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三章 水の怪異編
64 笹川先生の依頼受諾
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「―――と、そういう訳で、どうするべきなのかを相談したいんです」
「そうでしたか・・・」
確かに、ストーカーに付き纏われているだけならまだしも、怪奇現象のおまけつきとなれば警察には相談し辛いでしょうね。
署長の柴田さんに直接相談すれば、普通に話を聞いてもらえそうではありますけどね。あの人はそういう現象への理解がありますから。
ただ、今回の場合は悪霊が絡んでいそうですので、私の仕事ですね。
どのみち私に回ってきそうな仕事なので、私が引き受けて問題ないでしょう。
とはいえ、一つだけ言わせてください。
「生徒にストーカー問題を相談する先生なんて、初めて聞きました・・・」
「それは私も分かっていますからわざわざ指摘しないでほしかったですっ!」
「あ、依頼の方はお引き受けしますね?とりあえずは――――」
話をしながら今回の依頼について纏めます。
笹川先生の依頼は、ストーカー問題にどう対応するべきなのか知りたい、です。
話の内容を聞く限り、問題とするべき点は二つ。
一つ、ストーカーの感情が昂ると怪奇現象が起こるということ。
二つ、ストーカーが何処からか先生の住所を嗅ぎ付けたこと。
一つ目については、悪霊の仕業と考えて間違いありませんね。
話だけでは<中位悪霊>か<高位悪霊>だと思います。
二つ目については・・・現状では分かりません。
先生の話し振りでは心当たりなど無いようですし、おかしな話です。
「笹川先生、個人情報の流出について、何か心当たりはありませんか?」
「・・・何度も考えましたが、ありませんね。一応女性の身ですから、普段から気を付けているつもりですし、本当にどこで聞きつけたのか・・・」
うーん・・・何とも言えませんね。
可能性としては、尾行されたとか、虱潰しに探したとか、色々ありそうです。
ということは、今回の依頼でやるべきことは二つ。
一つ、ストーカーについている悪霊を封印すること。
二つ、情報漏洩が起きた理由について調べ、可能なら原因を排除すること。
三つ、悪霊排除後の状況如何で、ストーカーの身柄拘束を行うこと。
これが、先生の相談に対する答えですね。
一つ目については、怪奇現象の根絶と、悪霊を育たせないという目的があります。
二つ目については、何らかの悪意ある漏洩なら、元を断たねば鼬ごっこですので。
三つ目は・・・言うまでもありませんね。
「―――ですので、現状ではこれが最適解だと思います」
「な、なるほど・・・言われてみれば、もっともな話ですね。ですが、警察に突き出して信用してもらえるのでしょうか・・・?特に、怪奇現象について、とか」
「それでしたら、上の方に伝手がありますので、ご心配なく」
「へっ・・・?」
おっと、余計なことを言いましたかね?
でも、他に信用してもらう良い方法もありませんでしたし・・・。
早い段階で納得して頂けたのは幸いでした。
笹川先生も客観的に判断すればそれくらい分かりそうなものですが、当事者となると視野が狭まってしまいますからね。
と、今はそれよりも、今後についての話です。
「それで、今挙げた三つの項目について。それぞれ専門家に任せてもよいのですが、今なら特別大サービス。この金額で全て『あやかし屋』が担当いたします・・・!」
「三万八千円・・・高いのか安いのか、何とも言えませんね・・・?」
「それは見積もりでしかありませんが、良心的な価格だと自負しております・・・!」
調査を進めることで変動はしますが、二倍以上にはならないことを保証します。
たとえ国家規模の話になっても、です。
その場合は私の考えが甘かったということですからね。
お客様に負担を強いるような真似はしませんとも。
「色々と指摘したい場所はあるんですが、とりあえず一つだけ聞かせてください。影山さんは大丈夫なんですね?」
「ええ、勿論です。無茶は致しません」
「そうですか・・・。では・・・よろしくお願いします」
「はい、お引き受けいたしました」
笹川先生に頭を下げて頼まれましたので、何としてでも達成してみせます・・・!
「あ、お代の方は成功報酬ですので、まだいいですよ?失敗した場合は一円もとりませんので、そちらの方もご安心ください」
「あ、そうなんですか・・・」
先生が財布を取り出そうとしたので、それを押しとどめました。
この仕事は信用が命ですから、こういう手法が一番なんです。
「ところで、聞くまでもないかもしれませんが、これは合法な調査、ですよね?」
「・・・・・・えへへ」
「何ですかその微妙な笑顔はっ!? まさか・・・非合法なんですかっ!?」
残念ながら、そこは黙秘です。
場合によっては、合法な手段だけでは行き詰まりますからね。
でも、これだけは言わせてください。
この町における治安維持を司る機関のトップは、私の味方ですっ・・・!
