その手紙は、冥界から届けられた

ルサルカ

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第十三話

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「あんなのが現前化しようものなら、私たち怪異は皆消滅しちゃうのよね。あれには、消え去ってもらわないと」

 私は、ミストレスに問いかける。

「えっと、あれを殺すというのですか?」

 ミストレスは、首を振る。

「あれも怪異だから、殺せはしない。だけど、怪異のくせに正の存在確率を得ようとしてる。それは阻止しないといけない。だから」

 ミストレスは、私に頬を寄せそっと囁く。

「ねぇ、優しくするからちょっとだけ、血を吸わせて」

 私は、驚き目を見張る。ミストレスは、にこにこ微笑んでいた。

「ね、痛くしないよ。ちょっと、牙の先っちょを挿れるだけ」

 私は目眩を感じながら、思わず頷く。ミストレスは、ぱあっと満面の笑みを浮かべる。

「ありがとうね」

 ミストレスは、私の唇に自身の赤い唇を重ねた。私のしんたに毒のように甘い陶酔が、流れ込む。ミストレスの舌が別の生き物みたいに蠢き私の口腔内を、自由回った。
 私は突然襲いかかってきた快楽に、膝をがくがくさせる。胸の奥に生まれた熱い熱が先端に達し、私の胸の蕾が固く膨れ上がった。
 熱は下腹の底にも降りてゆき、会陰で蛇のような蜷局を巻く。

「はぁっ」

 ミストレスが唇を離した瞬間、私は熱い吐息を吐いていた。ミストレスが、唇を首筋へと這わす。その感覚が私にぞくぞくする感じをもたらした。私は期待のあまり、熱い息を吐きミストレスに抱きつく。
 ミストレスは、ふふっと楽しげに笑う。そして、牙を首筋に突き立てた。
 私は目が眩むような快感に、身体を痙攣させる。私の会陰で蜷局を巻く熱は、鎌首をもたげ上を目指す。その熱は背筋を螺旋を描いて上昇すると頭まで登り、頭頂に達した。
 私はがくがくと、身体。痙攣させる。熱は突き立てられた牙から、ミストレスへと流れ込んでいるようだ。
 ミストレスの唇が首筋から離れると、私は思わず膝をつく。視界が暗くなり、そのまま気を失いそうだとおもう。

「ありがとうね、これで戦えるよ」

 ミストレスは燃え盛る白い炎がごとく、輝いている。その翼が広がりミストレスが、宙に、舞う。同時に、舞台にいる黒いひとも宙に、舞った。
 闇と光が衝突し、強力なエネルギーが迸る。無数の稲光がごとき光の奔流が荒れ狂う竜のように、舞い踊った。突然出現したメエルシュトロオムが全てを飲み込んでゆく。煌めく光の粒子が暴風に飛ばされる雪片のように舞い、全てを凍りつかせていった。この建物はあたかも結晶化したように、煌めく光のオブジェと化す。
 光のオブジェは、粒子となり解体していく。私はその様をみながら、ついに意識を手放した。
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