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3章

39 三番目の鍵

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 ああ、酷い目にあった・・・。

 ポーションを十本も使うことになるとは。火傷を舐めていたな。



【緑人鬼魔法士の杖】武器アイテム レア度5
 物理攻撃力+1 魔法攻撃力+7
 ゴブリンソーサラーの力が宿った杖。



 初回討伐報酬はゴブリンジェネラルと同じ金鉱石で、単独撃破報酬が杖だ。
 僕は使えない武器なんだけれど、ミレアあたりに売ってあげたら喜ぶだろうか?

 ・・・微妙だな。既にもっといい杖を持っていても驚かないし。



 気をとり直して鍵を探そう。
 第三エリアのどこかにあると思うんだけどな。







《熟練度が一定に到達し【大発見】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に到達し【立体機動】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に到達し【見切り】スキルがLv3になりました》
《熟練度が一定に到達し【火魔法耐性】スキルがLv3になりました》
《熟練度が一定に到達し【火傷耐性】スキルがLv3になりました》


 スキルポイントが心もとないせいで取得出来ていなかった見切りを取得した。

 すると、地味ながら抜群の性能を誇っているスキルだと直ぐに分かった。

 予見とは違い、攻撃の軌道が事細かに分かるので、非常に回避行動をとりやすい。
 魔法攻撃には対応していないが、それを差し引いても十分すぎる効果である。

 流れるようにカウンターが決まるので、とっても楽しい。


《取得可能スキルに【ステップ】が追加されました》


 おや?一連の回避行動がきっかけになったのだろうか?
 詳しいことは不明だが、使えそうなスキルなので1ポイントで取得しておく。

 近くにいるゴブリンで試してみようか!






《熟練度が一定に到達し【見切り】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に到達し【ステップ】スキルがLv8になりました》


 結論。すごく楽しい。

 余りにも自然な流れで回避や攻撃が出来るようになっていたので、ついつい戦い過ぎてしまった。

 鍵探しはどこ行った。



 と、その時、ワールドアナウンスが流れた。


《イノーザンの町が開放されました》


 うん?イノーザンの町というと・・・ミレア達が攻略中の北方第二エリアか?


 ・・・うん、早く鍵を探そう。









《熟練度が一定に到達し【見切り】スキルがLv6になりました》
《熟練度が一定に到達し【ステップ】スキルがLv10になりました》
《【ステップ】スキルが最高値になりました》


 ああああっ!鍵が見つからないっ!


 ・・・落ち着こう。

 ウラードの町がある第三エリアはおおよそマッピングできた。
 残るは北の境界付近と東の境界付近、つまりは第四エリアへの道になる。
 そこに鍵があるとは、正直考え辛い。

 ならどこにあるんだ、という話なのだが。

 自分の冴えない頭が恨めしくなってきた・・・。


 うーん・・・そろそろ夕食前だし、西の境界地帯でログアウトしよう。

 鍵探しの続きはまた後で。








「今日の献立は・・・煮物!」

「匂いだけで分かったのか・・・。大正解だよ」


 美鈴がリビングに入って来るなり、夕食のメニューを当てて来た。

 どんな嗅覚してるんだ・・・?
 僕なら、近くまで来ないと確信は持てないぞ?

 丁度完成した煮物を鍋ごとテーブルへ運びながらそう思った。






「お兄ちゃん、ワールドアナウンスは聞いたよね?エリアボスを倒したのだ!」

「おお、聞いていたぞ。おめでとう、美鈴」

「えっへん!」


 美鈴が胸を張って誇らしげだ。
 本当にブラコンを矯正しなくてもいいのか心配になって来たぞ・・・?

 ちなみにエリアボスは猿型魔物だったらしい。


「それで、明日からどうするんだ?」

「うーん・・・東、かなぁ・・・?」

「その心は?」

「西の第一境界ボスは未討伐みたいだし、まだ余裕ありそうだから」


 なるほど。

 西方面の第一境界ボスは猪型魔物のジャイアントボアーだ。

 本日行われた討伐作戦は失敗に終わっている。
 功を焦ったプレイヤーのせいで連携が崩れて、そこから総崩れ。
 HPバーを半分削ったところで現れた増援に全滅させられたそうだ。

 掲示板にそうやって愚痴が書き込まれていた。

 そういうことなら東へ向かう理由も分かる。


「あと、お兄ちゃんはそろそろ北東第三エリアの町を開放しそうだから、便乗!」

「おい」


 便乗とか堂々と言うなよ。冗談なんだろうけどさ。
 ミレアが足手纏いになるかも?それこそ何の冗談だよ。
 僕が足手纏いにならないように気をつけなければならないレベルだ。


「そういえばお兄ちゃん、フランが会いたがっていたよ?」

「げっ・・・!」


 すっかり忘れてたが、フランも一緒なんだったな。

 なんか、微妙に会いたく無いなぁ・・・。


「フランから伝言で、『逃げるなよ?』だってさ?」

「うん、断固拒否する」


 逃げるなって?それは一体何の冗談だ、ははは・・・・・・はぁ。

 再会したときのことを思い浮かべたら、凄く会いたく無くなって来た。


 気分が重いので話を変えよう。


「それで、北のエリアボスについて詳しく」

「はーい。名前はアクロバットモンキーで、特技はアクロバット!」


 分かるような分からんような。


「スキルは分かったか?」

「ううん。???になってたから不明だよ。あ、後、面白いアイテムが・・・」

「面白いアイテム?」

「うん。ウラードの鍵Ⅲっていうアイテム」

「何ですとっ!?」


 どういうことだよ、おい。
 何故その鍵が隣接エリアにあるんだっ・・・!
 散々探した僕の苦労は完全にくたびれもうけだったのか・・・。


「何か、説明文では、猿が何処かから盗んで来たとか何とか」


 なんてことしてくれたんだ!


「・・・美鈴、その鍵は僕が攻略中のエリアで必要だ」

「あ、そうなんだ。意外と近くの鍵だったんだね。南の方という予想は大外れ」


 まあいいさ。結果的に良い経験値稼ぎになったんだし。


「ん、まあそういう訳で、明日の午前にでも待ち合わせにしないか?」

「いいよー。場所はどうするの?」

「北の第二エリアから東へ抜ける境界地帯でどうだ?」

「・・・境界ボス倒しちゃったの?」

「倒しましたが何か?」


 美鈴はガックリと項垂れてしまった。


「そ、それで、大丈夫そうか?」

「どうだろう・・・?どれくらいかかるか分からないし、そこはメッセージで」

「ん、了解した」


 そういう訳で、ミレアと待ち合わせをすることに。






「それでお兄ちゃん、フランの事は良いの?」

「ああ・・・腹を括るとしよう・・・」


 鍵のためだから仕方が無いよな・・・。



 でも、やっぱり少しだけ憂鬱だ・・・。








 名前 アスト

 種族 人間 Lv17
 第一職業 中級剣士 Lv8
 第二職業 火炎魔法士 Lv7
 スキルポイント12

 アナザースキル
 加速Lv5

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕 
 視覚強化Lv10〔Master〕
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル
 中級剣術Lv12 火炎魔法Lv10 解体Lv12
 中級錬金Lv5 気配察知Lv9 大発見Lv7
 分析Lv8 予見Lv8 立体機動Lv9 
 火魔法耐性Lv3 火傷耐性Lv3 見切りLv6
  

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者
 ジャイアントキリング

 基礎能力値

 物理攻撃力 17(+13)
 物理防御力 16(+13)
 魔法攻撃力 17(+ 2)
 魔法防御力 18(+ 2)
 平均速力  14(+20)

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