「そうでしたか・・・」
確かに、ストーカーに付き纏われているだけならまだしも、怪奇現象のおまけつきとなれば警察には相談し辛いでしょうね。
署長の柴田さんに直接相談すれば、普通に話を聞いてもらえそうではありますけどね。あの人はそういう現象への理解がありますから。
ただ、今回の場合は悪霊が絡んでいそうですので、私の仕事ですね。
どのみち私に回ってきそうな仕事なので、私が引き受けて問題ないでしょう。
とはいえ、一つだけ言わせてください。
「生徒にストーカー問題を相談する先生なんて、初めて聞きました・・・」
「それは私も分かっていますからわざわざ指摘しないでほしかったですっ!」
「あ、依頼の方はお引き受けしますね?とりあえずは――――」
話をしながら今回の依頼について纏めます。
笹川先生の依頼は、ストーカー問題にどう対応するべきなのか知りたい、です。
話の内容を聞く限り、問題とするべき点は二つ。
一つ、ストーカーの感情が昂ると怪奇現象が起こるということ。
二つ、ストーカーが何処からか先生の住所を嗅ぎ付けたこと。
一つ目については、悪霊の仕業と考えて間違いありませんね。
話だけでは<中位悪霊>か<高位悪霊>だと思います。
二つ目については・・・現状では分かりません。
先生の話し振りでは心当たりなど無いようですし、おかしな話です。
「笹川先生、個人情報の流出について、何か心当たりはありませんか?」
「・・・何度も考えましたが、ありませんね。一応女性の身ですから、普段から気を付けているつもりですし、本当にどこで聞きつけたのか・・・」
うーん・・・何とも言えませんね。
可能性としては、尾行されたとか、虱潰しに探したとか、色々ありそうです。
ということは、今回の依頼でやるべきことは二つ。
一つ、ストーカーについている悪霊を封印すること。
二つ、情報漏洩が起きた理由について調べ、可能なら原因を排除すること。
三つ、悪霊排除後の状況如何で、ストーカーの身柄拘束を行うこと。
これが、先生の相談に対する答えですね。
一つ目については、怪奇現象の根絶と、悪霊を育たせないという目的があります。
二つ目については、何らかの悪意ある漏洩なら、元を断たねば鼬ごっこですので。
三つ目は・・・言うまでもありませんね。
「―――ですので、現状ではこれが最適解だと思います」
「な、なるほど・・・言われてみれば、もっともな話ですね。ですが、警察に突き出して信用してもらえるのでしょうか・・・?特に、怪奇現象について、とか」
「それでしたら、上の方に伝手がありますので、ご心配なく」
「へっ・・・?」
おっと、余計なことを言いましたかね?
でも、他に信用してもらう良い方法もありませんでしたし・・・。
早い段階で納得して頂けたのは幸いでした。
笹川先生も客観的に判断すればそれくらい分かりそうなものですが、当事者となると視野が狭まってしまいますからね。
と、今はそれよりも、今後についての話です。
「それで、今挙げた三つの項目について。それぞれ専門家に任せてもよいのですが、今なら特別大サービス。この金額で全て『あやかし屋』が担当いたします・・・!」
「三万八千円・・・高いのか安いのか、何とも言えませんね・・・?」
「それは見積もりでしかありませんが、良心的な価格だと自負しております・・・!」
調査を進めることで変動はしますが、二倍以上にはならないことを保証します。
たとえ国家規模の話になっても、です。
その場合は私の考えが甘かったということですからね。
お客様に負担を強いるような真似はしませんとも。
「色々と指摘したい場所はあるんですが、とりあえず一つだけ聞かせてください。影山さんは大丈夫なんですね?」
「ええ、勿論です。無茶は致しません」
「そうですか・・・。では・・・よろしくお願いします」
「はい、お引き受けいたしました」
笹川先生に頭を下げて頼まれましたので、何としてでも達成してみせます・・・!
「あ、お代の方は成功報酬ですので、まだいいですよ?失敗した場合は一円もとりませんので、そちらの方もご安心ください」
「あ、そうなんですか・・・」
先生が財布を取り出そうとしたので、それを押しとどめました。
この仕事は信用が命ですから、こういう手法が一番なんです。
「ところで、聞くまでもないかもしれませんが、これは合法な調査、ですよね?」
「・・・・・・えへへ」
「何ですかその微妙な笑顔はっ!? まさか・・・非合法なんですかっ!?」
残念ながら、そこは黙秘です。
場合によっては、合法な手段だけでは行き詰まりますからね。
でも、これだけは言わせてください。
この町における治安維持を司る機関のトップは、私の味方ですっ・・・!
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