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第17話「彼女自身よく判っていないことを、話そうとしている」【アキオ】
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ナツは、暫く沈黙した。
僕は、何も言わずにナツを見つめる。
ナツはやがて、照れたような笑みを浮かべた。
「何も憶えてないのよね、それが」
「3年前の記憶がないの?」
「いやいや」
ナツは、目の前で手をひらひらさせる。
「むしろ変わらぬ日常が続いていた記憶が、くっきりとあるの」
「うーん」
僕は、腕組みをする。
「もしかすると、君のその日常というのは、捏造され頭に無理やりインプットされた偽りの日常なんじゃないの?」
ナツは、大きく口を開けて笑う。
「そんなSF小説みたいなこと、あるわけないじゃん」
「えーと」
僕は、笑い声をあげるナツをじっと見つめる。
「ひとがF14の形をした飛行機に変形するのと、どっちがありえないと思う?」
「はあん?」
ナツは、なぜな不敵な笑いを見せる。
「じゃあさ、わたしはどこかの実験室から脱走した改造人間で、過去の記憶を組織の手によって改編されているってこと?」
「まあ、その可能性は否定できない」
「メイド・イン・オッカムの剃刀を出したほうがいいと思うけど、わたしの言ってることを検証する方法がひとつあるわね」
ナツは、腰に手をあて相変わらず自信たっぷりの表情で僕をみている。
「どうするの?」
ナツは、勝利宣言をする口調で言った。
「わたし、5年前からずっと同じ職場で働いているの」
ほう、と僕が口にしたのをみてナツはにやりとした。
「もし、わたしの記憶が捏造されていれば、その職場のひとはわたしの妄想の中に住むひとということになるよね」
「まあ、そうだね」
ナツは、大きく頷く。
「アキオがわたしの職場にきて、確かめればいいんじゃないかな。妄想かどうかを」
なるほどと僕が頷いた時、急にナツは遠くを見る目になった。
それは突然ナツが、見知らぬひとと入れ替わったのではないかと思うほど、こころがどこかにいってしまった表情だ。
数十秒その状態が続き僕が不安のあまり声をかけようとした時、ナツが突然もとの表情に戻り話をはじめる。
「そういうえば、丁度3年前くらいからはじまったことが、ひとつあるの」
「へぇ」
ナツは、不思議に謎めいた表情をしている。
多分、彼女自身よく判っていないことを、話そうとしているのだ。
僕は、自分の鼓動が少しはやくなるのを感じる。
「3年前から見続けている夢があってね」
「夢?」
僕は、少しがっかりしたような安堵したような感じを味わった。
「どんな夢なの?」
「うーん、少しばかり奇妙なんだけれど、ひとつの世界、同じ登場人物が出つづける連続した夢なんだよね」
そうしてナツは、夢の話を語りはじめた。
僕は、何も言わずにナツを見つめる。
ナツはやがて、照れたような笑みを浮かべた。
「何も憶えてないのよね、それが」
「3年前の記憶がないの?」
「いやいや」
ナツは、目の前で手をひらひらさせる。
「むしろ変わらぬ日常が続いていた記憶が、くっきりとあるの」
「うーん」
僕は、腕組みをする。
「もしかすると、君のその日常というのは、捏造され頭に無理やりインプットされた偽りの日常なんじゃないの?」
ナツは、大きく口を開けて笑う。
「そんなSF小説みたいなこと、あるわけないじゃん」
「えーと」
僕は、笑い声をあげるナツをじっと見つめる。
「ひとがF14の形をした飛行機に変形するのと、どっちがありえないと思う?」
「はあん?」
ナツは、なぜな不敵な笑いを見せる。
「じゃあさ、わたしはどこかの実験室から脱走した改造人間で、過去の記憶を組織の手によって改編されているってこと?」
「まあ、その可能性は否定できない」
「メイド・イン・オッカムの剃刀を出したほうがいいと思うけど、わたしの言ってることを検証する方法がひとつあるわね」
ナツは、腰に手をあて相変わらず自信たっぷりの表情で僕をみている。
「どうするの?」
ナツは、勝利宣言をする口調で言った。
「わたし、5年前からずっと同じ職場で働いているの」
ほう、と僕が口にしたのをみてナツはにやりとした。
「もし、わたしの記憶が捏造されていれば、その職場のひとはわたしの妄想の中に住むひとということになるよね」
「まあ、そうだね」
ナツは、大きく頷く。
「アキオがわたしの職場にきて、確かめればいいんじゃないかな。妄想かどうかを」
なるほどと僕が頷いた時、急にナツは遠くを見る目になった。
それは突然ナツが、見知らぬひとと入れ替わったのではないかと思うほど、こころがどこかにいってしまった表情だ。
数十秒その状態が続き僕が不安のあまり声をかけようとした時、ナツが突然もとの表情に戻り話をはじめる。
「そういうえば、丁度3年前くらいからはじまったことが、ひとつあるの」
「へぇ」
ナツは、不思議に謎めいた表情をしている。
多分、彼女自身よく判っていないことを、話そうとしているのだ。
僕は、自分の鼓動が少しはやくなるのを感じる。
「3年前から見続けている夢があってね」
「夢?」
僕は、少しがっかりしたような安堵したような感じを味わった。
「どんな夢なの?」
「うーん、少しばかり奇妙なんだけれど、ひとつの世界、同じ登場人物が出つづける連続した夢なんだよね」
そうしてナツは、夢の話を語りはじめた。
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