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第二章
誰?
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父上に招待したい人と言われたけれど、あまり社交的でない僕が招待できるのはエイドリアンとエリックくらいだ。
あ、それともし来てもらえるのなら、レオお兄さまも招待したい。そうするとタイソンも。
でもこれじゃエリックが楽しめないかな?
としたら、フローラ嬢やキャトリン嬢も呼んでみようか。でも来てくれるかな?
「……ン、ショーン?」
「は、はいっ」
今は馬車に揺られて登校中だ。招待客のことであれこれ考えていたら、兄上に話しかけられているのにも気がつかなかった。
「何か考え事か?」
「あ、はい。昨日父上から、誕生日パーティーに招待したい人がいれば考えておくようにと言われたので」
「ああ、そうだったな。もちろんエイドリアンやエリックは呼ぶんだろう?」
「はい。それにフローラ嬢たちやレオお兄様たちもどうかなと思ってるんですけど」
「いいんじゃないか? レオなんか、ショーンに招待されたらきっと喜ぶだろう」
「そうでしょうか」
「ああ。可愛い弟ができるって、喜んでるくらいだからな」
レオお兄様って、冷たい風貌に似合わず気持ちの温かい人なんだよな。
可愛い弟だなんて……。何度聞いても照れ臭くて嬉しい響きだ。
馬車が止まり、学園に着いた。
僕らが降りると、いつものように先に着いていたエイドリアンが来てくれた。
「おはよう、今日もかわいいな」
「えっ、……おはようございます。エイドリアンもかっこいいですよ」
ぼくの返答にエイドリアンは一瞬目を見開いて、それからうれしそうに表情を崩した。
そして当然のように僕の肩を抱き寄せる。
兄上はちらりと視線を向けたあと、「先に行ってる」と言って速足で歩いていった。
その遥か先にレオお兄様が歩いているのが見えて、兄上が急いでいる理由を察した。
「兄上たち、本当に仲いいですね」
「俺たちもな」
「あ、はい、もちろんそうです」
最近はこういうやりとりにも慣れてきた。
自分の気持ちを素直に肯定するのはちょっと恥ずかしいと思うけど、でもエイドリアンがそれでうれしそうな顔をするのならいいんじゃないかなって思えるようになってきたんだ。
歩きながら誕生日パーティーのことを思い出して、エイドリアンを招待したいんだけどと言おうと思い顔を見上げた。
「……わっ、……ョーン……と……ドリアン様の……がだ!」
「……か。……ぐな、……ったらどう……」
……え?
ホカホカとした気持ちだったのが一気に冷めた。僕とエイドリアンのことを妬んでる人たちだ、きっと。
エイドリアンも同じことを考えたようで、顔色を変えて声がするほうへ振り向いた。
だけど相手もすぐに察して口を閉ざし、こちらを見てる人もいなかったので誰が僕らのことを詰っていたのか分からなかった。
あ、それともし来てもらえるのなら、レオお兄さまも招待したい。そうするとタイソンも。
でもこれじゃエリックが楽しめないかな?
としたら、フローラ嬢やキャトリン嬢も呼んでみようか。でも来てくれるかな?
「……ン、ショーン?」
「は、はいっ」
今は馬車に揺られて登校中だ。招待客のことであれこれ考えていたら、兄上に話しかけられているのにも気がつかなかった。
「何か考え事か?」
「あ、はい。昨日父上から、誕生日パーティーに招待したい人がいれば考えておくようにと言われたので」
「ああ、そうだったな。もちろんエイドリアンやエリックは呼ぶんだろう?」
「はい。それにフローラ嬢たちやレオお兄様たちもどうかなと思ってるんですけど」
「いいんじゃないか? レオなんか、ショーンに招待されたらきっと喜ぶだろう」
「そうでしょうか」
「ああ。可愛い弟ができるって、喜んでるくらいだからな」
レオお兄様って、冷たい風貌に似合わず気持ちの温かい人なんだよな。
可愛い弟だなんて……。何度聞いても照れ臭くて嬉しい響きだ。
馬車が止まり、学園に着いた。
僕らが降りると、いつものように先に着いていたエイドリアンが来てくれた。
「おはよう、今日もかわいいな」
「えっ、……おはようございます。エイドリアンもかっこいいですよ」
ぼくの返答にエイドリアンは一瞬目を見開いて、それからうれしそうに表情を崩した。
そして当然のように僕の肩を抱き寄せる。
兄上はちらりと視線を向けたあと、「先に行ってる」と言って速足で歩いていった。
その遥か先にレオお兄様が歩いているのが見えて、兄上が急いでいる理由を察した。
「兄上たち、本当に仲いいですね」
「俺たちもな」
「あ、はい、もちろんそうです」
最近はこういうやりとりにも慣れてきた。
自分の気持ちを素直に肯定するのはちょっと恥ずかしいと思うけど、でもエイドリアンがそれでうれしそうな顔をするのならいいんじゃないかなって思えるようになってきたんだ。
歩きながら誕生日パーティーのことを思い出して、エイドリアンを招待したいんだけどと言おうと思い顔を見上げた。
「……わっ、……ョーン……と……ドリアン様の……がだ!」
「……か。……ぐな、……ったらどう……」
……え?
ホカホカとした気持ちだったのが一気に冷めた。僕とエイドリアンのことを妬んでる人たちだ、きっと。
エイドリアンも同じことを考えたようで、顔色を変えて声がするほうへ振り向いた。
だけど相手もすぐに察して口を閉ざし、こちらを見てる人もいなかったので誰が僕らのことを詰っていたのか分からなかった。
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