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一章 妖符師誕生編
24 調査の必要性と逆恨み
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「なるほど・・・。では、昨夜の事件は解決したということでいいのだな?」
「はい。周りも直に、事件は解決した、と思うようになると思います」
「そうか。はぁ・・・そう言ってもらえたら一安心だ」
病院で起きたことについて一通り説明しました。
明日には、「不良が石を投げて窓ガラスを割って、その犯人は捕まった」という風に皆さん思い込むことになると思います。
あくまでも予想ですので、少し内容が変わる可能性はありますが、それについては問題はありません。たいていの場合は最も自然な解釈をされますから。
不思議な話ですよね。
「あ、出来れば警察の方であの病院の調査をお願いしたいのですが・・・」
「調査を?事情を聞かせてもらえるか?」
「ええ、勿論」
何の理由も無く調査なんて出来ませんものね。
昨夜・・・いえ、今日の早朝に遭遇した<高位悪霊>について。
本来<高位悪霊>など、霊の集まりやすい鳥居町でも一年に一度出れば運が悪い方だと言えます。
そんな<高位悪霊>と数日で遭遇するというのは・・・ちょっと違和感がありますが、そのことは一先ず脇へ置いておきましょう。
珍しい<高位悪霊>に進化するには、長い時間を掛けるか、強い負の感情が必要です。
前者ですと、やはり違和感がありますし、ここは後者。
つまり、相当強い負の感情が生じていた可能性が高いです。
思い出してほしいのが、<高位悪霊>がやってきたのは<中位悪霊>を封印した直後だということ。
これが偶然とは思えませんので、両者に何らかの関係があるはずです。高位ともなれば中位の悪霊を支配下に置くことも可能でしょうし、その線が強いですね。
問題は、<高位悪霊>が病院を本拠地としていたことです。
それはすなわち、<高位悪霊>が病院で生まれたであろうこと。
悪霊は生まれた場所から離れることはそんなにないですからね。
要するに、あの病院に何かあるのでは?ということです。
確かに病院はその性質上、負の感情が溜まりやすいです。
人が死ぬ場所でもありますからね。
ですが、その代わりに正の感情も生まれやすい場所なので、そこそこつり合いはとれることが殆どだと妖怪書に書かれていました。
・・・ええ。殆どは、です。
そこに<高位悪霊>が生まれるほどのバランス悪化を生む何かがある、と疑ってしまうのはごく自然なことではないでしょうか?
例えば・・・医療ミスとか、非合法な実験とか。
凪沙さんのお父さんに<中位悪霊>が寄っていたのは、凪沙さんの家で封印した悪霊の残滓に惹かれたのかもしれませんね。そちらと<高位悪霊>との関係は不明です。
「―――――という訳で、お願いできませんか?」
「分かった。こちらで何とかしてみるよ」
ふぅ・・・。これで目的は果たしましたね。
本当なら怪我が治ってから・・・事件が解決する少し前にでも伺おうかと思っていたのですが、ままならないものですね。
「ところで、怪我をしたという話だったが・・・大丈夫なのか?」
「大丈夫・・・ではないですね。言葉を発するだけであちこち痛みます。
父と母であれば軽く解決できたのでしょうけど・・・私はまだ未熟者ですから」
「・・・済まなかったっ!!」
またしても土下座されてしまいました。
今回ばかりはこの謝罪を受け取っておきましょう。
本当に、涙が出そうなほど痛いんですから。
そういう訳で、覆面パトカーで送られて家まで帰ってきました。
「この度は本当に申し訳ありませんでした・・・!」
「白石さんは署長さんを呼びに行ってくれていた訳ですし、どうかお気になさらないでください」
白石さんに玄関前で頭を下げられましたが、もう済んだことですから。
この人が何かしたのでもありませんし。
「ですが、先輩を止めることが出来ず、大変な失礼を致しまして・・・」
「はぁ・・・。でしたら、今度何か買っていってくださいな。お客さんが増えればとても嬉しいですから」
「分かりました!必ず買いにきます・・・!」
どうやら納得してもらえたようです。
あ、そういえば私、自己紹介をしていませんでしたね。
「改めまして、私は、雑貨店『あやかし屋』の店主、影山若葉と申します。
長い付き合いになると思いますので、以後、お見知り置きくださいませ」」
「あ、はい。私は白石海斗です。よろしくお願いします。でも、長い付き合いというのは・・・?」
その質問には答えず、玄関の扉を閉めました。
まあ、これから彼は使いっ走りになるかもしれないということで。
今は知らぬが仏でしょう。
後日、鳥居南病院で医療ミスの隠蔽が発覚したと知りました。
まあ、だからといって私に何があるというわけでもないのですけどね。
「クソッ!何で首を飛ばされなきゃならんのだ!
俺は何も悪いことなんてしてないだろうがっ!なのにあのクソ署長っ!
あの女・・・あいつさえ、あいつさえ居なければこんなことにはならなかった!
覚えてろ・・・!何が何でも、あいつ・・・あの女のガキにに復讐してやるっ!
