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4章
187 再遭遇
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《熟練度が一定に達し【上級投擲術】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【魔眼】スキルがLv2になりました》
十人中五人は止めをもらった。
HPをギリギリまで削ったところでフレグランスが射てくるのがいけないのだ。
そして、そのフレグランスは残り人数が減ったところで移動したと思われる。
最後の方は矢が飛んでこなかったからな。
さて、今回は少しAPMPを使い過ぎたな。
自動回復でギリギリ賄えないくらいの消耗だ。
敵の数が多い上に高レベルが混ざっていたし、何より、下手に節約して隙を見せたらフレグランスに射抜かれていただろうからな。今回は仕方ない。
それでは、次なる敵を求めて移動しようか。
《第一職業が〖上級剣士Lv9〗になりました》
《第二職業が〖火焔魔法士Lv7〗になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【鷲の目】スキルがLv20になりました》
《【鷲の目】スキルが最高値になりました》
「こんなところで会うなんて奇遇ですね・・・アリアさん」
「ええ、そうね・・・。
・・・それで、その剣を仕舞ってもらえるとありがたいのだけれど・・・?」
「いえいえ、バトルロイヤル中なんですから、武器を仕舞うなんてとてもとても」
何だろうか、狸と狐の化かし合いのような話し方だな。
僕が距離を詰めようと一歩踏み出すと、アリアさんが一歩後退。
もう一歩進むと、アリアさんももう一歩後退。
「どうしたんですか、アリアさん?そんな風に後ずさって。折角バトルフィールドで会えたんですから、少しお話ししましょうよ」
「・・・鏡を見てから言うことをお勧めするわ」
「誰の顔が悪魔ですかっ!!」
「そんなことは言ってないのだけれど!?」
違った。以前ミレアに言われたこととごちゃ混ぜにしてしまったようだ。
しかし、友好的に接しようとしているのに、何故ここまで警戒されるのか。
表情だって人好きのする微笑みを浮かべているはずだぞ、多分。
再び数歩にじり寄ると、アリアさんも数歩後退。
キリがない・・・こともないか。
「あ!あそこにミレアが!」
「・・・・・・嘘よね?」
「・・・バレました?」
作戦失敗。まるで意に介さなかった。
しかも今ので更に警戒されてしまった。
安全に近づくにはどうすればいいのだろうか。
とりあえずは、距離を詰めるべく、少しずつ前進しながら話しかける。
「アリアさん、よくここまで生き延びましたね。流石です」
「ええ、運よく強いプレイヤーとは出会わなかったのよ・・・」
「そうですか。それは運が良かったですね」
「その運も、ついさっき尽きたのだけれどね・・・」
どうしてそんな悲壮な表情を浮かべるのやら。
まるで、強大な力を持った敵に遭遇してしまったかのような顔だ。
酷いなぁ。同じギルドの仲間だというのに。
「ところでアリアさん、気づいてますか?」
「・・・何のことかしら?」
「ここ、袋小路ですよ?」
「っ!?」
アリアさんは咄嗟に後ろを確認し、この先が行き止まりだとようやく気づいた。
こちらに注意を払いつつ後退していたため、確認し損ねたようだ。
そして、こちらに背を向けた状態は隙だらけだ。
この隙に【気配隠蔽】【魔力隠蔽】【消音】【奇襲】などのスキルを使用。
移動系スキルも用いて急接近。
「隙あり。『パープルステップ』『ハイドウォーク』『トリプルスラッシュ』!」
「っ、しまっ・・・!?」
アリアさんは回避を試みたが、到底間に合わない。
三連撃が炸裂し、そのHPを大きく減らした。
「くっ、まだよっ!『フォースアロー』っ!」
「すみませんが予想済みです。『流水』『ダブルスラスト』!」
アリアさんのHPはレッドゾーンに突入。
あと一撃でリタイアだろう。
これも戦いだからな。諦めてもらおう。
「っ・・・やっぱりこういうつもりだったのね」
「ええ、まあ。でも何で気づいたんですか?」
「あなたがあんなにこやかに近づいてきたら、誰でも警戒するわよ・・・」
むむ・・・それは盲点だったな。
普段との際にも気を付けなければ・・・うん?
「なっ、ミレア!?」
「アスト、この状況で嘘なんて吐い『エアリアルエクスプロージョン!』」
嘘でも何でもなく、ミレアが空から飛来してきた。
僕は回避に成功したが、アリアさんは爆破されて沈黙。南無。
・・・おい待て。
止めをもっていかれたじゃないか!横取りだっ!
曲者めっ!であえであえっ!
「アリアの魂、いただくよっ!」
「お前はどこの死神だよ・・・」
慎重になるあまり手間をかけすぎたな。
というか、お前はどこから湧いてきたんだよ。袋小路だぞ、ここ。
「ここでアスト兄を倒して、武闘王に、私はなるっ!」
「今度はどこの海賊風だよ・・・」
冗談はさておき、戦闘は避けられないか?
