79 / 91
三章 水の怪異編
79 報復開始
しおりを挟む
こちら、現場の影山若葉です。
さて、アジトにある男性の部屋へ連れ込まれてしまいました。
手足を縛られて身動きが取れなくされているのですが、そろそろ動き出してもいいでしょうかね?
・・・え? 眠っていたんじゃないのか・・・ですか?
別に嘘などついていませんよ?
最初に申しました通り、眠くなってしまったので少し目を瞑ったのです。
三秒ほど熟睡して、直ぐに目覚めましたけど。
睡眠薬の分解も終わっていますし、普通に動けます。
フォーンに返事をしなかったのは、万が一にも起きていると気取られない為です。
気づかれたら本拠に運び込んでもらえませんからね。
あのお店で聞き出すてもあったのですが、確実を期すために寝た振りをしました。
口をつぐまれたら厄介ですからね。
ですから、決してピンチという訳ではないんです・・・!
・・・誰に言い訳しているのでしょう、私は。
「ふあぁぁぁ、よく寝ましたね・・・」
「・・・もう起きたんですか。特殊な睡眠薬をあれだけ飲ませたのに・・・」
やはり特殊な薬でしたか。
睡眠があまり必要ない私が眠くなるなど、おかしいと思いました。
もしかしたら、中毒性もあるかもしれません。
次からはもっと警戒しますが、今回はこれが最善手だったと思います。
いつでも体内の妖力を操作して薬を殺せますし、こうして無事にアジト内へ潜入できましたから。
・・・明日まで長引くと、学校生活に差し障りますので。
「私の荷物を一緒に持ってきて頂けたのは有り難いですね。わざわざ取りに行くのは時間の無駄でしたから」
「・・・随分冷静ですね。自分の状況が分かっているのですか?」
「ええ、分かっていますよ?<双蛇組>の調査の途中で薬を盛られて、易々と内部に侵入することができました。外から潰すのは大変ですからね・・・」
私がそう口にすると、目の前の男は目を見開いて驚愕を露わにしました。
まあ、騙したつもりが騙されていたのですから、驚きもしますよね。
部屋の中を見回すと、檻や首輪が置いてありました。
何に使うのかは・・・言わずもがなですね。
私も檻に入れられるところでしたので、その前に寝たフリをやめた訳ですが。
檻を捻じ曲げるのは面倒ですからね。
「・・・それが真実だとして、それがどうしたと言うのですか?今貴方はこうして身動きを封じられて、俺に嬲られるしかないのですよ?」
今の状況を見て余裕を取り戻した男が、偉そうにそう言ってきました。
もはやその醜悪な笑みを隠そうともしていません。
見てくれは悪くないのに、どうしてこうなんでしょうか・・・。
本当に残念で仕方ありません。
まっとうに生きようとは考えなかったのですかね。
・・・人の生き方にケチをつけるのはやめましょうか。
男が私に覆いかぶさらんばかりですので、行動を開始しましょう。
時間も真夜中ですので、丁度いいです。
手足を拘束していたロープを、妖力の力も借り、力任せに引きちぎりました。
「何ッ!?ロープを力技で引きちぎるなんてっ、そんなのあり得ないっ!!」
「今目の前にあるのが現実ですよ。・・・では、一日ほど眠っていてください」
男の懐に潜り込んで、拳を振り抜きます。
「カハッ・・・!?」
「ゆっくりお休みなさい。次に目を覚ますのは、きっと檻の中で・・・いえ、その前に警察署ですかね」
崩れ落ちて気を失った男に向けて上手いことを言おうとしたのですが、失敗です。
私を檻に入れようとした行動に掛けていたのですが・・・はぁ。
説明の必要な上手いセリフほど恥ずかしいものはありませんね・・・。
さて、この男は放置して報復兼救出を始めます。
妖力を使って体内に振動を通したので、起きても身動きできないでしょうから。
臓器が正常に機能しない状態でまともに動けるなら、それは人間ではないです。
<若葉ッ!本当に寝ているのかと心配したコンっ!>
「敵を騙すにはまず味方から、って言葉があるから、ね?」
まずは・・・構成員の殲滅&組長の身柄確保ですかね。
あ、警察に連絡も入れておきましょう。
〇〇〇
男の部屋に携帯式見取り図がありましたので、それを参考に建物内を移動。
余程儲かっているのか、随分と大きい建物を本拠にしているのでしょうね。
しかし、この一番広い部屋に書かれたパーティー会場とは何でしょうね?
ヤクザもパーティーをするのでしょうか?
一週間に一度、日曜日の深夜に行われるそうですが・・・。
・・・微妙に嫌な予感がします。
「テメェっ、何者ぐはっ!?」
また一人、同様の方法で気絶させました。
これで十人目ですね。
仮面もコートも身に付けていますが、認識阻害は発動していません。
今回は報復目的ですので、正体を知られる分には構わないのですけど・・・。
そこはそれ。
様式美というやつです。
只今見取り図を見ながら、虱潰しに構成員を気絶させています。
中には力加減を間違えて瀕死になってしまった人も居ましたが、概ね順調です。
人の気配を探りながらやっていますので、見落としはないと思います。
そろそろ侵入者に気づいて騒がしくなってくる頃合いですかね。
ここからが本番です。
自重なしで正面から正々堂々壊滅させましょう・・・!!
