462 / 600
第二部「創世神降臨」編
幻想神器
しおりを挟む
哀れなゲイザーはクロトたちに狩り尽くされ、ついには全滅した。
「うん、任務完了を確認。みんなご苦労さま。報酬を渡すからこっちに来て?」
クロトはそう告げたが、誰も何も答えない。
どうしたのかと首を傾げていると、アクアが代表で疑問を呈した。
「クロトさん、そちらの剣は一体?威圧感で苦しいのですが・・・。」
「あ、ごめん、忘れてた。『ひと時の眠りにつけ、ツクヨミ』・・・どう?」
「あ・・・威圧感が収まって、今までの剣のようになりました。」
アクアがそう言った直後、ディアナとインフィが座り込んだ。
半ば腰が抜けているらしく、恥ずかしく思いつつも立ち上がれないでいる。
どうやら刺激が強すぎたようだ。
アクアやエメラも冷や汗をかくレベルで強い威圧だったので、仕方なかろう。
「ん・・・。インフィ、立てる・・・?」
「あ、はい・・・ありがとうございます、エメラさん、クロトさん・・・!」
インフィは差し伸べられたクロトとエメラの手をとって起き上がった。
「ディアナは・・・もうしばらくそのままで居るかい?」
「なんでよっ!恥ずかしいから私も起き上がらせて!」
「はぁ・・・仕方ないね。」
「何で私だけそんな扱いなのよっ!」
ディアナは不満げにしながらもクロトの手を取って起き上がった。
「ところでディアナ、最近僕のことを避けてないかな?」
「え?・・・そんなつもりはないから、気のせいなんじゃないかしら・・・?」
「ふーん・・・?」
ディアナが嘘を吐いているようには見えなかったクロト。
とりあえずは後回しにするという結論を出した。
「それじゃあ、報酬を配るよ。ディアナにはおまけとして鬼仮面をあげよう。」
「要らないわよそんな物っ!」
かくして、対神部隊の初仕事は、無事成功したのだった。
クロトはゲイザーの死体を持ってグレンの工房を訪れていた。
「グレンさん、神水晶を持ってきましたよ。」
「わざわざすまんな。もう少しだけ研究の余地が残っていてな。」
クロトはグレンの工房の中で、ゲイザーの死体をポンポンと出していった。
「随分多いな。そういえば、剣の方はどうだ?」
「大変素晴らしい性能でした。・・・僕の瞳を求められた時は驚きましたが。」
「俺も瞳が素材になるとは予想外だ。愛の血肉を混ぜたのが問題だったか。」
「そんなものまで混ぜたんですか・・・。」
新しい武器、幻龍神の月剣と幻龍神の星剣は、一際特殊な素材を用いた。
そのうちの一つが、クロトの瞳だ。
クロトは工房を訪れ、出会い頭にグレンから「目をよこせ」と言われた。
思わずポカンとしてしまったクロトは悪くないだろう。
当然の事ながら、瞳は再生済みだ。
二本の剣は、起句と終句が存在し、言葉を紡がなければならない。
それをしないと、元の剣を少し強化した性能しか出せないのだ。
なんとも奇妙な剣になったものである。
ちなみに、紡ぐべき言葉は、剣の気分によって変わることもある。
・・・そう、僅かながらに、剣に意志のようなものが宿っているのだ。
この結果にはクロトもグレンも驚かされた。
「あ、ふっ飛ばしておいてなんですが、工房は無事に直ったみたいですね。」
「ああ。お前さんの財閥の者がやってきて手伝ってくれたからな。」
「その節はご迷惑をお掛けしました。」
「気にするな。予想はしていたことだ。」
グレンはそう言って苦笑した。
例の如く、剣の仕上げで工房はふっ飛んだ。
それはもう、綺麗とすら言えるレベルで、ふっ飛んだ。
原因は、クロトと剣の意志がぶつかりあったことだ。
結果としてクロトは二本の剣を支配下に置くことに成功した。
が、しかし、その時の余波で工房が吹っ飛んだ、と。
数日間研究したグレンの見立てでは、ダメもとで混ぜた神結晶と創世結晶。
そこにクロトの瞳が干渉することで、妙な変化をしたせいだ、とのこと。
「つまり、お前さんの瞳が悪い。」
「いや、そんなものを混ぜたグレンさんも半分責任がありますよ?」
二人は責任の押し付け合いをしているが、ただの戯れだ。
シロナのことを話してから、二人の関係は多少馴れ馴れしくなった。
「神結晶や創世結晶を神天魔の法衣に組み込むことは出来そうですか?」
「・・・分からんが、恐らく現状では無理だな。」
「そうですか・・・。」
クロトは残念に思いつつ、それも仕方ないかと諦めた。
ただでさえ、創世神器たる神天魔の法衣はおかしな進化をしているのだ。
そこへ更におかしな素材を混ぜたら、どうなるのか見当もつかないのだろう。
「世界ごと消滅させてもいいのであれば、やってみないでもないが・・・。」
「やめてくださいね、絶対に。」
クロトはグレンを必死で押しとどめるのであった。
