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一章 妖符師誕生編
20 格上との戦い
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幾ら何でも、速過ぎるっ!?
「っ、<列破>ッ!」
咄嗟にコートの内側胸ポケットに入っている<中位符>をそのまま起爆。
どう考えても自爆以外の何物でもないけど、他に方法は無かった。
突進をまともに喰らっていたら一撃でお陀仏だよ!急なことで扇の防御も間に合いそうになかったし・・・!
妖怪に変化する直前となっている<高位悪霊>の速さを甘く見てたみたい・・・!
「かはっ・・・!?」
<若葉っ!?>
「キィィィィィィッ!!」
胸ポケットで発動させたのだから、当然の如く自分も吹き飛ばされた。
部屋の扉から外に弾き飛ばされ、通路の壁に肩から激突。
そして起爆した場所が場所だから呼吸困難に・・・!
今の私は切実に酸素が欲しい・・・!
でも、敵の足を一瞬とはいえ止められたし、距離もとれた。
今の<中位符>自体は殆ど効いていないみたいだけど、全く無傷というわけでも無さそう。
そのまま通路にある窓を開けて外に飛び出そうと試みる。
建物内で戦っていたら動き辛いし、周囲への被害が悲惨なことになってしまう。
悪霊は滅多に物理的な被害を出さないけど、戦闘をすれば当然周囲に影響がある。
だから、窓から外に・・・
「キィィィィィィ!!!!」
「っ、さっきよりも速いっ!?あっ・・・!」
ガチャンンッ!!
窓を開ける時間すら稼げなかったようで、敵が間近に接近してきた。
そして、黒い靄から腕のようなモノが生えたかと思うと、その腕で脇腹を殴り飛ばされ、私は窓ガラスを突き破って外へ放り出された。
・・・ただいま体制を崩したまま斜め下方向に放物線を描きつつ落下中です。
はい、少しだけ落ち着きました。
敵が意図したことかどうかは分かりませんが、距離が大きく開きましたので思考に集中できます。さっきまでの私は余裕がなくて場当たり的な対処だったので、ミスが多かったです。
あ、落ち着いたので心の中の口調も戻りましたね。
それで、現状の確認ですが、既に私は満身創痍です。
自爆のダメージもさることながら、殴り飛ばされた脇腹はよく破裂しなかったものです。扇をギリギリで割り込ませたのが功を奏しました。でなければ今頃お陀仏です。
身体性能はかなり向上しているのですが、まだまだこれからが成長期(?)ですから。今後に期待しましょう。
なお、脇腹への攻撃で内臓が傷ついたらしく、軽く吐血中です。
正直、今までに味わったことのない激痛に襲われています。
痛みのせいで、今にも涙が零れそうです・・・。
いえ、顔の感触からして、もう零れていましたかね・・・。
・・・あ、違ったようです。これは頭が切れたことで出血している模様。窓を突き破らされた時にガラスで切ったのでしょうね。腕や足からも出血しているかもしれません。
自信の確認はこんなものとして、次は敵の確認。
距離は少し離れていますか、追ってこないという考えは楽観的でしょう。
ならば戦うしかないのですが・・・勝ち目があるのかどうか。
・・・いえ、意地でも勝たなければいけませんね。
あの<高位悪霊>が妖怪となるまで、そう何日も無いでしょう。もしかしたら、この戦闘中に変化する恐れすらあります。そうなってしまっては、次こそ本当に終わりです。
この敵は所詮<高位悪霊>でしかなく、妖怪との間には埋めがたい決定的な力の差があるのですから。
戦うことが決まったなら、次は戦術。
正面きっての戦いでは勝てませんので、搦手・・・。
そこまで考えたところで地面に着地。
病院の敷地内ですが、およそ三十メートル程は飛ばされましたかね。
「ごふっ、ごぼっ・・・!」
<若葉ッ!?血がこんなにっ・・・!>
フォーンが心配してくれていますが、時間が惜しいので今は後回し。
額から流れる血を拭いつつ、行動開始です。
私は残る<中位符>四枚を全て同じポイントに設置。
ついでに、少しでも威力を増すために<低位符>二枚も設置。
その上から血を吐きかけて、妖符の存在を隠蔽。ただの血だまりにしか見えなくしてしまいます。汚いのは承知ですがお許しを。更に葉っぱをかぶせて隠蔽は終了。
あの<高位悪霊>は知能が高いですが、高過ぎもしません。
そうでなければ、あの状態で一度止まって腕で殴りつけるような真似はしないでしょう。私に距離をとらせるほどふっ飛ばしてしまったことからもそれは推測できます。間違いなく悪手と言えるでしょう。
勿論、希望的観測も多分に含んでおりますが、他に手が思いつかないもので。
自分の足りない頭が嫌になります。
罠の場所に背を向け、一メートル前方辺りに目を閉じて直立。
これで準備は完了。
「キィィィィィっ!!」
敵がやって来たのは、敵からは病院の割れた窓からこちらへの進行方向であり、私からは背後にあたる方向。
知能が高すぎないなら、今のこの状況で私の背後以外から襲ってはこないと思いますから。本当に希望的観測でしたが、上手くいきました。
日頃の行いが良かったのでしょうか。幸運です。
「キィッ!!!!」
そしてこちらも予想通り。
背を向けて棒立ちになっている隙だらけの私、その一メートル目前まで来て停止。
ええ、はい。あなたの腕は一メートルを少し超えるくらいでしたからね。
仮に腕の長さを変えられても、あの状況ではもっとも使いやすい腕の長さにしていたはずですから、ここでも同じになるでしょうとも。
悪霊に手加減などという行為があるとは思いませんから。
・・・今ッ!!
