異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

マリアVSエレメンタルヒュドラ

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 マリアとエレメンタルヒュドラの攻防は、マリア優勢。


 今の所、クロトは闇輪を生成していない。

 そのため、臨界突破を使用したヒュドラと能力値上は互角。


 だが、ヒュドラの魔法を、マリアは白羽を駆使して華麗に回避。

 回復を司る首に、少しづつダメージを与えている。


 橙の瞳は使わないで戦う。

 自分は何とかなる戦いでしかないが、クロトとリュノアは違う。

 どちらもかなり厳しい戦いになっているはず。

 そちらに加勢するときに効果時間切れでは、お話にもならないのだ。



 マリアは、八つの首の物理攻撃を巧みに回避。


「天魔剣・灰刃!」


 闇と光の中和した巨大な刃が、回復の首を襲い、そこそこのダメージになった。

 回復の首を執拗に狙う理由は、言うまでも無いだろう。


 再び襲い来る首を回避しながら、天魔法術を発動。


「天魔法術・天魔玉!」


 マリアがばら撒いたのは、速度も操作性も高く、感覚喪失の効果がある玉。

 ヒュドラは為すすべなく命中。

 だが、直感を失う効果はギリギリではあったがレジストした。


 早々上手くはいかないと思っていたマリアは、動揺もせずに次の行動へ移る。


「天魔剣・楽園!」


 光闇混合の一撃が、感覚を失い動揺しているヒュドラの隙間を縫って直撃。

 回復の首は大ダメージを受けた。


 ゲイザーから手に入った神水晶による効果の一つ。

 それが、光闇混合攻撃の大幅強化、である。


 気づいたのは最近のことだが、それからの変化は劇的。

 その威力は、今までと比べるまでも無いものになった。


 状況が悪いと判断した蛇つかいは、切り札を使用。

 MPを全て消費し、エレメンタルヒュドラの能力値を二倍に強化した。

 これで、互角だった能力値は、ヒュドラがマリアの二倍程へ推移。


 マリアは自然と眉を顰めてしまった。


(厄介ですわね・・・わたくしの瞳を使っても、効果時間内に倒せませんわね。)


 橙の瞳の効果時間は、スキルレベル1につき五分。

 現在のスキルレベルでも三十分にも満たない。

 それだけの時間で同等の能力値を持つ相手をしとめきれるかと言うと、怪しい。


 敵の臨界突破の効果時間は一時間ほどであるため、効果切れも狙えない。

 ダンジョン内で無ければ、断絶空間に引きこもったのだが。


 限定隔離魔法陣も、蠍の攻撃で破壊される可能性が高い為、使えない。

 隔離空間を破壊されると、内部がどうなるか、予測不能で危険過ぎる。


 マリアに打てる手は、橙の瞳の全力行使くらいなのだが・・・。


(それをやっては、元の木阿弥ですわよね・・・。)


 せめて、クロトが闇輪を生成すれば楽になるのだが、無いものねだり。

 事前に、蠍との戦いで勝機が近づくまでは使わないと宣言されていたのだから。


 ギリギリの戦いゆえに、使うタイミングは、とても重要なのだそうだ。


 効果終了後に行動不能となる限界突破も論外なので、現有戦力で戦うしかない。


 幸い、ヒュドラは感覚を喪失している間は、優位に戦える。

 マリアは早い段階で回復の首を切断するため、攻勢に出た。


「天魔法術・天縛&魔縛!」


 光と闇、二種類の帯でヒュドラを拘束。

 すぐに破られたが、数秒の時間は稼げた。


「天魔神法術・全天魔必縛!」


 全天魔の衣をまとっていた頃のクロトを参考にイメージした、拘束技。

 幾重もの光闇鎖が、天縛と魔縛を振り払ったばかりのヒュドラをガッチリ拘束。


 ヒュドラがもがいている隙に、マリアは回復の首に接近し、一閃。


「天魔神剣・黄昏!」

「シュゥゥゥゥッ!?」


 マリアの一閃は、回復の首を完全に切断した。


 暴れまわるヒュドラの首が、技後で隙が出来たマリアに運悪く直撃。

 能力値差があるため、大きく弾き飛ばされた。


「うっ・・・中々効きましたわ、ね・・・っ!」


 着地には成功したが、HPを三割近く削られ、痛みに呻く。


 だが、戦闘の継続には問題ない。

 未だ暴れているヒュドラに空中から接近。

 赤い首を切断することに成功した。


 直後に、別の首が直感を頼りにマリアへ攻撃。

 マリアはそれを回避・・・しきれずに、喰らってしまった。


 普段なら回避出来て居た攻撃。

 だが、ダメージのせいで動きが鈍っていて、体が思うように動かなかった。


「っ!?うぐっ・・・!」


 直前で防御姿勢をとったため、致命的なダメージにはならなかった。

 しかし、吹き飛ばされたマリアの残りHPは五割。


「げほっ・・・情けないですが、切り札を切るしかありませんわね・・・。」



 このままでは勝てないと判断して、切り札を切ることを決意した、まさにその時。


 マリアの方へ、何かが飛んできた。





「シャァァァァァァァッ!?!?」



 それは、リュノアが戦っていたはずの蛇、ラドンであった。

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