妖符師少女の封印絵巻

リュース

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二章 高校入学編

34 お守りの宣伝効果

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 あの後二人を揶揄い、バスを降りて家に到着。

 すると丁度お客さんが来ていましたので急いで開店しました。


「いらっしゃいませ。ようこそあやかし屋へ」

「ああ、済みません、急かしたみたいで・・・」

「いえいえ、こちらこそお待たせして済みませんでした」


 今日の開店時間はもう少し後だと掲示していたのですが、まあ早い分には良いでしょう。品切れやセールなんかもありませんから。
 お客さんの男性は・・・営業マンのような風貌で、三十台前半くらいの方です。
 少し具合が悪そうですが・・・。


「それで、ここでよく効くお守りが売られていると聞いたのですが・・・」

「ええ、よく効くかどうかは分かりませんが、販売していますよ?」


 お守り一式を男性の前に持ってきて、簡単に説明していきます。
 すると、『悪霊退散のお守り』のところで反応がありました。


「こちらが、何か?」

「ああ、はい。実は、知人に話を伺いまして・・・これを娘からもらったら病気が嘘のように回復していったとか・・・」


 その話ですと、凪沙さんのお父さん、修二さんの話でしょうか。
 確かそろそろ退院で、同時に警察の立ち入り調査・・・という名目の確認作業が行われるはずです。

 となると・・・病院で出会ったのか、それとも・・・。


「実は、私の幼い息子が――――」











「壱ノ舞・悠扇! 
 弐ノ舞・硬扇!」

「!?」


 目の前に居る<中位悪霊>の存在が薄くなり始めました。
 私は<白符>を飛ばし、消える前に封印。

 これで、依頼は完了ですね。

 あの男性なのですが、『悪霊退散のお守り・梅』をお買い上げになりました。
 一万円からだというのに即決で買う辺り、藁にも縋る思いだったのでしょう。

 売った私も私ですが、そのうち詐欺にでも遭わないか心配です。

 とにもかくにも、息子さんを苦しめていた<中位悪霊>は封印しましたので、依頼は完了ですね。

 幼い子供は霊と親和性が高いですから、妖力が無くともしまうことがあります。今回はそれが原因で起こった災いといったところでしょうか。

 精神的に追い詰められていたので、早い段階で相談に来てくれて助かりました。
 これがもっと遅くなっていたら、解決難易度が一段階上がりますから。


<・・・高位悪霊の接近は感じないコン>

「うん。またあの時みたいになったら怖いから、ハラハラしたよ・・・」

<あんな目にあってハラハラする程度って・・・本当に肝が太いコン>


 まあ、前回みたいなことになっても、そこそこ勝算はありますからね。
 遭遇戦でなければ案外なんとかなるものなのです。

 
「さて、明日も学校だし、今日はここまで。帰るよ、フォーン」

<帰ったら油揚げだコンっ!>

「はいはい、分かってるから落ち着いて?」


 すっかり習慣になってしまいましたね。
 油揚げを食むフォーンはとっても可愛いので、ついついあげすぎてしまわないように注意が必要です。

 では、帰りましょう。
 帰りがけに<低位悪霊>を封印することも忘れずに・・・。









「――――さっきのはフラグだったのかな?」

<こういう時に限って悪霊が密集している場所を見つけるコン・・・>


 以前の焼き回しのようですが、<低位霊>の密集地帯を発見。
 その中から<低位悪霊>が発生し、吸収を経て<中位悪霊>へ。

 数こそ三体と以前より少ないですが、週に一回ペースとは・・・。


「本当に舐められているんだね・・・仕方のないことだけれど」

<誰だって最初はそんなもので・・・若葉?>

「ふぅ・・・<破>ッ!!」


 私は、<低位符>を三枚使用して三体を誘導。
 そして<多尾幻扇テイルズ・ファンタジア>に妖力を注ぎ・・・っ!


「参ノ舞・大王扇っ!!」

<ちょっ!?>


 いきなりの大技でフォーンが驚いていますが、これが一番手っ取り早いので。
 三体同時に巨大化した扇で叩き潰します。

 ・・・と、流石に仕留め切れませんでしたので、追撃です。


「弐ノ舞・硬扇三連っ!」

<ボクにそんな舞は存在してないコン!!>

「でも、こうしないと時間が掛かるから・・・」

<なんか無茶苦茶言ってるコン!?>

 
 そう言われても・・・。

 扇に妖力を流すことで硬質化させるのが「弐ノ舞・硬扇」です。
 それを断続的に行うことで連続技にしたのが今の動作です。
 妖力の消費も抑えられて、とてもお得ですね。


<ボク、まだ若葉のことを舐めてたコン・・・>

「え?フォーン、舐めたりしたらくすぐったいよっ・・・!」

<そういう意味じゃないコン!どうして物理的な話になるコン!?>

「さて、封印も終わりましたし、今度こそ帰ろうね・・・!」

<まさかのスルーなのかコン!?>


 今日は<中位符>が五枚・・・いい稼ぎでしたね。

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