14 / 24
西方編
真剣勝負
しおりを挟む
「いくぞ!」
大翔は槍を連続して突いて前進する。
弾きながら後ろに後退する悟。
「悟!」
紗夢が心配して叫んだ。
「大丈夫。安心せい」
飯綱一刀斎が紗夢に声をかけた。
悟は刀を回し峰打ちにして、構え直した。
真っ直ぐ刀を頭上に上げ、上段の構えをする。
「懐ががら空きだ!」
腹に向けて槍を突く大翔。
一瞬、左肩に衝撃を受けて目の前にいた悟の姿が消えた。気付いた時には大翔の後にいた。
そして、衝撃を受けた左肩に力が入らなくなり、持っていた槍を落とした。
「痛い」
「勝負あったな」
草深甚右衛門が呟いた。
「くそっ!俺は悟が強くなった事など認めない!」
大翔は落ちた槍を拾い、鈴香を連れて砦を飛び出した。
「大翔!」
追いかけようとする悟の肩を飯綱一刀斎は掴み制した。
「放っておけ、強さとは己の未熟さ、弱さを知って真に強くなる」
飯綱の言葉で追うのをやめた悟は紗夢と学と再会を喜んだ。
「あれ?彼女は?」
紗夢が風花のことを気にした。
「彼女じゃない。風花は今坂の町で留守番してもらっている」
「そうなんだ」
笑顔になる紗夢。
そこに甲冑姿の男が走ってきた。
「西方の侍6人衆の方々!毛利輝元様が率いる本陣が後退途中に奇襲され危し、至急砦を下り応援願いたい」
「早速出番か」
紗夢と学を加えた西方の侍8人衆は毛利本陣に向かった。
一方、砦を出た大翔と鈴香は山の上から毛利本陣に向かう悟達を見下ろしていた。
「今からでも遅くないから紗夢達と合流しましょう」
鈴香の提案を断りながら、山に潜んでいた鬼を斬り倒した。
「お前がこの世界に連れてきた!俺の下駄箱にわざと巻物を入れてな」
「列を間違えたのよ。本当は悟君の下駄箱に巻物を入れたつもりだった」
「何!?じぁあ最初から俺は選ばれてなかった訳か!」
大翔は槍を木に突き刺して激怒した。
「なぁ、この世界には人と鬼の血を引く半妖や半魔がいるらしいな。そいつらは強いらしい。鬼の血には人以上に強くなる効力があるなら、鬼の血を飲めば俺は更に強くなる!強くなって世界最強になるぜ!」
「や、やめて!そんなことしたら人じゃなくなる」
「分からないじゃないか!」
大翔は斬り倒した鬼の腕をもぎ取り、滴る鬼の血を飲んだ。
「ぐっわぁ!不味い!」
「大翔!」
大翔はその場に倒れた。
鈴香が異変を感じたのはその時だった。大翔の身体中の血管が浮き出て、筋肉が盛り上がり、額は裂けて角が生えた。
体格が元の倍以上に膨れ上がり、もう大翔とは判別できない姿に変貌した。
鈴香は恐ろしくなって逃げようとした瞬間、後ろから強い衝撃を受けて山から転がり落ちた。
大翔は槍を連続して突いて前進する。
弾きながら後ろに後退する悟。
「悟!」
紗夢が心配して叫んだ。
「大丈夫。安心せい」
飯綱一刀斎が紗夢に声をかけた。
悟は刀を回し峰打ちにして、構え直した。
真っ直ぐ刀を頭上に上げ、上段の構えをする。
「懐ががら空きだ!」
腹に向けて槍を突く大翔。
一瞬、左肩に衝撃を受けて目の前にいた悟の姿が消えた。気付いた時には大翔の後にいた。
そして、衝撃を受けた左肩に力が入らなくなり、持っていた槍を落とした。
「痛い」
「勝負あったな」
草深甚右衛門が呟いた。
「くそっ!俺は悟が強くなった事など認めない!」
大翔は落ちた槍を拾い、鈴香を連れて砦を飛び出した。
「大翔!」
追いかけようとする悟の肩を飯綱一刀斎は掴み制した。
「放っておけ、強さとは己の未熟さ、弱さを知って真に強くなる」
飯綱の言葉で追うのをやめた悟は紗夢と学と再会を喜んだ。
「あれ?彼女は?」
紗夢が風花のことを気にした。
「彼女じゃない。風花は今坂の町で留守番してもらっている」
「そうなんだ」
笑顔になる紗夢。
そこに甲冑姿の男が走ってきた。
「西方の侍6人衆の方々!毛利輝元様が率いる本陣が後退途中に奇襲され危し、至急砦を下り応援願いたい」
「早速出番か」
紗夢と学を加えた西方の侍8人衆は毛利本陣に向かった。
一方、砦を出た大翔と鈴香は山の上から毛利本陣に向かう悟達を見下ろしていた。
「今からでも遅くないから紗夢達と合流しましょう」
鈴香の提案を断りながら、山に潜んでいた鬼を斬り倒した。
「お前がこの世界に連れてきた!俺の下駄箱にわざと巻物を入れてな」
「列を間違えたのよ。本当は悟君の下駄箱に巻物を入れたつもりだった」
「何!?じぁあ最初から俺は選ばれてなかった訳か!」
大翔は槍を木に突き刺して激怒した。
「なぁ、この世界には人と鬼の血を引く半妖や半魔がいるらしいな。そいつらは強いらしい。鬼の血には人以上に強くなる効力があるなら、鬼の血を飲めば俺は更に強くなる!強くなって世界最強になるぜ!」
「や、やめて!そんなことしたら人じゃなくなる」
「分からないじゃないか!」
大翔は斬り倒した鬼の腕をもぎ取り、滴る鬼の血を飲んだ。
「ぐっわぁ!不味い!」
「大翔!」
大翔はその場に倒れた。
鈴香が異変を感じたのはその時だった。大翔の身体中の血管が浮き出て、筋肉が盛り上がり、額は裂けて角が生えた。
体格が元の倍以上に膨れ上がり、もう大翔とは判別できない姿に変貌した。
鈴香は恐ろしくなって逃げようとした瞬間、後ろから強い衝撃を受けて山から転がり落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる