二十人以上残ってるのだし、終わった気になるのは早すぎる。
シエラ、君に決めた!
「いけ、シエラ! 『無冠のギャラクシーストライク』だ!」
「何そのちょっとだけ宇宙を壊しそうな技名っ!? というかっ、わざわざ無冠ってつけないで!」
シエラは僕のネーミングセンスを貶しながらも敵へ駆けていった。
技名は咄嗟に考えたんだし、少しは多めに見てくれ。
その後、数分おきにやってきたフォーマンセルを、いずれもシエラが独力で沈めた。六組×各三分で、既に守備を始めてから、かれこれ三十分以上が経過している。
最後の三人については、刃を交えることなく撤退していった。
額に汗をにじませはじめたシエラが、三組目を倒し切ったタイミングでの退却だったように思う。僕はやることがなく絶えずマップを確認していたし、間違いない。
「はぁ、はぁ。つ、疲れた……!!」
疲労困憊となったシエラが足を投げ出して座り込み、そのまま地面で横になる。
少しずつ動きが荒くなっていたが、守るべき石像には最後まで指一本触れさせていない。危なくなったら助けるつもりだったけれど、いらない心配だったか。
さて、僕のAPも九割を超えたし、そろそろ打って出よう。
「疲れてるとこ悪い。僕は拠点の外に出るから、このまま防衛を頼む」
「うん、分かった。でも、敵が来たらちゃんと戻ってきてね?」
「ああ。そう遠くへは行かないし、ここのマップを表示したままにしておく」
「なら、大丈夫かな。一人で大変だろうけど、砦攻め頑張って」
「最低でも……フラッグを数本、手土産にするよ」
ミレアより上手くやれる自信はないが、自分の実力を過小評価もしていない。万全の状態なら問題なく達成できる目標だと思う。
寝転がったままのシエラから激励を受け、僕は訓練場を後にした。
○○○
「でででっ、出たあああああっ!!」
「出たあああ! って……僕は幽霊かよ」
現在僕が居るのは、第二拠点から数分ほど西へ行った位置にある、ギルド《スーパースパーク》の本拠地。
失礼千万な叫び声を挙げたのは、和風城の門番を務める男性プレイヤーだ。
……【影魔法】Lv1呪文アーツ『シャドウムーブ』で現れたのがいけなかったのかもしれない。突然自分の影から人が出てきたら、誰だって驚きもするだろう。
だが、許さん。
背を向けて逃げ出した男を、後ろから槍で一突き。ギルド戦から退場させる。
ポイント効率を考えるなら……旗を奪った後でギルドマスターを倒すべきか。
「門番がやられた! あれは……【瞬刻の戦神】だとおおっ!?」
「裏門に兵力を集めろ! 全員でかかれば倒せるかもしれないぞ!」
「誰か、ギルドマスターを外に逃がせ! アイツに襲われたら勝ち目がねぇ!」
僕の姿を見つけたギルドメンバーたちが、てんでバラバラな内容を口にし出す。
みんながみんな、軽いパニック状態に陥っていて、お世辞にも指揮系統がしっかりしているとは言えない。敵への対応の拙さもあるし、あまりメンバーの質が高くないギルドなのだろう。
レベルが低く経験値に期待できないし、いちいち戦うのも面倒だ。
適当に影を転移しつつ交戦を避け、フラッグと敵のギルドマスターを探す。
……フラッグは見つけた。
なんと分かりやすい場所なのか。城の天辺に堂々と刺されているではないか。
「よっ、ほっ、そいっ……!」
城の外側を【空中機動】の多段ジャンプと『シャドウムーブ』で移動し、赤いフラッグを奪取した。んで、敵のリーダーはいずこに……?
