異世界魔剣士タイムトラベラーは異世界転移を繰り返して最弱でしたが特殊能力が開花します

三毛猫

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再会のあと

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「何年振りだ。久しいな。突然消えてしばらく探したぞ」

頭を叩いたのはシュミルだった。
また再会できるとは思わず、感動のあまり抱きつこうとしたが冷静に考えて相手はレディだ。抱きついた瞬間ボコボコにされるに違いない。

「シュミルさん!ザイアスとリネットは?」

「健在だ」

ザイアスとリネットも近づいてくる。

「よー!あの時の新人じゃねーか」
ザイアスは変わりない。

「お久しぶりです」
リネットが喋った!声も可愛い!

「そちらは?」

「前に話していた異世界の先輩です」
この世界から見れば俺たちの世界が異世界になる。

「初めまして。連司くんがお世話になっています。神村亜弥華です」

「アヤカさんご年齢は?」
ザイアス、ナイス。この流れでリネットの年齢も聞ける。

「26歳です」

「ザイアスです!年は30。冒険者やってます!付き合ってください」

「出会ったばかりですし、それに・・・」

「何言ってるんだか弟は。アヤカすまない気にしないでくれ」

撃沈するザイアス。

「シュミルとリネットは何歳になった?」

「私は32。リネットは何歳だ?」

「わたしは・・・24?だったかな」

「同い年です!」

俺がリネットに近づくと先輩は襟を掴んで引き戻した。

「いてて、先輩何ですか?」

「早く登録しましょう」

先輩はカウンターに俺を強引に連れて行くと登録を済ませた。
ギルドの隅にあったテーブルに俺と先輩、シュミル、ザイアス、リネットは座った。


「レンジ、確かお前と会ったのは10年ぐらい前だったか?」

「姉貴、そうだそうだ。10年前だ」

「町にあったギルド移転したり、様子変わりましたね」

「ギルドは移転させられた。レンジがいなくなってすぐ前国王リュディ国王陛下が崩御された。陛下のご子息に家督が継ぐ式典の最中、隣国ギオランド皇国が攻めてきてリュディ国の大半の領土がギオランドに降伏。今ミルクテの町もギオランドの統治下にあるって話さ」

「さすが姉貴、世界情勢に詳しい」

「当たり前よ」

やはり一度、元の世界に戻って再度異世界に行くと、異世界では10年の歳月が過ぎるようだ。俺は異世界タイムトラベラーなのだろうか。

「それでギルドも反乱を起こしかねないために町の外に移転させらたって訳よ」

頷いていたが反乱因子は外に出ても変わらないのではと思った。

「それだけじゃない。町からの依頼は激減して地下迷宮に入れる人数は制限されている。だからギルドに数少ない依頼を求めて冒険者は溢れてる毎日だ」

「そ、そうです」

リネットが喋った!目を輝かせる俺に先輩は足で脛を蹴った。

「なんで!?」

「レンジ、新人登録したアヤカは何ができる?」

「書類整理とPC、人事管理が出来ます」

「なんだそれは?」
シュミルは首を傾げる。

「姉貴、知らねぇのか?魔物の下処理とピーシー、つまりピーとやってシューと捌く剣捌き、ジンジンカイカイだ!」
ザイアスが自信満々で答えた。

「全部違います」

「剣も魔法も使えないってレンジと同じか?」

「はい」

「あー。怠いなこの2人は」

シュミルに言われて外に行くと適正を見ると言い始めた。

ギルドの建物から草原に移り、俺と先輩はシュミルの指示通り剣を構えた。

えい、やー!と素振りする。

「レンジはこの10年何をしていた?」
シュミルは唖然としていた。
一方、先輩は俺より動きが悪い。

「次だ次!」

松葉杖ぐらいある長い杖を持たされた。

「内側から熱いものを感じるか?それが魔力の根源。頭で想像した通りのものを杖の先に具現化する。そして放つ。わかったか?」

何言ってるか全然分からない。

とりあえず俺は杖を構えた。
何も熱くない。何も感じない。

「集中して、目を閉じてもいい」

目を閉じると眠気が。映画5本見て一睡もしていない。流石に眠い。あれ?熱い。目を閉じると熱くなってきた。体が外からじわーっと・・・いや、隣からの熱気だ!

目を開けると先輩が持った杖の先に大きな火玉が出来ていた。


「どうしよう、どうにかしてよー!」
慌てる先輩にシュミルが天に向けて杖を斜めにした。

「火の玉を飛ばすような感覚を持って」

「はい!」

ゴォォォォォ!
轟音と共に火玉は空に向かって放たれた。

先輩は天才だった!


「すごいじゃないか!」

皆が神村先輩に集まる。

シュミルとザイアスは褒め称え、リネットは大きな拍手。
ギルドの外にいた冒険者連中も集まって俺は蚊帳の外。


俺は・・・。
手から魔石やアイテムだけ吸い込む無能。
吸い込む。吸い込むなら、武器や魔物そのものも吸い込む力があるのでは?
閃いた俺は先輩の周りにできた人を掻き分けシュミルに耳打ちしてナイフを手に置いた。ナイフが消えると思ったが何の反応もない。

「何してんの?」

「いや、何にもないです」

「少しアヤカを鍛えたいからレンジは向こうで素振りでもしといて」

「はい」

不貞腐れた俺はひたすら素振りを始めた。


日が沈み、1日が終わる。
先輩の冒険者登録が済み、俺と同じ鉄色のプレートを首から下げて町に入った。

シュミル一行から通貨のゴールドを借りて
宿に泊まることになった。

晩御飯は宿の一階の食堂で先輩と食べた。

「連司くんありがとう。こんな素敵な世界に連れてきてくれて」

「それは楽しいでしょうね。大魔法使いだ、魔法の天才と褒められて」

「拗ねないでよー。私だって驚いてまだ胸が高鳴っているの。連司くんも得意な事きっと見つかるから」

「見つかりますかね。俺は魔石やアイテム吸収するだけで、吸収した魔石やアイテムはどうなっているのか、さっぱりです」

コーンスープのようなドロドロの温かい液体を飲んでパンをかじる。
パサパサとしたパンはお世話にも美味しいとは言い難い。

「もう少し醗酵させれば美味しいパンになるのに」

先輩も同じ感想だった。

食事の後、別々の部屋に入り一夜が過ぎた。
朝、目覚めてもまだ異世界の宿だった。
やはり酒場で乾杯と言わない限り、元の世界には戻らないらしい。

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