異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

文字の大きさ
157 / 264
3章

157 ヨミとキメラ推測

しおりを挟む
 スリップ状態が消滅するまでポーションを使った後、何があったのかを尋ねた。

 聞いたところによると、炎熱獅子との戦闘終了直後にキメラのような生物に襲われたらしい。消耗した状態ではとても戦えず、大ダメージと状態異常をうけながらも何とか逃走に成功し、安全地帯に逃げ込んだ、とのこと。


「それは大変だったな・・・」

「気安い同情はやめてもらいましょうか。不愉快です」


 いや、僕だって消耗した経験はあるから理解できるつもりなんだが。
 例えば、そうだな・・・エルダートレント戦の後で同等レベルの魔物に襲われていたら酷いことになっていただろう。


「なぁ、何でそこまで嫌われてるんだ?僕が何かしたか?」

「・・・別に何も。敵同士なのですから、馴れ合いは不要だと思ったまでです」


 ポーションを受け取っておいて馴れ合いもなにも・・・・・・いや、あれは取引だから馴れ合いには含まれないのか。何その微妙な判定ライン。本当にそう考えたのかどうかは知らんけど。


「まあ、それはいいんだが、決して気安い同情という訳ではないからな?結構追い詰められた戦いも何回かあるんだから」

「・・・そうですか。口が過ぎたようです。・・・すみませんでした」

「ん、分かってくれればいいさ」


 素直に謝るあたり、やっぱり悪い奴ではないよな。
 少々口は悪いし敵意を向けてくる暗殺者系のレッドプレイヤーだけども。

 ・・・あれ?特徴を並べ立てたらやっぱり悪い奴なんじゃないかと思えてきた。


「それで、そのキメラの特徴と出現条件は分かるか?」

「特徴は・・・獅子の顔が二つあることと、蛇のような尻尾。それから、高確率で火傷を負わせる火属性のブレスを吐いてくることですね。出現条件は・・・不明です。ただ、前触れも無く現れました」


 その外見と攻撃法だとキメラという表現がよく似合いそうだ。

 だが、前触れもなく出現するというのはおかしな話だ。
 ヨミは索敵系スキルが充実していそうだし、全く察知できないというのはおかしい。万が一戦闘後に気を抜いていたとしても見落とすとは考え辛い。そもそもそんな油断をするタイプにも見えないし。

 似たような理由で隠密系スキルで隠れていたという線も無し。
 それらを併用していることはあり得ても、隠密系スキルだけで全ての察知を欺けるとは到底思えない。キメラが赤い色をしていたことからもそれは確定的だ。そんなに隠密に優れたスキルを持っているなら、派手な見た目をしている訳がない。多分。
 
 だとすると・・・他にどんな可能性があるだろうか。


「ヨミ、キメラと遭遇する前に、何か特徴的な行動をしなかったか?」

「・・・特にしていないと思いますが、無意識下でやっていた可能性はあります」

「なら、この先のエリアに入ってからは?」

「・・・・・・強いて言うならば、デミフレアレオンだけを狙い撃ちしたことでしょうかね。フレイムタイガーは微妙に相性が悪い上に、ドロップアイテムの皮は十分に集まっていましたので」


 ふむ・・・・・・なるほど。
 何の確信も無い推測だが、ランダムで現れたというパターンよりはあり得そうだ。
 それになにより、検証可能なのだから試してみればいいのだ。

 と、その前に一つ聞かなければ。


「仕留めた獅子は全部で何体だ?」

「仕留めた数・・・いちいち覚えてはいませんが、アイテムの数から逆算するに十体・・・っ!?まさか・・・!?」

「ああ。獅子だけを連続で十体仕留めるという条件がトリガーなら、そのキメラが突然現れたことにも納得がいくんじゃないか?丁度キリのいい数字だし、虎を避けるような真似は普通しないから、条件の厳しさ的にもキメラの強さに相応しいと思う」

「・・・・・・あり得そうですね。くっ・・・!」


 何故そんな悔しそうな顔を・・・・・・ああ、そうか。獅子だけを狩り続けていた時に経験値効率が良かったんだろうな。それなのに、その行動の結果キメラが出てくるとなれば危なっかしくて仕方ないだろう。そう上手い話は無いということだな。


