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一章 妖符師誕生編
21 決着と退散
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遠くに見える<高位悪霊>は満身創痍ですが、ギリギリ存在を保っています。
直ぐに追撃はできないでしょうが、このままでは為すすべがありません。
妖力を使い切ってしまった以上、もはやまともに戦うこともできませんから。
これは、詰み、でしょうか・・・?
<若葉!諦めては駄目だコン!>
「諦めるつもりはないけど、妖力の無い私はただの人で・・・・・・あ」
起死回生の策を見つけたかもしれません。
ここからは、時間との勝負です・・・!
怠い体に鞭を打って、病院の建物の方向へ走り出します。
ああ・・・なんて遅い疾走なのでしょうか・・・。
生身の私って、やはり運動音痴ですね・・・!
(※この時の若葉の速度=五十メートル走・約6.5秒※)
今誰か、何か言いましたか?
いえ、そんなことより、もっと早く・・・!敵がこちらに来る前に・・・!
あそこの壁を登らなくては!
ほんの僅かに回復した妖力を使いつつ、目的の場所で壁走りをします。
そして、開いている可能性の高かった窓枠にしがみつき、窓を開けて中へ!
「キィィィアアアアアアッ!!!!!」
「しまっ、っあっ!?」
ガッシャ―ンッ!!
「きゃあっ!?・・・えっ、何がっ・・・ああっ!?」
あと少しのところで突進を喰らって、またしても窓をぶち破りました。
幸い、相手も満身創痍でしたので然程の威力はなく、致命傷ではありません。
それでも、私は血まみれになったまま床に這いつくばるしかできないのですが。
「お姉さんっ!?一体何が・・・ヒィッ!?」
窓を突き破って突入する羽目になったのは、咲良さんの病室。
高位悪霊を目撃してしまった咲良さんは悲鳴を上げてガタガタと震えています。
本当に申し訳ないことをしました。
ですが、他に思いつかなかったので・・・ごめんなさい。
この借りは必ず返します。
私は、咲良さんに触れて彼女の体内に預けてあった妖気を返してもらい、その咲良さんに気をとられた<高位悪霊>に向かって、止めの一撃。
「参ノ舞・大王扇ッッ!!」
「キィッ!?!?」
硬質化し、かつ大型化した扇で大雑把に叩きつけ、敵を扇の下敷きに。
血が目の方に垂れて、開くことが出来なかったので、この技を選択しました。
これなら時間を無駄にすることなく隙を突くことができ、狭い空間では確実に命中させられますから。
もっとも、相手が満身創痍でなければ普通に回避されていたでしょうけど。
咲良さんの補助と経過観察のために残した妖力に救われるとは・・・。
情けは人の為ならず、とはよく言ったものです。
<若葉!念のため妖怪用の<白符>で封印するコン!!>
「うん!この世ならざる妖よ、現世より隔絶せん!『封印の妖陣』っ!」
練習だけはしてきた文言とともに専用の白符、<妖白符>を飛ばし、存在を保てなくなった<高位悪霊>を封印にかかる。
その白符は淡く輝き、そこに陣が浮かび上がった。
<高位悪霊は>みるみるうちに吸い込まれていき・・・やがて消えた。
後に残ったのは、物凄く薄い赤色をした妖符で、殆ど白と同じだ。
本来は妖怪を封印すると特徴に応じて色が変わるんだけど・・・これは?
あくまで妖怪になりかけでしかないから、かな・・・?
その妖符を手にして・・・お仕事完了。
今回、先行投資ということで殆どタダ働きなんですよね・・・。
間違いなく割に合ってません・・・!
身から出た錆。策士策に溺れる。
少し違うと思いますが、そう思って諦めましょう・・・。
「あっ、あああっ・・・!!」
「咲良さん、大丈夫。もう怖いことはありませんから」
恐怖でガクガク震えたままの咲良さんの頭を撫でて慰めます。
本当に、本当に、申し訳ないことをしました・・・。
抱き締めてあげたいところですが、血まみれなせいでできないのが憎らしい。
「あ・・・・・・お姉さん、大丈夫、なんですか・・・?血だらけで・・・!」
「私は大丈夫ですよ。こう見えて頑丈ですから」
本当はあまり大丈夫ではないのですが、心配させてもいいことがありません。
嘘を吐くことをお許しください。
「ぐすっ・・・えっと、あの・・・!
お姉さん、一体何が『東雲さん!咲良さん!ご無事ですか!?』・・・あっ」
どうやら、悪霊を封印したことで人に気づかれたようですね。
不思議と悪霊が暴れている間は、そうそう騒ぎになりません。
ですが、既に悪霊が居ない以上その法則は適応されませんので、当然大騒ぎになります。窓ガラスが割れるなど、かなりの大ごとですから。
つまり、退散した方がいいということです。
「咲良さん。困ったことがあったら、遠慮なく私のお店を尋ねてくださいね?」
「えっ・・・?」
「あ、私のことは、どうか内密に。それじゃあ、また会いましょうね?」
微回復した妖気を少しだけ預けた後、割れた窓から外に飛び出しました。
「あっ、待ってください・・・!」
「東雲さん!無事でしたかっ!?・・・何ですかこの惨状はっ!?」
ギリギリセーフですね。
仮に間に合わなくとも、普通の人には見えないと思いますけど、念のためです。
地面に着地して、そのまま明け方の町を疾走。
・・・割れた窓の修繕費、私が払わなくてもいいですよね?
患者さんたちへの悪影響を排除したので、どうか相殺でお願いします・・・!
きっとあのまま放置していたら、鳥居南病院の患者さんたちは原因不明の死亡が相次いでいたはずですから・・・!
