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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
王都感謝祭・最終日
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武闘大会が中止となり、不完全燃焼かと思いきや、意外とそうでもない。
なんというか、予選を楽しめたのだ、とても。
大運動会のようなノリで終わってしまった武闘大会だった。
そして、王都感謝祭最終日の五日目。
この日のメインイベントは・・・?
「カップルタイム・・・?」
発表された内容に、みんな首をひねっている。
説明によると、一日間、異性への告白を推奨する。
意中の人に告白して成功した場合、国から特別なプレゼントが贈られる。
振られた場合は、その日の買い物が8割引きに。
その判定は、全員に配られたバッジの有無で行う。
振った者は、振られた者にバッジを渡す。
男は黒。女は赤。
なお、振った者は、1人につき、買い物代金が1割増加する。
最近の人口減少の対策として、試行を検討しているとか。
今回はそのテストケースだ。
若干趣味の悪さはあり、反対意見も出た。
だが、魔物の強力化のこともあり、とりあえずやってみよう、となった。
割引などは、モデルケースにするお詫びの意味合いもある。
王都の住人にも、それは知らされた。
「好きです!付き合ってください!」
「・・・ごめん。君とは付き合えないかな。」
「うう・・・そうですよね・・・。」
クロトは顔見知りの女性にバッジを1つ渡す。
「すまないね。好きでもない人の告白は受けられないから・・・。」
「分かってます。ダメ元でしたから・・・。」
そうして、女性は去って行った。
今日はやけ食いするそうだ。
クロトは、それほど罪悪感は感じていない。
あまり好きでもない人を振ったくらいでは、心乱されないのだ。
結果として、面白いことが判明した。
「クロト、どうだった?」
「・・・8人。ライトは?」
「・・・12人だな。」
クロトよりもライトの方が、告白してきた人数が多かった。
セレンは微妙な顔をしている。
「ちなみに、セレンはどうだったんだ?」
「ゼロですよ。」
そう答えたセレンは、やはり微妙な顔をしていた。
他のメンバーにも聞いてみると・・・
ヴィオラは6人。これは普通だ。
面白いのが、
「なあ。カレンとレファイスは何を落ち込んでいるんだ?」
ライトが聞いてくるので、クロトは答えた。
「なんでも、男性と女性。両方から告白されたみたいだよ。」
「「なぜ知っている!?」」
クロトに詰め寄ってくる二人。
ちなみに、レファイスは女性より男性が多く、カレンはその逆。
落ち込むというか、釈然としないのだろう。
王都に来たばかりのアクアやエメラは、告白されないかと思いきや・・・。
「私は5人でした・・・。」
「ん・・・。6人、だった・・・。」
意外と多かったようだ。
そして、リンカはというと。
「えっと、11人、です。」
やけに沢山、告白されていた。
リンカも顔が悪い訳ではないが、中の上くらい。
やはり、顔や性格だけでは決まらないのだろうか。
次にナツメ、なのだが・・・。
「おい。カレンたちより落ち込んでいるんだが・・・?」
ナツメはテーブルに突っ伏していた。
「・・・ゼロ人だったでござる。」
これも意外な結果だ。
ナツメは、顔も綺麗で、性格もいい。
その上、高ランク冒険者。
一人くらい告白してきてもおかしく無いのだが。
「なんでも、道行く人に、自分の何が駄目なのか聞いてみたらしいよ。」
「・・・それで?」
「・・・痛い人はちょっと、と言われたらしいね。」
「何故知ってるでござるか!?」
どうやら、毒の沼地のカーバンクルの件が原因らしい。
あの時ナツメは、クロトに縋りついて色々と言っていた。
しかし、隠密者を発動したクロトは、他の人には見えない。
その結果、痛い人として噂が広まってしまったとか。
「もうお嫁に行けないでござるぅ・・・。」
ナツメはリンカになぐさめられているが、中々立ち直れないようだ。
最後に、マリア。
「・・・・・・26人ですわ。」
「・・・モテるんだね、マリア。」
「殆ど関わっていないのに、なぜですの・・・?」
「マリアはツンデレさんだからね。」
「端的な説明はやめてくださいましっ!」
どうやら、王都ではツンデレの需要があったようだ。
中には、「俺を踏んでください!」とか言い出す者が居たとか。
それはただのドMである。
その時のマリアは、暫く放心していた。
「クロト。説明が分かり辛くとも、普通な人なら大歓迎ですわ・・・。」
「・・・・・・・・・そっか。」
かくして、色んな人間の心に傷をつけたカップルタイムは終わったのだった。
王都特別感謝祭のフィナーレは、大好評だった花火を打ち上げて、閉幕した。
なんというか、予選を楽しめたのだ、とても。
大運動会のようなノリで終わってしまった武闘大会だった。
そして、王都感謝祭最終日の五日目。
この日のメインイベントは・・・?