相変わらず【魔眼】は虹色のオーラを捉えているし、かなりヤバい感じだ。
どんな才能を持ってたらそんな色になるんだよ・・・。
見ていると目が痛くなるので効果を切った。
ミレアはな・・・本気でやっても勝てるかどうか・・・。
最低でも回復アイテムの全使用は避けられないだろうな。
もっとアイテム集めておくんだった・・・。
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り三時間五分>
・参加人数 21611人
・残り人数 10016人/21611人
・撃破人数 142 与ダメージ 25630 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
・―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
《熟練度が一定に達し【魔眼】スキルがLv2になりました》
十人中五人は止めをもらった。
HPをギリギリまで削ったところでフレグランスが射てくるのがいけないのだ。
そして、そのフレグランスは残り人数が減ったところで移動したと思われる。
最後の方は矢が飛んでこなかったからな。
さて、今回は少しAPMPを使い過ぎたな。
自動回復でギリギリ賄えないくらいの消耗だ。
敵の数が多い上に高レベルが混ざっていたし、何より、下手に節約して隙を見せたらフレグランスに射抜かれていただろうからな。今回は仕方ない。
それでは、次なる敵を求めて移動しようか。
《第一職業が〖上級剣士Lv9〗になりました》
《第二職業が〖火焔魔法士Lv7〗になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【鷲の目】スキルがLv20になりました》
《【鷲の目】スキルが最高値になりました》
「こんなところで会うなんて奇遇ですね・・・アリアさん」
「ええ、そうね・・・。
・・・それで、その剣を仕舞ってもらえるとありがたいのだけれど・・・?」
「いえいえ、バトルロイヤル中なんですから、武器を仕舞うなんてとてもとても」
何だろうか、狸と狐の化かし合いのような話し方だな。
僕が距離を詰めようと一歩踏み出すと、アリアさんが一歩後退。
もう一歩進むと、アリアさんももう一歩後退。
「どうしたんですか、アリアさん?そんな風に後ずさって。折角バトルフィールドで会えたんですから、少しお話ししましょうよ」
「・・・鏡を見てから言うことをお勧めするわ」
「誰の顔が悪魔ですかっ!!」
「そんなことは言ってないのだけれど!?」
違った。以前ミレアに言われたこととごちゃ混ぜにしてしまったようだ。
しかし、友好的に接しようとしているのに、何故ここまで警戒されるのか。
表情だって人好きのする微笑みを浮かべているはずだぞ、多分。
再び数歩にじり寄ると、アリアさんも数歩後退。
キリがない・・・こともないか。
「あ!あそこにミレアが!」
「・・・・・・嘘よね?」
「・・・バレました?」
作戦失敗。まるで意に介さなかった。
しかも今ので更に警戒されてしまった。
安全に近づくにはどうすればいいのだろうか。
とりあえずは、距離を詰めるべく、少しずつ前進しながら話しかける。
「アリアさん、よくここまで生き延びましたね。流石です」
「ええ、運よく強いプレイヤーとは出会わなかったのよ・・・」
「そうですか。それは運が良かったですね」
「その運も、ついさっき尽きたのだけれどね・・・」
どうしてそんな悲壮な表情を浮かべるのやら。
まるで、強大な力を持った敵に遭遇してしまったかのような顔だ。
酷いなぁ。同じギルドの仲間だというのに。
「ところでアリアさん、気づいてますか?」
「・・・何のことかしら?」
「ここ、袋小路ですよ?」
「っ!?」
アリアさんは咄嗟に後ろを確認し、この先が行き止まりだとようやく気づいた。
こちらに注意を払いつつ後退していたため、確認し損ねたようだ。
そして、こちらに背を向けた状態は隙だらけだ。
この隙に【気配隠蔽】【魔力隠蔽】【消音】【奇襲】などのスキルを使用。
移動系スキルも用いて急接近。
「隙あり。『パープルステップ』『ハイドウォーク』『トリプルスラッシュ』!」
「っ、しまっ・・・!?」
アリアさんは回避を試みたが、到底間に合わない。
三連撃が炸裂し、そのHPを大きく減らした。
「くっ、まだよっ!『フォースアロー』っ!」
「すみませんが予想済みです。『流水』『ダブルスラスト』!」
アリアさんのHPはレッドゾーンに突入。
あと一撃でリタイアだろう。
これも戦いだからな。諦めてもらおう。
「っ・・・やっぱりこういうつもりだったのね」
「ええ、まあ。でも何で気づいたんですか?」
「あなたがあんなにこやかに近づいてきたら、誰でも警戒するわよ・・・」
むむ・・・それは盲点だったな。
普段との際にも気を付けなければ・・・うん?
「なっ、ミレア!?」
「アスト、この状況で嘘なんて吐い『エアリアルエクスプロージョン!』」
嘘でも何でもなく、ミレアが空から飛来してきた。
僕は回避に成功したが、アリアさんは爆破されて沈黙。南無。
・・・おい待て。
止めをもっていかれたじゃないか!横取りだっ!
曲者めっ!であえであえっ!
「アリアの魂、いただくよっ!」
「お前はどこの死神だよ・・・」
慎重になるあまり手間をかけすぎたな。
というか、お前はどこから湧いてきたんだよ。袋小路だぞ、ここ。
「ここでアスト兄を倒して、武闘王に、私はなるっ!」
「今度はどこの海賊風だよ・・・」
冗談はさておき、戦闘は避けられないか?
相変わらず【魔眼】は虹色のオーラを捉えているし、かなりヤバい感じだ。
どんな才能を持ってたらそんな色になるんだよ・・・。
見ていると目が痛くなるので効果を切った。
ミレアはな・・・本気でやっても勝てるかどうか・・・。
最低でも回復アイテムの全使用は避けられないだろうな。
もっとアイテム集めておくんだった・・・。
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り三時間五分>
・参加人数 21611人
・残り人数 10016人/21611人
・撃破人数 142 与ダメージ 25630 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
・―――
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