「うん、任務完了を確認。みんなご苦労さま。報酬を渡すからこっちに来て?」
クロトはそう告げたが、誰も何も答えない。
どうしたのかと首を傾げていると、アクアが代表で疑問を呈した。
「クロトさん、そちらの剣は一体?威圧感で苦しいのですが・・・。」
「あ、ごめん、忘れてた。『ひと時の眠りにつけ、ツクヨミ』・・・どう?」
「あ・・・威圧感が収まって、今までの剣のようになりました。」
アクアがそう言った直後、ディアナとインフィが座り込んだ。
半ば腰が抜けているらしく、恥ずかしく思いつつも立ち上がれないでいる。
どうやら刺激が強すぎたようだ。
アクアやエメラも冷や汗をかくレベルで強い威圧だったので、仕方なかろう。
「ん・・・。インフィ、立てる・・・?」
「あ、はい・・・ありがとうございます、エメラさん、クロトさん・・・!」
インフィは差し伸べられたクロトとエメラの手をとって起き上がった。
「ディアナは・・・もうしばらくそのままで居るかい?」
「なんでよっ!恥ずかしいから私も起き上がらせて!」
「はぁ・・・仕方ないね。」
「何で私だけそんな扱いなのよっ!」
ディアナは不満げにしながらもクロトの手を取って起き上がった。
「ところでディアナ、最近僕のことを避けてないかな?」
「え?・・・そんなつもりはないから、気のせいなんじゃないかしら・・・?」
「ふーん・・・?」
ディアナが嘘を吐いているようには見えなかったクロト。
とりあえずは後回しにするという結論を出した。
「それじゃあ、報酬を配るよ。ディアナにはおまけとして鬼仮面をあげよう。」
「要らないわよそんな物っ!」
かくして、対神部隊の初仕事は、無事成功したのだった。
クロトはゲイザーの死体を持ってグレンの工房を訪れていた。
「グレンさん、神水晶を持ってきましたよ。」
「わざわざすまんな。もう少しだけ研究の余地が残っていてな。」
クロトはグレンの工房の中で、ゲイザーの死体をポンポンと出していった。
「随分多いな。そういえば、剣の方はどうだ?」
「大変素晴らしい性能でした。・・・僕の瞳を求められた時は驚きましたが。」
「俺も瞳が素材になるとは予想外だ。愛の血肉を混ぜたのが問題だったか。」
「そんなものまで混ぜたんですか・・・。」
新しい武器、幻龍神の月剣と幻龍神の星剣は、一際特殊な素材を用いた。
そのうちの一つが、クロトの瞳だ。
クロトは工房を訪れ、出会い頭にグレンから「目をよこせ」と言われた。
思わずポカンとしてしまったクロトは悪くないだろう。
当然の事ながら、瞳は再生済みだ。
二本の剣は、起句と終句が存在し、言葉を紡がなければならない。
それをしないと、元の剣を少し強化した性能しか出せないのだ。
なんとも奇妙な剣になったものである。
ちなみに、紡ぐべき言葉は、剣の気分によって変わることもある。
・・・そう、僅かながらに、剣に意志のようなものが宿っているのだ。
この結果にはクロトもグレンも驚かされた。
「あ、ふっ飛ばしておいてなんですが、工房は無事に直ったみたいですね。」
「ああ。お前さんの財閥の者がやってきて手伝ってくれたからな。」
「その節はご迷惑をお掛けしました。」
「気にするな。予想はしていたことだ。」
グレンはそう言って苦笑した。
例の如く、剣の仕上げで工房はふっ飛んだ。
それはもう、綺麗とすら言えるレベルで、ふっ飛んだ。
原因は、クロトと剣の意志がぶつかりあったことだ。
結果としてクロトは二本の剣を支配下に置くことに成功した。
が、しかし、その時の余波で工房が吹っ飛んだ、と。
数日間研究したグレンの見立てでは、ダメもとで混ぜた神結晶と創世結晶。
そこにクロトの瞳が干渉することで、妙な変化をしたせいだ、とのこと。
「つまり、お前さんの瞳が悪い。」
「いや、そんなものを混ぜたグレンさんも半分責任がありますよ?」
二人は責任の押し付け合いをしているが、ただの戯れだ。
シロナのことを話してから、二人の関係は多少馴れ馴れしくなった。
「神結晶や創世結晶を神天魔の法衣に組み込むことは出来そうですか?」
「・・・分からんが、恐らく現状では無理だな。」
「そうですか・・・。」
クロトは残念に思いつつ、それも仕方ないかと諦めた。
ただでさえ、創世神器たる神天魔の法衣はおかしな進化をしているのだ。
そこへ更におかしな素材を混ぜたら、どうなるのか見当もつかないのだろう。
「世界ごと消滅させてもいいのであれば、やってみないでもないが・・・。」
「やめてくださいね、絶対に。」
クロトはグレンを必死で押しとどめるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。