異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

獅子石像と追いかけっこ

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 何度か休憩を挟み、数時間かけて、ようやく頂上まで辿り着いた二人。

 流石にクロトも、能力値減少の影響で疲れ気味だ。


 そして頂上に存在したのは・・・巨大な獅子の像。

 その場にあった説明書きによると、審問が行われるらしい。

 それはスフィンクスであって獅子とは違うのでは?

 そう思わなくもないクロトだが、突っ込んでも仕方が無いので、ここは黙る。


 審問の内容は・・・省略で。

 マリアが真っ赤になる卑猥な内容も混ざっていたとだけ語っておく。


「汝らは我を怒らせた!この牙で肉塊に変えてやろう!」

「なんでですのっ!?」


 真面目に審問に答えたのに、これはあまりに酷いのではないか。

 そういう意味を込めて、獅子の石像を非難したマリア。


 どうやら、審問自体には何ら意味が無かったらしい。

 もはや嫌がらせのレベルである。


 獅子の石像は、レオ・スタチューという名前で、レベル85と意外に強い。

 特筆するスキルは、レアスキル「補修再生」。

 効果は、普通の再生とあまり変わらない。


 ちなみに、石像は口を開けないので、牙で肉塊云々は不可能だ。


「くっ、この状態で戦闘ですのっ!?」

「面倒な話だね。リュノア、纏って?」

「キュゥ・・・?・・・キュ!」


 クロトはリュノアを収納から出して、その身に纏わせた。

 飛行禁止は何処へ行ったのか。

 漆黒装モードになったクロトは星天装を発動し、石像の背後に転移。


「漆黒剣・龍顎!」


 クロトの剣技は、一撃で石像を木っ端みじんに破壊した。


「天魔神法術・境界崩壊!」


 マリアの天魔神法術で、再生する前に完全にとどめを刺した。


「ふぅ。マリア、ナイスタイミングだったよ?」

「これくらい、クロトと一緒に戦っていれば、分かるようになりますわ。」


 何でもないことのように言っているが、どことなく嬉しそうなマリア。


 クロトとマリアは石像があった場所に生成された階段を仲良く上った。



 天の塔6F クリア











 天の塔7F



「マリア、早くしないと追いつかれるよ?」

「クロトは黙っててくださいましっ!」


 マリアは獅子から必死に逃げていた。


 今回の試練は、簡単に言うならば鬼ごっこである。

 鬼は獅子に固定で、制限時間内に捕まったら、失敗。

 入口まで転移させられるらしい。


 そして重要なのが、獅子を倒してしまっても失敗ということ。


 フィールドは障害物もあり、そこそこに広い。

 逃げ手に有利ではあるが、鬼役の獅子が酷い。

 倒せないのを良いことに、速力に全振りなのだ。


 故に、マリアは必死に逃げているという訳だ。


 クロトは優雅に寛ぎながら、マリアの応援。

 パーティーの場合、一人でも捕まったらアウト。

 その為、クロトに文句を言いながらも、不承不承、マリアは逃げているのだ。


 何故クロトを追いかけないのかは不明。

 恐らくだが、圧倒的に捕まえやすい方を合理的に追いかけているのだろう。


 確かに、隠密したクロトを捕まえるなど不可能だとは思うが。


「ん、少し眠くなってきたし、後はよろしくね?」


 クロトはそれだけ言って、ベッドを出して、スヤスヤと眠り始めた。


「なっ!?・・・鬼役のあなた!今ならクロトを捕まえられますわよ!」

「ガウ?・・・ガウガウ!」


 マリアの主張に耳を傾けはしたものの、やはりマリアを追いかける獅子。

 眠っている隙だらけなクロトを目にしても、捕まえようとしない。


「眠るクロトより、わたくしの方が捕まえやすいとでも言いたいんですの!?」

「ガウ!」

「なんですのっ、その、当たり前だ!みたいな顔はっ!」


 ごく自然の判断ではあるが、マリアにしてみれば、納得など出来ないだろう。


「何故わたくしは、こんな役回りばかりなんですのっ!?」

「ガガウガウ!」

「それがわたくしの宿命!?そんなのは御免ですわっ!」

「がう?」


 獅子は、決してそんなことは言っていない。

 マリアの被害妄想である。


 しばらく逃げ続け、いよいよ腹に据えかねたマリアはクロトのもとへ。


「クロトっ、起きてくださいましっ!・・・なんですの、これは?」


 マリアが見つけたのは、眠るクロトの隣にある紙。

 そこには文字が書かれていた。


【倒しては駄目なら、拘束すればいいのにね。マリアも天然さんだね?】


「何故それを先に言ってくださいませんのっ!?逃げ損ですわっ!?」


 マリアは獅子にダメージを与えないように拘束。

 そして、クロトをポカポカと叩き始めた。


 そんな状態で眠っているクロトは、とても幸せそうだ。





 なお、時間切れ直前、獅子に自殺されたらお終いだ。

 故に、一切の行動が出来ないように、初めから拘束するのが正解なのだ。


 そのことに気づいていたクロトは、わざわざ書き置きを残したのである。

 マリアが自分を起こしにくることも予想済みだったのだろう。



 天の塔7F クリア


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