異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

文字の大きさ
111 / 264
3章

111 迷子とクエスト

しおりを挟む
 闘技大会の受付が開始された、だと!?


「レイン、どういうことなのっ!」

「えっ、と・・・今掲示板を見たんですが、闘技場で受付が始まっているという書き込みがあるんです」


 なるほど。
 どういう風に参加登録すればいいのか分からずやきもきしていたのだが・・・そういう手法なのか。

 そうと分かれば・・・!


「「ちょっと出かけてくる!」」

「あっ、待ってくださいっ!私も行きます・・・!」

「レイン、あなたはスケイルメイルの作業中でしょう?」

「あっ、そうでした・・・!」


 レインはアリアさんにそう言われてしょんぼりしてしまった。
 別に、今すぐ選手登録しなくてはいけないわけではないのにな。
 そんなに今すぐ登録したかったのか?
 そもそも、レインも個人戦に出るんだな。

 とまあ、そういうことで、僕とシエラは闘技場へ向かった。









「・・・迷ったな」

「・・・迷ったね」


 闘技場へ向かう途中で見事に道に迷ってしまった。
 アライアの町の居住区は広すぎるんだ。その上、地図も無いからな。


「アストは道も分からず走ってたの?」

「その言葉、そっくりそのままシエラに返すぞ」


 どうやら、互いに相手を頼りに走っていたようだ。
 何と間抜けな話だろうか。


「一応、システムマップはあるから元の場所へは戻れると思うが・・・」

「流石に面倒だよね?もう結構走ったし」


 システムウィンドウのマップには中央広場付近から、通ってきた道が記録されているので、戻れないということはあるまい。
 だが、戻れたところで意味がないのだ。


「掲示板はどうなの?」

「うーん・・・みんな道に迷っているみたいだな。
 場所についての書き込みは一つも見当たらない」
 
「これはいよいよ闇雲に探すしかないかな・・・?」

「勘弁してくれ・・・」


 未だ一パーセント未満しかマッピングできていないのに、闇雲に探したくない。


「NPCに聞こうにも、この辺り人通りがないんだけど・・・」

「そりゃあ、なあ・・・。墓地に人は居ないだろうよ」


 適当に走ってたら墓地に着いてしまった件。
 人通りのある場所まで戻るのは、骨が折れる。
 どうしてこうなった。


「え・・・アスト様?」

「「うん?」」


 突然名前を呼ばれたので振り返ってみると、そこに居たのはソフィア。
 ちなみに、本日は眼鏡無しの私服っぽい。
 冒険者ギルドの受付嬢が何故ここに?多分休みの日なんだろうけど。


「アスト、知り合い?」

「ああ。ギルドの受付さん、ソフィアだ。
 あー、実は闘技場を探していたんだが、道に迷ってしまったんだ」


 少々恥ずかしいが、ここは素直に白状しよう。


「闘技場、でしたら・・・正反対ですよ?」

「「・・・・・・」」


 二人とも、思っていたよりずっと方向音痴だったらしい。
 シエラは恥ずかしそうに俯いている。堂々としていればいいのに。


「よろしければ、この後ご案内致しましょうか?」

「「・・・よろしくお願いします」」


 この申し出を断る選択肢は無い。
 恥ずかしくても受けるべし。


「そういえば、ソフィアはここに何をしに来たんだ?」

「私はお墓参りですよ。祖父母のお墓がここにありますので」

「そ、そうなんだ・・・」


 設定が凝っている、という考え方はしない方がいいな。

 シエラはどう反応していいのか分からずに困っているようだ。
 多分だけど、素直に受け止めて良いと思うぞ?