「<烈破>ッ!!」
六枚の妖符を一斉に起爆。
もちろん<低位符>も起爆しましたとも。
<低位符>は「破」の音で起爆できますからね。
え?「烈破」の中に「破」も含まれていますよね?
妖怪書には載っていませんでしたが、出来た以上は可能なんです。
「キアアアアアアアッ!」
この程度で倒せるとは思っていませんとも。
<中位符>四枚による連鎖起爆でも、精々三割減がいいところでしょう。
ですから・・・次で決めます。
衝撃波で動きが止まったこの一瞬を狙いすまして・・・!
「肆ノ舞・天国昇扇ッッ!!」
私の妖力を強制的に全てつぎ込まされるこの扇技。
これが、今の私に使える切り札です。
「キアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!」
超高速かつ高威力で振り抜かれた扇は敵を捉え、数十メートル弾き飛ばしました。
先程のお返しです。
お恥ずかしながら私、結構根に持つタイプなので。
妖力切れで力が抜けてその場にへたり込み、一息・・・・・・
「キキィィィィィィィィ!!!!」
「なっ・・・!?」
まさか、あそこまでやって仕留め損なったのですか・・・!?
「っ、<列破>ッ!」
咄嗟にコートの内側胸ポケットに入っている<中位符>をそのまま起爆。
どう考えても自爆以外の何物でもないけど、他に方法は無かった。
突進をまともに喰らっていたら一撃でお陀仏だよ!急なことで扇の防御も間に合いそうになかったし・・・!
妖怪に変化する直前となっている<高位悪霊>の速さを甘く見てたみたい・・・!
「かはっ・・・!?」
<若葉っ!?>
「キィィィィィィッ!!」
胸ポケットで発動させたのだから、当然の如く自分も吹き飛ばされた。
部屋の扉から外に弾き飛ばされ、通路の壁に肩から激突。
そして起爆した場所が場所だから呼吸困難に・・・!
今の私は切実に酸素が欲しい・・・!
でも、敵の足を一瞬とはいえ止められたし、距離もとれた。
今の<中位符>自体は殆ど効いていないみたいだけど、全く無傷というわけでも無さそう。
そのまま通路にある窓を開けて外に飛び出そうと試みる。
建物内で戦っていたら動き辛いし、周囲への被害が悲惨なことになってしまう。
悪霊は滅多に物理的な被害を出さないけど、戦闘をすれば当然周囲に影響がある。
だから、窓から外に・・・
「キィィィィィィ!!!!」
「っ、さっきよりも速いっ!?あっ・・・!」
ガチャンンッ!!