そう、これは正当な権利だ!あいつのせいで俺の人生が狂ったんだからなっ!!」
そんな声が夜中の鳥居町に響いたが、誰も聞いている者は居なかった。
「はい。周りも直に、事件は解決した、と思うようになると思います」
「そうか。はぁ・・・そう言ってもらえたら一安心だ」
病院で起きたことについて一通り説明しました。
明日には、「不良が石を投げて窓ガラスを割って、その犯人は捕まった」という風に皆さん思い込むことになると思います。
あくまでも予想ですので、少し内容が変わる可能性はありますが、それについては問題はありません。たいていの場合は最も自然な解釈をされますから。
不思議な話ですよね。
「あ、出来れば警察の方であの病院の調査をお願いしたいのですが・・・」
「調査を?事情を聞かせてもらえるか?」
「ええ、勿論」
何の理由も無く調査なんて出来ませんものね。
昨夜・・・いえ、今日の早朝に遭遇した<高位悪霊>について。
本来<高位悪霊>など、霊の集まりやすい鳥居町でも一年に一度出れば運が悪い方だと言えます。
そんな<高位悪霊>と数日で遭遇するというのは・・・ちょっと違和感がありますが、そのことは一先ず脇へ置いておきましょう。
珍しい<高位悪霊>に進化するには、長い時間を掛けるか、強い負の感情が必要です。
前者ですと、やはり違和感がありますし、ここは後者。
つまり、相当強い負の感情が生じていた可能性が高いです。
思い出してほしいのが、<高位悪霊>がやってきたのは<中位悪霊>を封印した直後だということ。
これが偶然とは思えませんので、両者に何らかの関係があるはずです。高位ともなれば中位の悪霊を支配下に置くことも可能でしょうし、その線が強いですね。
問題は、<高位悪霊>が病院を本拠地としていたことです。
それはすなわち、<高位悪霊>が病院で生まれたであろうこと。
悪霊は生まれた場所から離れることはそんなにないですからね。
要するに、あの病院に何かあるのでは?ということです。
確かに病院はその性質上、負の感情が溜まりやすいです。
人が死ぬ場所でもありますからね。
ですが、その代わりに正の感情も生まれやすい場所なので、そこそこつり合いはとれることが殆どだと妖怪書に書かれていました。
・・・ええ。殆どは、です。
そこに<高位悪霊>が生まれるほどのバランス悪化を生む何かがある、と疑ってしまうのはごく自然なことではないでしょうか?
例えば・・・医療ミスとか、非合法な実験とか。
凪沙さんのお父さんに<中位悪霊>が寄っていたのは、凪沙さんの家で封印した悪霊の残滓に惹かれたのかもしれませんね。そちらと<高位悪霊>との関係は不明です。
「―――――という訳で、お願いできませんか?」
「分かった。こちらで何とかしてみるよ」
ふぅ・・・。これで目的は果たしましたね。
本当なら怪我が治ってから・・・事件が解決する少し前にでも伺おうかと思っていたのですが、ままならないものですね。
「ところで、怪我をしたという話だったが・・・大丈夫なのか?」
「大丈夫・・・ではないですね。言葉を発するだけであちこち痛みます。
父と母であれば軽く解決できたのでしょうけど・・・私はまだ未熟者ですから」
「・・・済まなかったっ!!」
またしても土下座されてしまいました。
今回ばかりはこの謝罪を受け取っておきましょう。
本当に、涙が出そうなほど痛いんですから。
そういう訳で、覆面パトカーで送られて家まで帰ってきました。
「この度は本当に申し訳ありませんでした・・・!」
「白石さんは署長さんを呼びに行ってくれていた訳ですし、どうかお気になさらないでください」
白石さんに玄関前で頭を下げられましたが、もう済んだことですから。
この人が何かしたのでもありませんし。
「ですが、先輩を止めることが出来ず、大変な失礼を致しまして・・・」
「はぁ・・・。でしたら、今度何か買っていってくださいな。お客さんが増えればとても嬉しいですから」
「分かりました!必ず買いにきます・・・!」
どうやら納得してもらえたようです。
あ、そういえば私、自己紹介をしていませんでしたね。
「改めまして、私は、雑貨店『あやかし屋』の店主、影山若葉と申します。
長い付き合いになると思いますので、以後、お見知り置きくださいませ」」
「あ、はい。私は白石海斗です。よろしくお願いします。でも、長い付き合いというのは・・・?」
その質問には答えず、玄関の扉を閉めました。
まあ、これから彼は使いっ走りになるかもしれないということで。
今は知らぬが仏でしょう。
後日、鳥居南病院で医療ミスの隠蔽が発覚したと知りました。
まあ、だからといって私に何があるというわけでもないのですけどね。
「クソッ!何で首を飛ばされなきゃならんのだ!
俺は何も悪いことなんてしてないだろうがっ!なのにあのクソ署長っ!
あの女・・・あいつさえ、あいつさえ居なければこんなことにはならなかった!
覚えてろ・・・!何が何でも、あいつ・・・あの女のガキにに復讐してやるっ!
そう、これは正当な権利だ!あいつのせいで俺の人生が狂ったんだからなっ!!」
そんな声が夜中の鳥居町に響いたが、誰も聞いている者は居なかった。
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