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3章
54 優香と買い物
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優香と一緒にスーパーを回っていく。
「飛鳥さんは、やはり料理をなさるのですか?」
「まあね。それほど上手いわけではないけど、それなりには」
「そうなんですか・・・。私はまだ勉強中ですので、羨ましいですね・・・」
優香が憧れの眼差しを向けてくるので、非常にむずがゆい。
ある程度しかできないので、そんなに尊敬される程の事では無いというのに。
それでも、あまりガッカリされたくないという思いから強くは否定しないが。
笑いたくば笑えばいいさ。男は見栄を張りたい生き物なのだ。
「おっ、卵も買わないとな・・・」
「あっ、私も・・・」
同時に手を伸ばしてしまった為、手が重なってしまった。
「ひゃっ!?済みません、飛鳥さん!」
「あ、いや、謝る必要なんてない、ぞ・・・?」
何とか無難に返答できたが、心臓はバクバクだ。
手の甲に優香の手が触れた感触が残っているせいだな、これは。
おい待て、これでは変態みたいではないか・・・!
女性経験は無いが、これは動揺し過ぎだろうっ!
気にしない気にしない・・・。
チラッと優香の方を見ると、反対側を向いて、手を気にしている。
嫌に思われていなければいいなぁ・・・。
もしこれで嫌われてたらと思うと、涙が出そうだ。
Side 優香
本日はスーパーに買い物です。
しばらく前から料理を勉強しはじめたので、それくらいは出来ます。
早速、目的の一つであるキャベツを見つけましたので、手を伸ばします。
すると、傍に居た方も手を伸ばしていましたので、慌てて引っ込めました。
こういうところで一歩譲ってしまうのは、美点でもあり欠点でもあります。
相手の方も手を戻しましたので、譲る意志を伝えようと思い、そちらを見ます。
・・・えっ?この方は、アストさんですか・・・!?多少違うところはありますが、間違いありません!
「えっと・・・」
「あ、その・・・」
大変です!なんとお呼びすれば良いのか分かりません・・・!?
ゲーム内の名前で呼ぶのが不味い事くらいは分かりますが・・・。
ここは、自己紹介をした方がいいのでしょうか・・・?
「あー、その、僕は藤堂飛鳥。よろしくな?」
先に自己紹介をされてしまいました・・・!
気配りの出来る人なんですね、飛鳥さんは。
あっ、私も早く自己紹介を!
「あっ、私は雨宮優香です・・・!よろしくお願いします・・・!」
そのあと、お互いに名前で呼び合うことになりましたが、よくよく考えれば恥ずかしいですね・・・。
ですが、飛鳥さんのことは名前でお呼びしたかったですし・・・。
私って卑怯者ですね。先に自分の名前を呼ばせるなんて・・・。
自己嫌悪に浸りながら、誤魔化すように飛鳥さんの顔を見ました。
やはり、整った顔立ちで、優しそうな人・・・。
「・・・・・・っ!」
いけません!うっかり長々と見つめてしまいました!?
慌てて顔を逸らしておきます・・・!
変に思われていませんでしょうか・・・!?
髪型がおかしくはなかったでしょうか・・・!?
身だしなみの確認を・・・!
「優香、良かったら一緒に買い物にしようか?」
そ、それは、デートのお誘いでしょうか・・・!
・・・いえ、違いますね。ただの付き合いでしょう。少しだけ落ち着きました。
それにしても、名前で呼ばれるのはこんなに嬉しいものなのですね。
でも、高校の同級生である人に呼ばれても、欠片も嬉しくありませんでしたね。
この違いについては、考えないようにしましょう。
「っ、はい、是非・・・!」
答えながら飛鳥さんのお顔を見ると、少し照れくさそうでした。
これは・・・悪くは思われていないということでしょうか・・・?
あああっ・・・また胸の鼓動がうるさくなってきました・・・!
飛鳥さんは料理をなさるようです。
大したことはないと言っていますが、そんなことはありません。
食材選びも私より手慣れていますし、どの食材でどんな料理を作るのかを、よく思い浮かべているような気がします。
私には到底できない芸当ですね。
きっと、とても料理がお上手なのでしょう。
そんな人が将来のパートナーであったら、さぞ幸せなのでしょうね。
一緒にキッチンで料理を作って、一緒に食べて、一緒に・・・・・・。
・・・ハッ!?
発想が飛躍し過ぎています!
いつから私は、こんな妄想をするようになったのですか・・・!?
大体、まだ飛鳥さんをどう思っているのかすら分からないというのに・・・。
そんな乱れた思考をしていたせいで、また失敗をしてしまいました。
飛鳥さんの手に自分の手を重ねてしまいましたっ・・・!
謝罪の後、飛鳥さんが何かおっしゃったようですが、聞いている余裕はありませんでした。
信じられない程に、顔が熱いのです。間違いなく赤くなっています。
後ろを向くことに成功しましたが、今覗き込まれたら、色々とお終いのような気がします。
飛鳥さんの手に重なってしまった部分を見ていると、胸の鼓動が更に早くなっていきます。
激しく脈打つ鼓動を止めようと、胸に手を当てますが、無駄な努力でした。
ダメだと分かっていても、飛鳥さんのことを考えてしまう・・・。
私、もうダメかもしれませんね・・・。
♢♢♢
何とか平静を保ちながら、買い物を終えた。
何となく優香の様子がおかしかった気がするが、藪蛇になるのは嫌なので気にしないことにした。
スーパーの入口で美鈴と合流し、途中で別れた優香とも合流。
「お兄ちゃんたち、付き合いたてのカップルみたいだね?」
「「っ!?」」
そんな風に見えているのか・・・?だとしたら優香に謝るべきだろうか?
しかし、第一声がそれとは、もっと別に言うことがあるんじゃないか?
優香がレインかどうかの確認とか。
「あ、同い年みたいだし、優香って呼んでもいいかな?」
「あ、はい。構いませんよ。私は美鈴さんとお呼びしますね?」
「えー?呼び捨てで良いのに・・・」
優香には、少々ハードルが高いのかもしれないな。
「優香、ちょっと耳を貸して?」
「え?ええ、分かりました・・・?」
美鈴が優香に何かを囁く。
何を言っているのかまるで分からん。
いや、盗み聞くつもりは端から無いけども。
少しして、優香の顔が赤くなってきた。
美鈴よ、優香になにを吹き込んでいるんだ?
「分かりました。では、美鈴と呼ばせてもらいますね・・・?」
「うん、それでよろしい!」
中が深まったようなので、大変喜ばしいのだが・・・・・・気になる。
「あ、お兄ちゃん、急がないとアップデートの時間が・・・」
「おっと、そうだったな。じゃあ優香、またな?」
「っ、はい。また・・・」
優香の様子がまたしてもおかしい。
変なことを吹き込まれてなければいいんだが。
家に帰るまでの間、美鈴を問いただしてみた。
「え?お兄ちゃんが好む女性のタイプを教えてあげただけだよ?」
「なっ!?」
ちょっと待て!なんてことを教えたんだ!?
というか、なんで美鈴が僕の好みのタイプを知っている!?
「その情報と引き換えに、呼び捨てにしてもらったのだ!」
「のだ!じゃないだろ・・・」
大体、好みのタイプとか、自分でも分からないのに・・・。
ああ・・・レインと顔を合わせ辛いなぁ・・・。
「美鈴、今日の昼食は激辛スープだけにしてやろう」
「ええええっ!?それは嫌あぁぁぁ!!」
縋ってくる美鈴をスルーしながら、帰宅したのだった。
「飛鳥さんは、やはり料理をなさるのですか?」
「まあね。それほど上手いわけではないけど、それなりには」
「そうなんですか・・・。私はまだ勉強中ですので、羨ましいですね・・・」
優香が憧れの眼差しを向けてくるので、非常にむずがゆい。
ある程度しかできないので、そんなに尊敬される程の事では無いというのに。
それでも、あまりガッカリされたくないという思いから強くは否定しないが。
笑いたくば笑えばいいさ。男は見栄を張りたい生き物なのだ。
「おっ、卵も買わないとな・・・」
「あっ、私も・・・」
同時に手を伸ばしてしまった為、手が重なってしまった。
「ひゃっ!?済みません、飛鳥さん!」
「あ、いや、謝る必要なんてない、ぞ・・・?」
何とか無難に返答できたが、心臓はバクバクだ。
手の甲に優香の手が触れた感触が残っているせいだな、これは。
おい待て、これでは変態みたいではないか・・・!
女性経験は無いが、これは動揺し過ぎだろうっ!
気にしない気にしない・・・。
チラッと優香の方を見ると、反対側を向いて、手を気にしている。
嫌に思われていなければいいなぁ・・・。
もしこれで嫌われてたらと思うと、涙が出そうだ。
Side 優香
本日はスーパーに買い物です。
しばらく前から料理を勉強しはじめたので、それくらいは出来ます。
早速、目的の一つであるキャベツを見つけましたので、手を伸ばします。
すると、傍に居た方も手を伸ばしていましたので、慌てて引っ込めました。
こういうところで一歩譲ってしまうのは、美点でもあり欠点でもあります。
相手の方も手を戻しましたので、譲る意志を伝えようと思い、そちらを見ます。
・・・えっ?この方は、アストさんですか・・・!?多少違うところはありますが、間違いありません!
「えっと・・・」
「あ、その・・・」
大変です!なんとお呼びすれば良いのか分かりません・・・!?
ゲーム内の名前で呼ぶのが不味い事くらいは分かりますが・・・。
ここは、自己紹介をした方がいいのでしょうか・・・?
「あー、その、僕は藤堂飛鳥。よろしくな?」
先に自己紹介をされてしまいました・・・!
気配りの出来る人なんですね、飛鳥さんは。
あっ、私も早く自己紹介を!
「あっ、私は雨宮優香です・・・!よろしくお願いします・・・!」
そのあと、お互いに名前で呼び合うことになりましたが、よくよく考えれば恥ずかしいですね・・・。
ですが、飛鳥さんのことは名前でお呼びしたかったですし・・・。
私って卑怯者ですね。先に自分の名前を呼ばせるなんて・・・。
自己嫌悪に浸りながら、誤魔化すように飛鳥さんの顔を見ました。
やはり、整った顔立ちで、優しそうな人・・・。
「・・・・・・っ!」
いけません!うっかり長々と見つめてしまいました!?
慌てて顔を逸らしておきます・・・!
変に思われていませんでしょうか・・・!?
髪型がおかしくはなかったでしょうか・・・!?
身だしなみの確認を・・・!
「優香、良かったら一緒に買い物にしようか?」
そ、それは、デートのお誘いでしょうか・・・!
・・・いえ、違いますね。ただの付き合いでしょう。少しだけ落ち着きました。
それにしても、名前で呼ばれるのはこんなに嬉しいものなのですね。
でも、高校の同級生である人に呼ばれても、欠片も嬉しくありませんでしたね。
この違いについては、考えないようにしましょう。
「っ、はい、是非・・・!」
答えながら飛鳥さんのお顔を見ると、少し照れくさそうでした。
これは・・・悪くは思われていないということでしょうか・・・?
あああっ・・・また胸の鼓動がうるさくなってきました・・・!
飛鳥さんは料理をなさるようです。
大したことはないと言っていますが、そんなことはありません。
食材選びも私より手慣れていますし、どの食材でどんな料理を作るのかを、よく思い浮かべているような気がします。
私には到底できない芸当ですね。
きっと、とても料理がお上手なのでしょう。
そんな人が将来のパートナーであったら、さぞ幸せなのでしょうね。
一緒にキッチンで料理を作って、一緒に食べて、一緒に・・・・・・。
・・・ハッ!?
発想が飛躍し過ぎています!
いつから私は、こんな妄想をするようになったのですか・・・!?
大体、まだ飛鳥さんをどう思っているのかすら分からないというのに・・・。
そんな乱れた思考をしていたせいで、また失敗をしてしまいました。
飛鳥さんの手に自分の手を重ねてしまいましたっ・・・!
謝罪の後、飛鳥さんが何かおっしゃったようですが、聞いている余裕はありませんでした。
信じられない程に、顔が熱いのです。間違いなく赤くなっています。
後ろを向くことに成功しましたが、今覗き込まれたら、色々とお終いのような気がします。
飛鳥さんの手に重なってしまった部分を見ていると、胸の鼓動が更に早くなっていきます。
激しく脈打つ鼓動を止めようと、胸に手を当てますが、無駄な努力でした。
ダメだと分かっていても、飛鳥さんのことを考えてしまう・・・。
私、もうダメかもしれませんね・・・。
♢♢♢
何とか平静を保ちながら、買い物を終えた。
何となく優香の様子がおかしかった気がするが、藪蛇になるのは嫌なので気にしないことにした。
スーパーの入口で美鈴と合流し、途中で別れた優香とも合流。
「お兄ちゃんたち、付き合いたてのカップルみたいだね?」
「「っ!?」」
そんな風に見えているのか・・・?だとしたら優香に謝るべきだろうか?
しかし、第一声がそれとは、もっと別に言うことがあるんじゃないか?
優香がレインかどうかの確認とか。
「あ、同い年みたいだし、優香って呼んでもいいかな?」
「あ、はい。構いませんよ。私は美鈴さんとお呼びしますね?」
「えー?呼び捨てで良いのに・・・」
優香には、少々ハードルが高いのかもしれないな。
「優香、ちょっと耳を貸して?」
「え?ええ、分かりました・・・?」
美鈴が優香に何かを囁く。
何を言っているのかまるで分からん。
いや、盗み聞くつもりは端から無いけども。
少しして、優香の顔が赤くなってきた。
美鈴よ、優香になにを吹き込んでいるんだ?
「分かりました。では、美鈴と呼ばせてもらいますね・・・?」
「うん、それでよろしい!」
中が深まったようなので、大変喜ばしいのだが・・・・・・気になる。
「あ、お兄ちゃん、急がないとアップデートの時間が・・・」
「おっと、そうだったな。じゃあ優香、またな?」
「っ、はい。また・・・」
優香の様子がまたしてもおかしい。
変なことを吹き込まれてなければいいんだが。
家に帰るまでの間、美鈴を問いただしてみた。
「え?お兄ちゃんが好む女性のタイプを教えてあげただけだよ?」
「なっ!?」
ちょっと待て!なんてことを教えたんだ!?
というか、なんで美鈴が僕の好みのタイプを知っている!?
「その情報と引き換えに、呼び捨てにしてもらったのだ!」
「のだ!じゃないだろ・・・」
大体、好みのタイプとか、自分でも分からないのに・・・。
ああ・・・レインと顔を合わせ辛いなぁ・・・。
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