窓を開ける時間すら稼げなかったようで、敵が間近に接近してきた。
そして、黒い靄から腕のようなモノが生えたかと思うと、その腕で脇腹を殴り飛ばされ、私は窓ガラスを突き破って外へ放り出された。
・・・ただいま体制を崩したまま斜め下方向に放物線を描きつつ落下中です。
はい、少しだけ落ち着きました。
敵が意図したことかどうかは分かりませんが、距離が大きく開きましたので思考に集中できます。さっきまでの私は余裕がなくて場当たり的な対処だったので、ミスが多かったです。
あ、落ち着いたので心の中の口調も戻りましたね。
それで、現状の確認ですが、既に私は満身創痍です。
自爆のダメージもさることながら、殴り飛ばされた脇腹はよく破裂しなかったものです。扇をギリギリで割り込ませたのが功を奏しました。でなければ今頃お陀仏です。
身体性能はかなり向上しているのですが、まだまだこれからが成長期(?)ですから。今後に期待しましょう。
なお、脇腹への攻撃で内臓が傷ついたらしく、軽く吐血中です。
正直、今までに味わったことのない激痛に襲われています。
痛みのせいで、今にも涙が零れそうです・・・。
いえ、顔の感触からして、もう零れていましたかね・・・。
・・・あ、違ったようです。これは頭が切れたことで出血している模様。窓を突き破らされた時にガラスで切ったのでしょうね。腕や足からも出血しているかもしれません。
自信の確認はこんなものとして、次は敵の確認。
距離は少し離れていますか、追ってこないという考えは楽観的でしょう。
ならば戦うしかないのですが・・・勝ち目があるのかどうか。
・・・いえ、意地でも勝たなければいけませんね。
あの<高位悪霊>が妖怪となるまで、そう何日も無いでしょう。もしかしたら、この戦闘中に変化する恐れすらあります。そうなってしまっては、次こそ本当に終わりです。
この敵は所詮<高位悪霊>でしかなく、妖怪との間には埋めがたい決定的な力の差があるのですから。
戦うことが決まったなら、次は戦術。
正面きっての戦いでは勝てませんので、搦手・・・。
そこまで考えたところで地面に着地。
病院の敷地内ですが、およそ三十メートル程は飛ばされましたかね。
「ごふっ、ごぼっ・・・!」
<若葉ッ!?血がこんなにっ・・・!>
フォーンが心配してくれていますが、時間が惜しいので今は後回し。
額から流れる血を拭いつつ、行動開始です。
私は残る<中位符>四枚を全て同じポイントに設置。
ついでに、少しでも威力を増すために<低位符>二枚も設置。
その上から血を吐きかけて、妖符の存在を隠蔽。ただの血だまりにしか見えなくしてしまいます。汚いのは承知ですがお許しを。更に葉っぱをかぶせて隠蔽は終了。
あの<高位悪霊>は知能が高いですが、高過ぎもしません。
そうでなければ、あの状態で一度止まって腕で殴りつけるような真似はしないでしょう。私に距離をとらせるほどふっ飛ばしてしまったことからもそれは推測できます。間違いなく悪手と言えるでしょう。
勿論、希望的観測も多分に含んでおりますが、他に手が思いつかないもので。
自分の足りない頭が嫌になります。
罠の場所に背を向け、一メートル前方辺りに目を閉じて直立。
これで準備は完了。
「キィィィィィっ!!」
敵がやって来たのは、敵からは病院の割れた窓からこちらへの進行方向であり、私からは背後にあたる方向。
知能が高すぎないなら、今のこの状況で私の背後以外から襲ってはこないと思いますから。本当に希望的観測でしたが、上手くいきました。
日頃の行いが良かったのでしょうか。幸運です。
「キィッ!!!!」
そしてこちらも予想通り。
背を向けて棒立ちになっている隙だらけの私、その一メートル目前まで来て停止。
ええ、はい。あなたの腕は一メートルを少し超えるくらいでしたからね。
仮に腕の長さを変えられても、あの状況ではもっとも使いやすい腕の長さにしていたはずですから、ここでも同じになるでしょうとも。
悪霊に手加減などという行為があるとは思いませんから。
・・・今ッ!!
「<烈破>ッ!!」
六枚の妖符を一斉に起爆。
もちろん<低位符>も起爆しましたとも。
<低位符>は「破」の音で起爆できますからね。
え?「烈破」の中に「破」も含まれていますよね?
妖怪書には載っていませんでしたが、出来た以上は可能なんです。
「キアアアアアアアッ!」
この程度で倒せるとは思っていませんとも。
<中位符>四枚による連鎖起爆でも、精々三割減がいいところでしょう。
ですから・・・次で決めます。
衝撃波で動きが止まったこの一瞬を狙いすまして・・・!
「肆ノ舞・天国昇扇ッッ!!」
私の妖力を強制的に全てつぎ込まされるこの扇技。
これが、今の私に使える切り札です。
「キアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!」
超高速かつ高威力で振り抜かれた扇は敵を捉え、数十メートル弾き飛ばしました。
先程のお返しです。
お恥ずかしながら私、結構根に持つタイプなので。
妖力切れで力が抜けてその場にへたり込み、一息・・・・・・
「キキィィィィィィィィ!!!!」
「なっ・・・!?」
まさか、あそこまでやって仕留め損なったのですか・・・!?
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