「カップルタイム・・・?」
発表された内容に、みんな首をひねっている。
説明によると、一日間、異性への告白を推奨する。
意中の人に告白して成功した場合、国から特別なプレゼントが贈られる。
振られた場合は、その日の買い物が8割引きに。
その判定は、全員に配られたバッジの有無で行う。
振った者は、振られた者にバッジを渡す。
男は黒。女は赤。
なお、振った者は、1人につき、買い物代金が1割増加する。
最近の人口減少の対策として、試行を検討しているとか。
今回はそのテストケースだ。
若干趣味の悪さはあり、反対意見も出た。
だが、魔物の強力化のこともあり、とりあえずやってみよう、となった。
割引などは、モデルケースにするお詫びの意味合いもある。
王都の住人にも、それは知らされた。
「好きです!付き合ってください!」
「・・・ごめん。君とは付き合えないかな。」
「うう・・・そうですよね・・・。」
クロトは顔見知りの女性にバッジを1つ渡す。
「すまないね。好きでもない人の告白は受けられないから・・・。」
「分かってます。ダメ元でしたから・・・。」
そうして、女性は去って行った。
今日はやけ食いするそうだ。
クロトは、それほど罪悪感は感じていない。
あまり好きでもない人を振ったくらいでは、心乱されないのだ。
結果として、面白いことが判明した。
「クロト、どうだった?」
「・・・8人。ライトは?」
「・・・12人だな。」
クロトよりもライトの方が、告白してきた人数が多かった。
セレンは微妙な顔をしている。
「ちなみに、セレンはどうだったんだ?」
「ゼロですよ。」
そう答えたセレンは、やはり微妙な顔をしていた。
他のメンバーにも聞いてみると・・・
ヴィオラは6人。これは普通だ。
面白いのが、
「なあ。カレンとレファイスは何を落ち込んでいるんだ?」
ライトが聞いてくるので、クロトは答えた。
「なんでも、男性と女性。両方から告白されたみたいだよ。」
「「なぜ知っている!?」」
クロトに詰め寄ってくる二人。
ちなみに、レファイスは女性より男性が多く、カレンはその逆。
落ち込むというか、釈然としないのだろう。
王都に来たばかりのアクアやエメラは、告白されないかと思いきや・・・。
「私は5人でした・・・。」
「ん・・・。6人、だった・・・。」
意外と多かったようだ。
そして、リンカはというと。
「えっと、11人、です。」
やけに沢山、告白されていた。
リンカも顔が悪い訳ではないが、中の上くらい。
やはり、顔や性格だけでは決まらないのだろうか。
次にナツメ、なのだが・・・。
「おい。カレンたちより落ち込んでいるんだが・・・?」
ナツメはテーブルに突っ伏していた。
「・・・ゼロ人だったでござる。」
これも意外な結果だ。
ナツメは、顔も綺麗で、性格もいい。
その上、高ランク冒険者。
一人くらい告白してきてもおかしく無いのだが。
「なんでも、道行く人に、自分の何が駄目なのか聞いてみたらしいよ。」
「・・・それで?」
「・・・痛い人はちょっと、と言われたらしいね。」
「何故知ってるでござるか!?」
どうやら、毒の沼地のカーバンクルの件が原因らしい。
あの時ナツメは、クロトに縋りついて色々と言っていた。
しかし、隠密者を発動したクロトは、他の人には見えない。
その結果、痛い人として噂が広まってしまったとか。
「もうお嫁に行けないでござるぅ・・・。」
ナツメはリンカになぐさめられているが、中々立ち直れないようだ。
最後に、マリア。
「・・・・・・26人ですわ。」
「・・・モテるんだね、マリア。」
「殆ど関わっていないのに、なぜですの・・・?」
「マリアはツンデレさんだからね。」
「端的な説明はやめてくださいましっ!」
どうやら、王都ではツンデレの需要があったようだ。
中には、「俺を踏んでください!」とか言い出す者が居たとか。
それはただのドMである。
その時のマリアは、暫く放心していた。
「クロト。説明が分かり辛くとも、普通な人なら大歓迎ですわ・・・。」
「・・・・・・・・・そっか。」
かくして、色んな人間の心に傷をつけたカップルタイムは終わったのだった。
王都特別感謝祭のフィナーレは、大好評だった花火を打ち上げて、閉幕した。
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