異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

ヴォルケーノ大火山2

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 現在クロトたちは、ヴォルケーノ大火山中腹から少し進んだ場所に居る。

 そして、大量の炎天煙に囲まれていた。


「エメラが居ると、炎天煙の相手は随分と楽だね。」

「クロト、口よりも手を動かしてくださいまし!」


 クロトは言われた通り、手を動かしてマリアの頭を撫でる。


「そういう意味ではありませんわ!戦えということですのっ!」


 戦闘中のマリアの邪魔にならないよう、器用に頭を撫でるクロト。

 その手腕は素晴らしいものである。


「言われなくとも意味は分かってるよ?」

「なら、何故わたくしを撫でるんですの!?」

「撫でたいから、としか言えないね。」


 マリアは戦闘中なので、頬を赤く染めるにとどめて、戦闘を継続した。


「それに、経験値を奪ってしまうのもアレだからね。」

「そんなことは気にしなくてもいいんですの!数を考えてくださいまし!」


 マリアとエメラ、リュノアが戦っている炎天煙の数は、軽く三桁越え。

 おそらく200に届くのではないだろうか。


 いくらエメラが敵の煙を風でガードしているとはいえ、面倒に過ぎる。

 だからクロトも戦ってくれ、ということらしい。

 エメラも意味ありげな視線でクロトを見ているので、同意見のようだ。


 仕方なしに、クロトも戦闘へ参加する。


「それじゃあ、少しだけやらせて貰おうかな。」


 クロトはそう呟くと、十二翼を生成し、攻撃を開始。


漆黒の羽ダークネスフェザー!」


 瞬時に漆黒十二翼に切り替わった翼から放たれた羽が、炎天煙を襲う。

 炎天煙は煙でガードしようとするも、難なく貫通して、炎天煙に突き刺さる。


 炎天煙は次々とやられて行き、あっという間に半数を切ってしまう。

 状況を不利と見た炎天煙のリーダーが、我先にと逃げ出した。


「指導者が逃げるのは良くないと思うよ?」

「!?」


 突如目の前に現れたクロトに、驚愕する炎天煙。


 クロトとて、無意味に戦いを見学していた訳では無い。

 現在の状況を氷天水に囲まれた時と同じではないかと推測し、探していたのだ。

 ユニーク個体であり、リーダーたる個体の炎天煙を。


 つい先ほど、リーダー個体を見つけた為に、遠慮なく戦闘に参加したという訳だ。

 一度捕捉してしまえば、如何様にでも追跡できるので。


「基本的に、リーダーを失った集団というのは、悲惨な末路を辿るものだよ?」


 クロトがそう言いながら指し示すのは、残りの炎天煙たち。

 統率がとれなくなり、エメラたちに蹂躙されている。


「創世十字閃・神断!」


 呆然としている炎天煙のリーダーに、十字閃を放ち、絶命させた。




「まあ、僕の財閥は、そうはならないだろうけどね。」


 クロトは炎天煙を回収して、再び戦場へ戻った。






「キュ!」


 リュノアの、漆黒魔法を纏った「漆黒龍爪連撃」で、最後の炎天煙が絶命。

 それを確認した一同は、ようやく一息つくことが出来た。



「・・・やっぱり、絶対灰燼の生天煙、か。」


 炎天煙のユニーク個体から、特殊な素材を手に入れたクロト。

 予想はしていたが、ニヤリとしてしまうのはやめられない。


「やはり、それも例の計画に必要な物なんですの?」

「恐らくはね。万化の心水あたりの素材になると思う。」

「でしたら、面倒な戦いをした甲斐がありますわね・・・。」


 大して疲れてはいないが、それでも面倒なものは面倒なようだ。


「そう言えばエメラ、炎天煙の大量発生って、異変と関係あると思う?」

「ん・・・。多分・・・関係、ある、と・・・思う。」


 中腹とは言え、炎天煙が大量というのは、どうにも妙な話。

 関係があると考えるのが妥当だろう。


「炎天煙は、雷天雲や氷天水と同じで、エネルギーから誕生するから・・・。」

「つまり、炎のエネルギーが強まっている、という訳ですわね?」

「大正解。マリアが正解するとは、意外だったね。」

「どういう意味ですの!」


 問い詰めずとも、そのままの意味だと思われるが、様式美というやつだろうか。


「変なことを考えなくとも、マリアは弄られキャラのままだから安心して?」

「益々意味不明ですわ!どこをどう安心しろと言うんですのっ!?」


 猛るマリアに、リュノアが近づく。


「キュイキュイ。」

「何故そんな可哀そうな目で見ながらわたくしを撫でるんですのっ!?」

「ピュイピュイ。」

「フェニアまで撫でるんですのっ!?そんな目で見ないでくださいましっ!?」


 まるで、永遠の弄られキャラであることを不憫に思ったかのような行動。

 マリアは涙目になっている。


 そして、とどめを刺すのはエメラ。

 フォローするつもりでこう告げた。


「ん・・・。マリア、は・・・今のまま、が・・・一番良い、よ・・・?」

「・・・・・・。」


 マリアはガックリとして、膝を着いてしまった。

 エメラの発言を、弄られキャラが一番似合っている、と捉えたらしい。


「ん・・・?」


 エメラは何故マリアが落ち込むのかを、理解できないのであった。

 言葉って、とても難しい。

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