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第22話「美しさの裏に、死に向かう痛みが潜んでいるような赤」【ナツ】
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海の遠くで輝く、赤い光。
それはなんだか美しいけれど、不吉な感じに見える。
なんていうか、誰かが流した血の輝き。
美しさの裏に、死に向かう痛みが潜んでいるかのような。
そんな気が、していた。
フユカは、夜明けの金色を宿した髪を揺らめかせながら、くるくる舞って踊る。
わたしは、機嫌よくはしゃぐフユカを抱きとめて、立ち上がった。
フユカを抱くと、さらに愛おしさがこみあげるの。
わたしは、その黒い肌に頬ずりした。
フユカは、楽しそうに声をあげて笑う。
おとこのひとは、遠くの赤い光を見つめながら言った。
「目覚めようとしているみたいだ」
わたしは、驚いておとこのひとを見た。
何が目覚めるって、いうんだろう。
「あれは、遠い記憶のようなもの。古に流された血の記憶」
ふうん、なんだか不幸な歴史でもあるんだろうか。
「あれが押し寄せてくると、すべてが飲み込まれてしまう」
わたしは、抱きしめていたフユカを地面に戻す。
フユカは歓声をあげて海に向かって走っていくと、波に追いかけられて戻ってくる。
フユカは笑い叫びながら、それを繰り返す。
わたしは、おとこのひとに真っ直ぐ向き直った。
「どうすれば、いいのかな」
おとこのひとは、優しい笑みを浮かべる。
「今はまだ、考えなくてもいいと思う」
おとこのひとは、遠くを見るような目でわたしたちを見た。
「予言が、ある。ファティマの予言だ」
その奇妙な言葉を、わたしはなぜか理解していた。
いわゆる、夢のロジックというやつなんだろう。
「君たちは、否応なくその予言に巻き込まれる。黒い翼を持つものとしてね。だから」
おとこのひとは、少し物憂げにしめくくる。
「その時がくるまで、考えることはない。その時がきてから考えたても、十分なんだ」
まあ、そうなんだろう。
その赤い光はとても遠くにあり、血の雫程度の大きさしかない。
それが記憶というなら、こころの片隅でちらりとよぎった程度のものじゃないのかな。
ここにはまだ、静寂と平穏がある。
それは、揺ぎの無いもののようにさえ、わたしには思えた。
わたしは波打ち際ではしゃいでいるフユカを、もう一度抱き上げる。
とても暖かい気持ちに、わたしは満たされていくの。
そうして、不吉な赤い輝きは、わたしのこころから消え去っていく。
それはなんだか美しいけれど、不吉な感じに見える。
なんていうか、誰かが流した血の輝き。
美しさの裏に、死に向かう痛みが潜んでいるかのような。
そんな気が、していた。
フユカは、夜明けの金色を宿した髪を揺らめかせながら、くるくる舞って踊る。
わたしは、機嫌よくはしゃぐフユカを抱きとめて、立ち上がった。
フユカを抱くと、さらに愛おしさがこみあげるの。
わたしは、その黒い肌に頬ずりした。
フユカは、楽しそうに声をあげて笑う。
おとこのひとは、遠くの赤い光を見つめながら言った。
「目覚めようとしているみたいだ」
わたしは、驚いておとこのひとを見た。
何が目覚めるって、いうんだろう。
「あれは、遠い記憶のようなもの。古に流された血の記憶」
ふうん、なんだか不幸な歴史でもあるんだろうか。
「あれが押し寄せてくると、すべてが飲み込まれてしまう」
わたしは、抱きしめていたフユカを地面に戻す。
フユカは歓声をあげて海に向かって走っていくと、波に追いかけられて戻ってくる。
フユカは笑い叫びながら、それを繰り返す。
わたしは、おとこのひとに真っ直ぐ向き直った。
「どうすれば、いいのかな」
おとこのひとは、優しい笑みを浮かべる。
「今はまだ、考えなくてもいいと思う」
おとこのひとは、遠くを見るような目でわたしたちを見た。
「予言が、ある。ファティマの予言だ」
その奇妙な言葉を、わたしはなぜか理解していた。
いわゆる、夢のロジックというやつなんだろう。
「君たちは、否応なくその予言に巻き込まれる。黒い翼を持つものとしてね。だから」
おとこのひとは、少し物憂げにしめくくる。
「その時がくるまで、考えることはない。その時がきてから考えたても、十分なんだ」
まあ、そうなんだろう。
その赤い光はとても遠くにあり、血の雫程度の大きさしかない。
それが記憶というなら、こころの片隅でちらりとよぎった程度のものじゃないのかな。
ここにはまだ、静寂と平穏がある。
それは、揺ぎの無いもののようにさえ、わたしには思えた。
わたしは波打ち際ではしゃいでいるフユカを、もう一度抱き上げる。
とても暖かい気持ちに、わたしは満たされていくの。
そうして、不吉な赤い輝きは、わたしのこころから消え去っていく。
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