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第十話
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おれは、スイッチを消す。
夜が全てを支配した。
凍りつくような冷気が部屋を満たす。
闇が凝固してゆく。
タンニングマシンの上部が開き、おんなが立ち上がった。
輝く月のように白いおんなの肌は。
あたりを蹂躙するように、蒼ざめた光を撒き散らしており。
夜の闇よりも昏く、深いそのひとみは。
漆黒の剣となりおれを貫いていた。
その顔をおれは知っている。
おれが愛して、おれが殺したおんな。
その心臓に木の杭をつきたてるという時代錯誤じみたやりかたで殺したおんな。
ああ、おれはそのおんなにどうしようもなく魅了され。
それでも、おれはおんなの住まう世界へとは踏み込むことができず。
愚かにも。
惨めにも。
おれは、おれの現実へと逃げ帰ってゆき。
おんなの住まう輝かしい幻想ごとおれは。
そう、おれは、殺したのだ。
今再びおれが、四五四カスールを使ってそうするように。
スーパーレッドホーク・アラスカンは落雷のように派手な銃声を届かせた。
おんなの額に真紅の薔薇を思わせる紅い血が花開き、おんなの美しい。
そう、大輪の花が開いたように美しい笑みを真っ赤に染め上げた。
おんなは、汗を拭うようにあっさりその血をふき取ると、紅く染まったままの口を開く。
「銀の銃弾を使うなんてさすがね、愛しいひと。でもだめよ」
おんなは果実のように優美な膨らみを見せる自身の胸を指し示す。
「ここを撃ちなさいよ。心臓のあるとこ」
おれが狙いを変えようとしたその瞬間に手から銃はもぎとられ、おんなの手の中で鉄屑と化した。
「さあ、いらっしゃい。愛しいひと」
驚いたことにおれの身体はおれの意思に反して、一歩前へと踏み出していた。
おんなは満足げに頷く。
「わたしとあなたが最後にかわした口付けを覚えているかしら」
おんなはくすくす笑った。
「そ、あのときにね。わたしはあなたに血を飲ませたの」
おれはおんなの抱擁に身を委ねながら。
真っ黒い快楽に飲み込まれていった。
「三年かかったわね。あたしが身体を再生するのと。あなたの身体を造りかえるのに。あなたはもう、立派な夜の眷属」
おれはおんなの口付けをうける。
それはおれの現実のスイッチを。
そっとオフにした。
夜が全てを支配した。
凍りつくような冷気が部屋を満たす。
闇が凝固してゆく。
タンニングマシンの上部が開き、おんなが立ち上がった。
輝く月のように白いおんなの肌は。
あたりを蹂躙するように、蒼ざめた光を撒き散らしており。
夜の闇よりも昏く、深いそのひとみは。
漆黒の剣となりおれを貫いていた。
その顔をおれは知っている。
おれが愛して、おれが殺したおんな。
その心臓に木の杭をつきたてるという時代錯誤じみたやりかたで殺したおんな。
ああ、おれはそのおんなにどうしようもなく魅了され。
それでも、おれはおんなの住まう世界へとは踏み込むことができず。
愚かにも。
惨めにも。
おれは、おれの現実へと逃げ帰ってゆき。
おんなの住まう輝かしい幻想ごとおれは。
そう、おれは、殺したのだ。
今再びおれが、四五四カスールを使ってそうするように。
スーパーレッドホーク・アラスカンは落雷のように派手な銃声を届かせた。
おんなの額に真紅の薔薇を思わせる紅い血が花開き、おんなの美しい。
そう、大輪の花が開いたように美しい笑みを真っ赤に染め上げた。
おんなは、汗を拭うようにあっさりその血をふき取ると、紅く染まったままの口を開く。
「銀の銃弾を使うなんてさすがね、愛しいひと。でもだめよ」
おんなは果実のように優美な膨らみを見せる自身の胸を指し示す。
「ここを撃ちなさいよ。心臓のあるとこ」
おれが狙いを変えようとしたその瞬間に手から銃はもぎとられ、おんなの手の中で鉄屑と化した。
「さあ、いらっしゃい。愛しいひと」
驚いたことにおれの身体はおれの意思に反して、一歩前へと踏み出していた。
おんなは満足げに頷く。
「わたしとあなたが最後にかわした口付けを覚えているかしら」
おんなはくすくす笑った。
「そ、あのときにね。わたしはあなたに血を飲ませたの」
おれはおんなの抱擁に身を委ねながら。
真っ黒い快楽に飲み込まれていった。
「三年かかったわね。あたしが身体を再生するのと。あなたの身体を造りかえるのに。あなたはもう、立派な夜の眷属」
おれはおんなの口付けをうける。
それはおれの現実のスイッチを。
そっとオフにした。
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