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第14話「ライダースっていえば、ショットでしょ」【アキオ】
しおりを挟む僕は、あまりの展開に言葉を失いただ見守るばかりだ。
そのおとこは、黒い革のライダースジャケットを身に纏い、サングラスをかけている。
肉食獣の獰猛な気配を振りまいているが、しかしその表情にはどこか知的なものを感じさせた。
飛行機に変化するということを置いておいたにせよ、とても奇妙なおとこである。
「あんた、誰?」
ナツはその剥き出しにした刃の凶暴さを漂わすおとこと対峙しても臆するどころか、嘲るような笑みを浮かべていた。
おとこは、少し戸惑った表情を浮かべる。
「おれだ、カネダ・ハルオだよ。なんだ、記憶が戻ったんじゃないのか」
「知らないよ、あんたなんて。大体、なんでバンソンのライダースなんて着てるのよ」
ハルオと名乗ったおとこは、驚いた顔になる。
「ライダースっていえば、ショットでしょ」
「いや、つっこむところがそこかよ」
ナツはなぜか、勝ち誇った笑みを浮かべている。
ハルオは、流石に苦笑した。
「ショットって、ガキの着るもんだろ」
「ライダースが大体、ガキの着るものなのよ」
僕は、収拾つかなくなりそうなので、戸惑いつつもわってはいる。
「その、カネダさん」
「ハルオでいいよ」
ライダースのおとこは、憮然として言った。
「僕は、ナツの友人でトオノ・アキオと言います」
「知ってるよ」
ハルオの返したこたえは、驚くべきものだった。
「あんたが情報処理学会の会誌に発表したグリッド・コンピューティングの論文は読んだことあるぜ。今でも、参考にさせてもらってる」
目を丸くした僕に、ハルオは嘲るような笑みをなげかけた。
「P2Pの国家プロジェクトに、参画してると聞いていたが」
「あれは辞めたんです」
僕は、予想外の方向にいこうとする話の流れを強引に引き戻す。
「ハルオさん、あなたはこの事態を、説明してくださらないのですか?」
ハルオは、大きく息を吸って吐いた。
「まあ、そうだな。ナツを造ったのは、このおれなんだ」
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