魔法で子猫になった第一王子の婚約者選び

三毛猫

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婚約候補破棄

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ルーベルト第一王子の婚約候補者の中でも唯一平民出身の第三候補者ディオ・リノラは王都の外れにある平民街に住んでいた。
半年前にルーベルト第一王子の婚約者候補を国内外で広く公募されるとリノラの親は真っ先に応募した。第一次選考、第二次選考、第三次選考を経て最終5人の中に残った。

リノラが周りからは平民出身者でも平等に扱っているように見せる為のパフォーマンス要員だと揶揄された。


平民街を歩いてルーベルトの別邸目指す。
別邸の隣の林の中の小道を歩く。
もう目の前には別邸の建物が見えていた。
リノラは明日は初めてルーベルトと会食する。他の爵位がある婚約候補者は既に何度も会食を重ねていると聞いて明日は絶対に遅れないように別邸の場所の確認に来たのだが。


「あれは・・・」

別邸の隣の林の小道の脇の草むらに第五候補者のフィナがいた。
草むらを行ったり来たりした後、フードがあるローブを着て素早く塀を乗り越えて別邸の中に消えた。

「フィナ様が何故?」

そのあと、別邸の2階の窓から緑色の光が一瞬放たれる。
再び塀を越えてローブ姿のフィナは林の中に消えた。

しばらくして小道の奥から馬車が走ってきた。
別邸の前の道からも馬車が一台走ってきた。

ほとんど同時に鉢合わせた形で別邸前に二台の馬車が停車すると一台目からレベッカが、二台目からはフィナが降りてきた。


「先程のはなんだったの?」

リノラは色々と思考が巡ったまま、帰路に着いた。


その翌日、第一王子失踪事件が公表されリノラの会食は無くなった。


そして二日後、城に集められた5人の婚約候補者は玉座の前で王に跪く。


「此度は第一王子が失踪し捜索中である。最後に会食予定であったレベッカ嬢とフィナ嬢よ何か知らぬか?」

「はい陛下。私はフィナと共にルーベルト殿下の別邸に入りました。別邸には私と私の従者とフィナ、執事にメイドと一匹の子猫しか居ませんでした」

「一匹の子猫・・・」

クライス王国、国王のクライス二世は白く鎖骨まで伸びた長い白鬚を撫でて考えた。


「その昔、禁断の魔法で人を動物に変える魔法が存在したと聞く。もしも一匹の子猫が王子だとすれば・・・急いで捜索せよ!」

「その必要はございません。子猫は私が保護しております」

「おー。流石は王子が選んだフィナ嬢。よくやった」

リノラは小さく挙手すると王はリノラに発言を許した。

「殿下とレベッカ様とフィナ様の会食予定日に別邸の脇の林の中でフィナ様を見ました。フィナ様はフードを被り、別邸に侵入され別邸の二階の窓から緑色に光る光景を目にしました」

「なんだと!ではフィナが!」
王は立ち上がり怒りを露わにした。


「父上!フィナを叱らないで下さい!」
扉を開けて現れたのはルーベルト王子だった。

「ルーベルト!無事だったか」

玉座まで続く赤い絨毯をゆっくり歩き王の前で跪くフィナの手を取った。

「このフィナこそ、魔法で猫になった私を手厚く保護してくれた恩人である!」

「では先程リノラ嬢が話したのは?どうなのだフィナ嬢」

「リノラの嘘にございます」

「違います!私は嘘などついていません!」

「黙れ!フィナは正真正銘、優しく私を保護してくれた。そのような者が猫になる魔法を私に掛けるとは思えぬ!それにレベッカ」

「はい!」

「レベッカは私に鞄を投げつけた」

王の間にいた従者や兵士達は騒ついた。

「いえそれは誤解です。私は猫嫌いで猫を見ると痒くなるのです」

「その猫が私だ!」

「しかし・・・」
レベッカは泣きそうになっていた。

「私は決めた。フィナを婚約者にする!レベッカは婚約候補を破棄!その他の婚約候補者も破棄する。そしてフィナに罪を被せようとしたリノラは国外追放とする」

「えっ!待って下さい!私は本当に見ましたフィナ様があの日別邸で」

「まだ言うか!衛兵、摘み出せ!」

「はっ!」

リノラは衛兵に連れられて王の間を出た。
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