てっきり、自分たちのギルドフラッグを守ってるかと思ってたのに。
ちょうど高い場所に立っているのだからと、城の天辺から拠点の敷地内を見下ろし……物陰をコソコソ移動し西側の門へ向かっているヤツが、僕の目に留まった。
「ちっ! 攻められた時の援軍目当てで連合に入ったってのに、あいつらちっとも間に合わねぇじゃねぇか! やっぱ俺だけでも逃げ――」
城から飛び降りて確認すると、名前の横にギルドマスターの印があったので攻撃。ギルマスの男は、連続クリティカルダメージによりHPが消滅した。
斬り捨て御免。
《第四職業が<土石魔法士>Lv11になりました》
《熟練度が一定に達し【土石魔法】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【奇襲】スキルがLv10になりました》
ギルドマスターが脱落すればギルド全体の敗北ゆえ、残っていたメンバー全員、光に包まれて転送された。
一人一人倒していかなくてもいいのは、手間が省けてありがたい。
では、次だ。
目指すは、ここから北に約三キロ進んだ場所――。
敵は、ギルド《鎮魂歌》および数個の中規模ギルドだ。
▼▼▼
私の名前はフォルテシア。
アバターは長髪だが、性別は男。
メンバーが百人を超える大規模ギルド《鎮魂歌》のギルドマスターだ。
残念ながら、二つ名はない。
あと少しでトーナメントに進めるというところで、【虹の賢者】が撃った魔法の流れ弾にやられてしまった。
わたしを撃ち抜いたのは、極限まで速度がブーストされた異常な雷弾。あんなもの、避けられるはずがないのだ。
……もっとも、中には例外も居る。
現在、私たちの城(日本風)に攻めてきているプレイヤーこそ、その最右翼。
予選のあの時だって、【虹の賢者】が放った『ライトニングボルト(沢山)』を平気で受け流していたのだから。
今だって、私が指揮を執る、城備え付けの魔法発射台から集中砲火をくらったはずなのに、地上に居る彼は一ドットたりともHPを減らしていない。
それどころか、足止めに徹するよう伝えてある高レベルの前衛たちを、いとも簡単に次々と退場させてさえいる。
……七十人がかりでも、駄目なのか。
はははっ……ここまで圧倒的だと、いっそ笑いが零れてしまいそうだ。
私は、折れそうになる心に活を入れ、再び地上の戦闘音へ耳を傾ける。
「数が多いな……そろそろ予定していた時間だし――『オーバーアクセル』!」
彼、【瞬刻の戦神】アストがそう口にした次の瞬間――戦闘が終わった。
「はっ……?」
私は、目が乾いて瞬きをしただけだ。
なのに、気づけば地上に居たギルドメンバーたちが、一人の例外もなく転移光に包まれていた。全員、HPを全損して脱落したということだ。
何が起きたのかは分からない。
だが、私のギルドが壊滅したことは分かる。
この状況を作り出した彼は……遠く離れた私の方へ視線を向けた。バーチャル世界とは思えない異様なプレッシャーに襲われ、思わず後ずさりしてしまう。
「……どうやって。どうやってこんな相手にっ……!! 勝てというのだあああああああっ!!!!」
私は心の底から絶叫したが、あの敵対者はそのような些事に頓着しない。
鋭い目をした彼は、赤い槍をこちらへと向け――私の意識は闇に沈んだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
『ギルド対抗「攻城戦」開催中!』 <残り十九時間二十五分>
・参加ギルド 302ギルド
・残りギルド 249ギルド/302ギルド
・獲得フラッグ52 喪失フラッグ0
・獲得ポイント52 喪失ポイント0
・総合ポイント52
・広域マップ確認
・周辺マップ確認《ウェザリア》《第二拠点》
・空き陣地争奪戦
・―――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
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名前 シエラ
種族 人間 Lv28
第一職業 上級宝飾師 Lv2
第二職業 上級剣士 Lv2
第三職業 中級道具師 Lv18
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僕やミレアよりは低いものの、アリアさんやレインよりは三つほど上だ。プレイヤー全体で見ても、十分に上位陣と言っていいだろう。
それに、職業欄に格闘士がないので、そちらから与ダメージなどへの補正は受けられないはず。すなわち、技術面もそう悪くはないということになる。
とはいえ、格闘と剣術の連携については、まだまだ直すべき箇所が多分にある。
一皮むけられるかは今後の頑張り次第だ。
「お疲れ、シエラ。上手く敵の利――数的有利な状態を奪いつつ戦えてたな。さすがは【無冠の戦姫】だ」
「ちょっとー! その二つ名は嫌いだからやめてってばー!」
「はいはい。それじゃあUターンね。次の相手がお出ましだから」
「ふえっ!?」
ぷんすか怒るシエラを、走ってきた勢いそのままにくるっと一回転させ、ポンと背中を押す。まだ二十人以上残ってるのだし、終わった気になるのは早すぎる。
シエラ、君に決めた!
「いけ、シエラ! 『無冠のギャラクシーストライク』だ!」
「何そのちょっとだけ宇宙を壊しそうな技名っ!? というかっ、わざわざ無冠ってつけないで!」
シエラは僕のネーミングセンスを貶しながらも敵へ駆けていった。
技名は咄嗟に考えたんだし、少しは多めに見てくれ。
その後、数分おきにやってきたフォーマンセルを、いずれもシエラが独力で沈めた。六組×各三分で、既に守備を始めてから、かれこれ三十分以上が経過している。
最後の三人については、刃を交えることなく撤退していった。
額に汗をにじませはじめたシエラが、三組目を倒し切ったタイミングでの退却だったように思う。僕はやることがなく絶えずマップを確認していたし、間違いない。
「はぁ、はぁ。つ、疲れた……!!」
疲労困憊となったシエラが足を投げ出して座り込み、そのまま地面で横になる。
少しずつ動きが荒くなっていたが、守るべき石像には最後まで指一本触れさせていない。危なくなったら助けるつもりだったけれど、いらない心配だったか。
さて、僕のAPも九割を超えたし、そろそろ打って出よう。
「疲れてるとこ悪い。僕は拠点の外に出るから、このまま防衛を頼む」
「うん、分かった。でも、敵が来たらちゃんと戻ってきてね?」
「ああ。そう遠くへは行かないし、ここのマップを表示したままにしておく」
「なら、大丈夫かな。一人で大変だろうけど、砦攻め頑張って」
「最低でも……フラッグを数本、手土産にするよ」
ミレアより上手くやれる自信はないが、自分の実力を過小評価もしていない。万全の状態なら問題なく達成できる目標だと思う。
寝転がったままのシエラから激励を受け、僕は訓練場を後にした。
○○○
「でででっ、出たあああああっ!!」
「出たあああ! って……僕は幽霊かよ」
現在僕が居るのは、第二拠点から数分ほど西へ行った位置にある、ギルド《スーパースパーク》の本拠地。
失礼千万な叫び声を挙げたのは、和風城の門番を務める男性プレイヤーだ。
……【影魔法】Lv1呪文アーツ『シャドウムーブ』で現れたのがいけなかったのかもしれない。突然自分の影から人が出てきたら、誰だって驚きもするだろう。
だが、許さん。
背を向けて逃げ出した男を、後ろから槍で一突き。ギルド戦から退場させる。
ポイント効率を考えるなら……旗を奪った後でギルドマスターを倒すべきか。
「門番がやられた! あれは……【瞬刻の戦神】だとおおっ!?」
「裏門に兵力を集めろ! 全員でかかれば倒せるかもしれないぞ!」
「誰か、ギルドマスターを外に逃がせ! アイツに襲われたら勝ち目がねぇ!」
僕の姿を見つけたギルドメンバーたちが、てんでバラバラな内容を口にし出す。
みんながみんな、軽いパニック状態に陥っていて、お世辞にも指揮系統がしっかりしているとは言えない。敵への対応の拙さもあるし、あまりメンバーの質が高くないギルドなのだろう。
レベルが低く経験値に期待できないし、いちいち戦うのも面倒だ。
適当に影を転移しつつ交戦を避け、フラッグと敵のギルドマスターを探す。
……フラッグは見つけた。
なんと分かりやすい場所なのか。城の天辺に堂々と刺されているではないか。
「よっ、ほっ、そいっ……!」
城の外側を【空中機動】の多段ジャンプと『シャドウムーブ』で移動し、赤いフラッグを奪取した。んで、敵のリーダーはいずこに……?
てっきり、自分たちのギルドフラッグを守ってるかと思ってたのに。
ちょうど高い場所に立っているのだからと、城の天辺から拠点の敷地内を見下ろし……物陰をコソコソ移動し西側の門へ向かっているヤツが、僕の目に留まった。
「ちっ! 攻められた時の援軍目当てで連合に入ったってのに、あいつらちっとも間に合わねぇじゃねぇか! やっぱ俺だけでも逃げ――」
城から飛び降りて確認すると、名前の横にギルドマスターの印があったので攻撃。ギルマスの男は、連続クリティカルダメージによりHPが消滅した。
斬り捨て御免。
《第四職業が<土石魔法士>Lv11になりました》
《熟練度が一定に達し【土石魔法】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【奇襲】スキルがLv10になりました》
ギルドマスターが脱落すればギルド全体の敗北ゆえ、残っていたメンバー全員、光に包まれて転送された。
一人一人倒していかなくてもいいのは、手間が省けてありがたい。
では、次だ。
目指すは、ここから北に約三キロ進んだ場所――。
敵は、ギルド《鎮魂歌》および数個の中規模ギルドだ。
▼▼▼
私の名前はフォルテシア。
アバターは長髪だが、性別は男。
メンバーが百人を超える大規模ギルド《鎮魂歌》のギルドマスターだ。
残念ながら、二つ名はない。
あと少しでトーナメントに進めるというところで、【虹の賢者】が撃った魔法の流れ弾にやられてしまった。
わたしを撃ち抜いたのは、極限まで速度がブーストされた異常な雷弾。あんなもの、避けられるはずがないのだ。
……もっとも、中には例外も居る。
現在、私たちの城(日本風)に攻めてきているプレイヤーこそ、その最右翼。
予選のあの時だって、【虹の賢者】が放った『ライトニングボルト(沢山)』を平気で受け流していたのだから。
今だって、私が指揮を執る、城備え付けの魔法発射台から集中砲火をくらったはずなのに、地上に居る彼は一ドットたりともHPを減らしていない。
それどころか、足止めに徹するよう伝えてある高レベルの前衛たちを、いとも簡単に次々と退場させてさえいる。
……七十人がかりでも、駄目なのか。
はははっ……ここまで圧倒的だと、いっそ笑いが零れてしまいそうだ。
私は、折れそうになる心に活を入れ、再び地上の戦闘音へ耳を傾ける。
「数が多いな……そろそろ予定していた時間だし――『オーバーアクセル』!」
彼、【瞬刻の戦神】アストがそう口にした次の瞬間――戦闘が終わった。
「はっ……?」
私は、目が乾いて瞬きをしただけだ。
なのに、気づけば地上に居たギルドメンバーたちが、一人の例外もなく転移光に包まれていた。全員、HPを全損して脱落したということだ。
何が起きたのかは分からない。
だが、私のギルドが壊滅したことは分かる。
この状況を作り出した彼は……遠く離れた私の方へ視線を向けた。バーチャル世界とは思えない異様なプレッシャーに襲われ、思わず後ずさりしてしまう。
「……どうやって。どうやってこんな相手にっ……!! 勝てというのだあああああああっ!!!!」
私は心の底から絶叫したが、あの敵対者はそのような些事に頓着しない。
鋭い目をした彼は、赤い槍をこちらへと向け――私の意識は闇に沈んだ。
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『ギルド対抗「攻城戦」開催中!』 <残り十九時間二十五分>
・参加ギルド 302ギルド
・残りギルド 249ギルド/302ギルド
・獲得フラッグ52 喪失フラッグ0
・獲得ポイント52 喪失ポイント0
・総合ポイント52
・広域マップ確認
・周辺マップ確認《ウェザリア》《第二拠点》
・空き陣地争奪戦
・―――――
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