 墓地から闘技場へ向かう途中で、ソフィアの話を聞いてみた。


「以前、私たち家族が住んでいた町に魔物が侵入しまして。
 生憎と戦える父と母が外出中だったのも災いし、残念ながら祖父母は・・・。
 その時家に居た幼い兄妹を守って・・・立派な最後だったと思います」

「そうか・・・。誰にでも出来ることじゃないな。心の底から尊敬するよ」

「ふふっ・・・ありがとうございます。
 アスト様にそう言って頂けて、祖父母もきっと喜んでいます」

「ん?僕に褒められたくらいで喜ぶかね?」

「ええ。それはもう」


 微笑みを浮かべているソフィアが嘘を吐いているようには見えないが・・・。
 そこまで大した人物ではないぞ、僕は。


「あ、裏道を通りますので、逸れないように気を付けてくださいね?」

「ああ。逸れたら今度こそ迷子だからな。絶対に御免だ」

「あははは・・・」


 今の今まで居心地が悪そうにしていたシエラも笑うしかない。

 裏道は入り組んでいるのでマップがあっても脱出が面倒そうなのだ。
 裏道を詳細に確認するためにマップを拡大すると、全体を見ることが出来ないのだ。下手したら本当に迷子になるだろう。

 ソフィアの後についていき、裏道を進むこと少し。
 目の前にガラの悪そうなチンピラが六人現れた。


「おーっと。この先は通行止めだぜ?」

「勿論、後ろの道もたった今から通行止めだ。ギャハハハハ!」


 後ろにもチンピラが六人現れた。
 突然敵性反応が現れるのはズルくないか?
 これだと気配感知も役立たずだ。
 いちいち住人の気配を感じ取るとかやってられないし。

 だが、そんなことより気になることがある。

 それはつまり・・・



――――――――――――――――――――――――
《クエスト発生!》

 内容 町の裏道で襲い掛かってくる悪漢の撃退
 報酬 悪漢の全財産 
    同行しているNPCからの親愛度+10%
 備考 殺害してもよいが捕縛するのを推奨
    警備兵に突き出せば金一封が貰える
――――――――――――――――――――――――



 このゲームにクエストシステムがあるなんて初耳なんだが・・・!?

しおりを挟む
感想 715

あなたにおすすめの小説

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

魔境育ちの全能冒険者は異世界で好き勝手生きる‼︎ 追い出したクセに戻ってこいだと?そんなの知るか‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
15歳になり成人を迎えたリュカは、念願の冒険者ギルドに登録して冒険者になった。 そこで、そこそこ名の知れた冒険者Dランクのチームの【烈火の羽ばたき】に誘われる。 そこでの生活は主に雑用ばかりで、冒険に行く時でも荷物持ちと管理しかさせて貰えなかった。 それに雑用だけならと給料も安く、何度申請しても値段が上がる事はなかった。 ある時、お前より役に立つ奴が加入すると言われて、チームを追い出される事になった。 散々こき使われたにも関わらず、退職金さえ貰えなかった。 そしてリュカは、ギルドの依頼をこなして行き… 【烈火の羽ばたき】より早くランクを上げる事になるのだが…? このリュカという少年は、チームで戦わせてもらえなかったけど… 魔女の祖母から魔法を習っていて、全属性の魔法が使え… 剣聖の祖父から剣術を習い、同時に鍛治を学んで武具が作れ… 研究者の父親から錬金術を学び、薬学や回復薬など自作出来て… 元料理人の母親から、全ての料理のレシピを叩き込まれ… 更に、母方の祖父がトレジャーハンターでダンジョンの知識を習い… 母方の祖母が魔道具製作者で魔道具製作を伝授された。 努力の先に掴んだチート能力… リュカは自らのに能力を駆使して冒険に旅立つ! リュカの活躍を乞うご期待! HOTランキングで1位になりました! 更に【ファンタジー・SF】でも1位です! 皆様の応援のお陰です! 本当にありがとうございます! HOTランキングに入った作品は幾つか有りましたが、いつも2桁で1桁は今回初です。 しかも…1位になれるなんて…夢じゃ無いかな?…と信じられない気持ちでいっぱいです。

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

処理中です...