さて・・・この怪我は数時間眠っただけで回復するのでしょうか・・・?
直ぐに追撃はできないでしょうが、このままでは為すすべがありません。
妖力を使い切ってしまった以上、もはやまともに戦うこともできませんから。
これは、詰み、でしょうか・・・?
<若葉!諦めては駄目だコン!>
「諦めるつもりはないけど、妖力の無い私はただの人で・・・・・・あ」
起死回生の策を見つけたかもしれません。
ここからは、時間との勝負です・・・!
怠い体に鞭を打って、病院の建物の方向へ走り出します。
ああ・・・なんて遅い疾走なのでしょうか・・・。
生身の私って、やはり運動音痴ですね・・・!
(※この時の若葉の速度=五十メートル走・約6.5秒※)
今誰か、何か言いましたか?
いえ、そんなことより、もっと早く・・・!敵がこちらに来る前に・・・!
あそこの壁を登らなくては!
ほんの僅かに回復した妖力を使いつつ、目的の場所で壁走りをします。
そして、開いている可能性の高かった窓枠にしがみつき、窓を開けて中へ!
「キィィィアアアアアアッ!!!!!」
「しまっ、っあっ!?」
ガッシャ―ンッ!!
「きゃあっ!?・・・えっ、何がっ・・・ああっ!?」
あと少しのところで突進を喰らって、またしても窓をぶち破りました。
幸い、相手も満身創痍でしたので然程の威力はなく、致命傷ではありません。
それでも、私は血まみれになったまま床に這いつくばるしかできないのですが。
「お姉さんっ!?一体何が・・・ヒィッ!?」
窓を突き破って突入する羽目になったのは、咲良さんの病室。
高位悪霊を目撃してしまった咲良さんは悲鳴を上げてガタガタと震えています。
本当に申し訳ないことをしました。
ですが、他に思いつかなかったので・・・ごめんなさい。
この借りは必ず返します。
私は、咲良さんに触れて彼女の体内に預けてあった妖気を返してもらい、その咲良さんに気をとられた<高位悪霊>に向かって、止めの一撃。
「参ノ舞・大王扇ッッ!!」
「キィッ!?!?」
硬質化し、かつ大型化した扇で大雑把に叩きつけ、敵を扇の下敷きに。
血が目の方に垂れて、開くことが出来なかったので、この技を選択しました。
これなら時間を無駄にすることなく隙を突くことができ、狭い空間では確実に命中させられますから。
もっとも、相手が満身創痍でなければ普通に回避されていたでしょうけど。
咲良さんの補助と経過観察のために残した妖力に救われるとは・・・。
情けは人の為ならず、とはよく言ったものです。
<若葉!念のため妖怪用の<白符>で封印するコン!!>
「うん!この世ならざる妖よ、現世より隔絶せん!『封印の妖陣』っ!」
練習だけはしてきた文言とともに専用の白符、<妖白符>を飛ばし、存在を保てなくなった<高位悪霊>を封印にかかる。
その白符は淡く輝き、そこに陣が浮かび上がった。
<高位悪霊は>みるみるうちに吸い込まれていき・・・やがて消えた。
後に残ったのは、物凄く薄い赤色をした妖符で、殆ど白と同じだ。
本来は妖怪を封印すると特徴に応じて色が変わるんだけど・・・これは?
あくまで妖怪になりかけでしかないから、かな・・・?
その妖符を手にして・・・お仕事完了。
今回、先行投資ということで殆どタダ働きなんですよね・・・。
間違いなく割に合ってません・・・!
身から出た錆。策士策に溺れる。
少し違うと思いますが、そう思って諦めましょう・・・。
「あっ、あああっ・・・!!」
「咲良さん、大丈夫。もう怖いことはありませんから」
恐怖でガクガク震えたままの咲良さんの頭を撫でて慰めます。
本当に、本当に、申し訳ないことをしました・・・。
抱き締めてあげたいところですが、血まみれなせいでできないのが憎らしい。
「あ・・・・・・お姉さん、大丈夫、なんですか・・・?血だらけで・・・!」
「私は大丈夫ですよ。こう見えて頑丈ですから」
本当はあまり大丈夫ではないのですが、心配させてもいいことがありません。
嘘を吐くことをお許しください。
「ぐすっ・・・えっと、あの・・・!
お姉さん、一体何が『東雲さん!咲良さん!ご無事ですか!?』・・・あっ」
どうやら、悪霊を封印したことで人に気づかれたようですね。
不思議と悪霊が暴れている間は、そうそう騒ぎになりません。
ですが、既に悪霊が居ない以上その法則は適応されませんので、当然大騒ぎになります。窓ガラスが割れるなど、かなりの大ごとですから。
つまり、退散した方がいいということです。
「咲良さん。困ったことがあったら、遠慮なく私のお店を尋ねてくださいね?」
「えっ・・・?」
「あ、私のことは、どうか内密に。それじゃあ、また会いましょうね?」
微回復した妖気を少しだけ預けた後、割れた窓から外に飛び出しました。
「あっ、待ってください・・・!」
「東雲さん!無事でしたかっ!?・・・何ですかこの惨状はっ!?」
ギリギリセーフですね。
仮に間に合わなくとも、普通の人には見えないと思いますけど、念のためです。
地面に着地して、そのまま明け方の町を疾走。
・・・割れた窓の修繕費、私が払わなくてもいいですよね?
患者さんたちへの悪影響を排除したので、どうか相殺でお願いします・・・!
きっとあのまま放置していたら、鳥居南病院の患者さんたちは原因不明の死亡が相次いでいたはずですから・・・!
さて・・・この怪我は数時間眠っただけで回復するのでしょうか・・・?
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