さて、アジトにある男性の部屋へ連れ込まれてしまいました。
手足を縛られて身動きが取れなくされているのですが、そろそろ動き出してもいいでしょうかね?
・・・え? 眠っていたんじゃないのか・・・ですか?
別に嘘などついていませんよ?
最初に申しました通り、眠くなってしまったので少し目を瞑ったのです。
三秒ほど熟睡して、直ぐに目覚めましたけど。
睡眠薬の分解も終わっていますし、普通に動けます。
フォーンに返事をしなかったのは、万が一にも起きていると気取られない為です。
気づかれたら本拠に運び込んでもらえませんからね。
あのお店で聞き出すてもあったのですが、確実を期すために寝た振りをしました。
口をつぐまれたら厄介ですからね。
ですから、決してピンチという訳ではないんです・・・!
・・・誰に言い訳しているのでしょう、私は。
「ふあぁぁぁ、よく寝ましたね・・・」
「・・・もう起きたんですか。特殊な睡眠薬をあれだけ飲ませたのに・・・」
やはり特殊な薬でしたか。
睡眠があまり必要ない私が眠くなるなど、おかしいと思いました。
もしかしたら、中毒性もあるかもしれません。
次からはもっと警戒しますが、今回はこれが最善手だったと思います。
いつでも体内の妖力を操作して薬を殺せますし、こうして無事にアジト内へ潜入できましたから。
・・・明日まで長引くと、学校生活に差し障りますので。
「私の荷物を一緒に持ってきて頂けたのは有り難いですね。わざわざ取りに行くのは時間の無駄でしたから」
「・・・随分冷静ですね。自分の状況が分かっているのですか?」
「ええ、分かっていますよ?<双蛇組>の調査の途中で薬を盛られて、易々と内部に侵入することができました。外から潰すのは大変ですからね・・・」
私がそう口にすると、目の前の男は目を見開いて驚愕を露わにしました。
まあ、騙したつもりが騙されていたのですから、驚きもしますよね。
部屋の中を見回すと、檻や首輪が置いてありました。
何に使うのかは・・・言わずもがなですね。
私も檻に入れられるところでしたので、その前に寝たフリをやめた訳ですが。
檻を捻じ曲げるのは面倒ですからね。
「・・・それが真実だとして、それがどうしたと言うのですか?今貴方はこうして身動きを封じられて、俺に嬲られるしかないのですよ?」
今の状況を見て余裕を取り戻した男が、偉そうにそう言ってきました。
もはやその醜悪な笑みを隠そうともしていません。
見てくれは悪くないのに、どうしてこうなんでしょうか・・・。
本当に残念で仕方ありません。
まっとうに生きようとは考えなかったのですかね。
・・・人の生き方にケチをつけるのはやめましょうか。
男が私に覆いかぶさらんばかりですので、行動を開始しましょう。
時間も真夜中ですので、丁度いいです。
手足を拘束していたロープを、妖力の力も借り、力任せに引きちぎりました。
「何ッ!?ロープを力技で引きちぎるなんてっ、そんなのあり得ないっ!!」
「今目の前にあるのが現実ですよ。・・・では、一日ほど眠っていてください」
男の懐に潜り込んで、拳を振り抜きます。
「カハッ・・・!?」
「ゆっくりお休みなさい。次に目を覚ますのは、きっと檻の中で・・・いえ、その前に警察署ですかね」
崩れ落ちて気を失った男に向けて上手いことを言おうとしたのですが、失敗です。
私を檻に入れようとした行動に掛けていたのですが・・・はぁ。
説明の必要な上手いセリフほど恥ずかしいものはありませんね・・・。
さて、この男は放置して報復兼救出を始めます。
妖力を使って体内に振動を通したので、起きても身動きできないでしょうから。
臓器が正常に機能しない状態でまともに動けるなら、それは人間ではないです。
<若葉ッ!本当に寝ているのかと心配したコンっ!>
「敵を騙すにはまず味方から、って言葉があるから、ね?」
まずは・・・構成員の殲滅&組長の身柄確保ですかね。
あ、警察に連絡も入れておきましょう。
〇〇〇
男の部屋に携帯式見取り図がありましたので、それを参考に建物内を移動。
余程儲かっているのか、随分と大きい建物を本拠にしているのでしょうね。
しかし、この一番広い部屋に書かれたパーティー会場とは何でしょうね?
ヤクザもパーティーをするのでしょうか?
一週間に一度、日曜日の深夜に行われるそうですが・・・。
・・・微妙に嫌な予感がします。
「テメェっ、何者ぐはっ!?」
また一人、同様の方法で気絶させました。
これで十人目ですね。
仮面もコートも身に付けていますが、認識阻害は発動していません。
今回は報復目的ですので、正体を知られる分には構わないのですけど・・・。
そこはそれ。
様式美というやつです。
只今見取り図を見ながら、虱潰しに構成員を気絶させています。
中には力加減を間違えて瀕死になってしまった人も居ましたが、概ね順調です。
人の気配を探りながらやっていますので、見落としはないと思います。
そろそろ侵入者に気づいて騒がしくなってくる頃合いですかね。
ここからが本番です。
自重なしで正面から正々堂々壊滅させましょう・・・!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
163
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる