異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

エピローグ15

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 毒雨の都からダクブレアの町へ戻って来たクロトとエメラ。


 目的であった紫結晶も手に入ったので、旅は一段落。

 まだまだブルータル王国には行っていない場所があるが、今回はここまで。

 最後にダクブレアの町を散歩していたのだが、気になる話を聞いてしまった。




「生命の湖・・・昔、それがあったと?」

「そうさね。もう七十年も昔の話になるさね・・・。」


 クロトは双子山の情報以来、ご老人からも話を聞くようにしていた。

 今回は女性だったが、中々有力な情報が手に入った。


「けんども、もう埋め立てられちまったさね・・・。」

「そう、ですか・・・。貴重なお話ありがとうございました。」

「ん・・・。ありがとう、おばあちゃん・・・。」


 本当に、年の功は侮れない。

 二人とも、きっちりお礼を言う。


「あ、よろしければ、これをどうぞ。」


 クロトが渡したのは、老人用介護施設のフリーパス。

 そろそろ、この先のことを心配していたご老人は、大層喜んでくれた。







 そういう訳で、生命の湖の跡地へやって来た二人。


「ん・・・。何も無い、ね・・・?」

「ああ。ただの平地になっているね・・・。」


 何でも、何かの施設を作るために埋め立てたが、計画が中止になったらしい。

 中止の原因は不明だが、貴族の揉め事がどうとか。

 実にくだらない話で、本当にどうでもいい。


「生命結晶か生命鉱石の手掛かりがあると思ったんだけどね・・・。」

「ん・・・。残念・・・。」


 ラファエルの器を作るのに必要な材料の二つ。

 何の情報も無い二つだっただけに、クロトの期待も大きかったのだが・・・。

 物事はそうそう上手く行かないということの典型かもしれない。










「ローナ、君の体が・・・」

「ストップ!そのくだりはもういいから!」


 ローナの力を借りに来たのだが、話の途中で制止されてしまった。

 流石に彼女も学習したようだ。

 僅かに頬が赤いが、目立つほどではない。


「まったく、どうしてそんな誤解を招くような言い方を・・・。」

「それは、マリアが傍に居たのがいけないのかもね・・・。」

「わたくしのせいなんですのっ!?とんだ言い掛かりですわっ!」


 猛るマリアを放置して、ローナを湖跡地へ連れて行く。

 だがしかし、ローナの調査でも、鉱石の類は発見できなかった。


 ただ、クロトは、気になることをローナから聞かされた。


「うーん・・・やけに水分の多い土地だね・・・。」

「そうなんだ?元湖だったらしいから、そのせいかな?」

「だとしても、水分の残り具合が・・・。」


 ローナの見解では、その水分自体に特殊な効果があるかもしれない、とのこと。

 専門を外れるので、確かなことは言えないそうだが。


 そこでクロトは、地面を掘り返して、土から水分を搾り取ることに。



「えっと・・・それは何?魔法陣なのは分かるけど、見たことないよ?」

「見たことが無いのは、商品では無いからかな。これは、分離魔法陣だよ。」


 クロトは巨大な魔法陣の上に掘り返した土を乗せて、起動。

 数分後、水分の無い土と、普通の水、普通でない水、に分離した。


 便利なように思うかもしれないが、使い道と値段が釣り合わないのだ。


 前二つはアイテムボックスへ収納。

 最後の普通ではない水については解析を発動。


 解析結果は、生命の真透水。


(生命鉱石と関りがありそうだけど、これだけ解析しても分からない、か。)


 とはいえ、一歩前進したことを喜ぶクロト。



「・・・さて。帰ろうか、二人とも。」

「ん・・・。クロトと、旅行・・・楽しかった、な・・・。」



 そうして二人は、ブルータル王国での旅を終えて、カラーヴォイス王国へ。










「ちょっと待って!この掘り返された大穴はどうするの!?まさかこのまま!?」

「ローナ、小さいことを気にし過ぎると、体に悪いよ?」

「ちっとも小さくないよ!?寧ろ、凄く大きいよ、この穴!」


 クロトは鼻息の荒いローナの肩を抱いて、転移を発動。

 エメラと共に帰って行ったのだった。


 当然の如く、穴はそのままで。


 ローナはローナで、クロトに肩を抱かれて、何も言えなくなってしまった。




 かくして、クロトとエメラの、一か月に及ぶ二人旅は終わった。

 最後の終わり方が、妙に締まらなかった気もするが、どうでもいいことだろう。




 なお、その大穴は、新たな観光名所となったり、妙な噂が流れたりしたのだが。


 それは当分、先の話。

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