「残念だったな、ヨミ」

「っ、うるさいですね!あなたは黙っていてください!」

「はいはい」


 今のはただの照れ隠しだな。
 何となくパターンが分かってきたかもしれない。
 だからどうということもないんだが、貶されてもイラつかないな、これは。


「さて、提案があるんだが・・・この後一緒に先へ進まないか?」

「・・・はい?正気ですか?私はレッドですよ?」

「別に、色だけで人柄が決まる訳でもあるまいに・・・。レッドじゃなくても駄目な奴はいるんだから、レッドにいい奴がいてもおかしくないだろ?」


 邪悪騎士団とか、レインに絡んできた奴らとか。
 そういえばあいつらどうなったんだろうな。妙に懐かしく感じた。
 別に会いたいとも思わないけどさ。


「なっ・・・見え透いたお世辞はやめてもらいましょう!
 あなたは、こんなことをして、一体何を企んでいるのですか!?」

「何も企んでないし・・・。そもそもヨミを名指しで褒めてはいないが?」


 レッドにいい奴がいるかもしれない、とは言った。
 だが、それがヨミだとは言及していない。
 まあ、早とちりかと聞かれれば違うと答えるしかないんだが。


「っ?・・・・・・あっ・・・ッ~!?」

「はぁ・・・」


 勘違い(?)に気づいて真っ赤になったヨミへパーティー申請を出した。
 さて、受けてくれるかな?





 名前 アスト

 種族 人間 Lv30
 第一職業 上級剣士 Lv5
 第二職業 火焔魔法士 Lv4
 第三職業 舞闘家 Lv5
 スキルポイント12

 アナザースキル
 加速Lv8  

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
 料理Lv10〔Master〕槍術Lv10〔Master〕
 投擲術Lv10〔Master〕隠密Lv10〔Master〕
 中級剣術Lv20〔Master〕火炎魔法Lv20〔Master〕
 中級槍術Lv20〔Master〕気配察知Lv20〔Master〕
 大発見Lv20〔Master〕分析Lv20〔Master〕
 魔力察知Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕    
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
 軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
 遠見Lv10〔Master〕歩法Lv10〔Master〕
 聴覚強化Lv10〔Master〕触覚強化Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 火魔法耐性Lv10〔Master〕
 水魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕
 視覚強化Lv10〔Master〕
 火傷耐性Lv10〔Master〕
 予見Lv20〔Master〕舞踏Lv20〔Master〕
 受け流しLv20〔Master〕見切りLv20〔Master〕
 立体機動Lv20〔Master〕疾駆Lv20〔Master〕
 軌道予測Lv20〔Master〕縮地Lv20〔Master〕
 アクロバットLv20〔Master〕反応Lv20〔Master〕
 水中歩行Lv20〔Master〕水中機動Lv20〔Master〕
 梟の目Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル 
 上級剣術Lv9 上級槍術Lv9 中級投擲術Lv17
 火焔魔法Lv8 幻影魔法Lv13 中級錬金Lv16
 中級料理Lv14 解体Lv18 気配感知Lv8
 魔力感知Lv6 気配隠蔽Lv16 空間把握Lv18
 先手Lv17 忍び足Lv18 瞬動Lv18
 鷲の目Lv17 闘気Lv9 魔気Lv4 舞闘Lv9
 連携Lv8 空中機動Lv6 未来視Lv4 拡張Lv1 

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
 ジャイアントキリング レイドボス討伐者Ⅱ
 アイシスキラー 一流戦士 熟練魔法士 
 器用貧乏 小金持ち クリティカルマスター
 上級剣士 強奪者 複合製作者
 ユニーククリエイター

 基礎能力値

 物理攻撃力 24(+26)
 物理防御力 22(+24)
 魔法攻撃力 22(+14)
 魔法防御力 26(+10)
 平均速力  23(+29)

しおりを挟む
感想 715

あなたにおすすめの小説

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

処理中です...