悪行を重ねた令息は断罪されたくないので生き方を変えました。誰の愛も欲しがらないと決めたのに、様子がなんだか変なんです

くるむ

文字の大きさ
62 / 122
第二章

初めてのゲーム

しおりを挟む
 兄上の部屋に入ると、少し大きめの紙がテーブルの上に置かれていた。なにやら手書きされているようだ。
 
「エイドリアンの提案で、みんなでできるゲームを自作してみたんだ」
「2人でやるものより、大勢でできた方が楽しいからな。で、せっかくだからちょっと考えてみようかってことになったんだ」

 あ、みんなでこそこそしていたのはこういうことだったんだ。……もしかして、僕がゲームをしたことないって言ったから、エイドリアンが気にしてくれたんだろうか?
 ちらりとエイドリアンに視線を送れば、目が合って微笑まれた。

 ああ、やっぱりそうなんだな。エイドリアンにはいつも気持ちを温かくしてもらっている。僕も同じように返してあげることができているんだろうか?

「内容は簡単なんだ。この二個のダイスを振って出た目の数だけ進んでいって、早くゴールした人が勝ちだよ」
 エリックに言われて見てみると、一回休みとか3マス進むとか色々と書かれている。

「生まれたところから始まるんだね。しかもいろんな案が出てる。面白いな誰が考えたの?」
「みんなで意見を出し合っているうちに、なんとなくね。だけど生まれたところから始めようって言ったのはエリックだよ」
「いやー、なんとなくその方が面白いかなと思ったんですよ」

「じゃあ順番決めるから、この紙引いて」
 兄上が、8枚の細い紙を握っている。下の方に番号が書かれていて、ダイスを振る順番を決めるらしい。
 結果、兄上、エリック、タイソン、僕、キャトリン嬢、レオお兄様、フローラ嬢、エイドリアンの順番となった。

「じゃあ、振るぞ」
 1と2で合計3。兄上は、ちょっぴり不満そうな顔をした。進めた先には何の指示もなく、そのままそこにとどまる。
 次に投げたエリックは、6と1で合計7。おしめが取れたので1個進むと書かれていたので駒をもう一つ進めた。

 なんだかワクワクしてきたぞ。タイソンは駒を4つ進めて今度は僕の番だ。えいっと振って合計は9。はいはいできたのでご褒美にキャンディと書いてあった。兄上が、テーブルに置かれていた缶の中からキャンディを一つ取って僕に渡した。

 お、美味しい。こんなご褒美もあるんだ。
 ゲームって初めてやるけど、思った以上に楽しいものなんだな。
しおりを挟む
感想 90

あなたにおすすめの小説

愛などもう求めない

一寸光陰
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

たまとら
BL
赤い糸が見えるキリルは、自分には糸が無いのでやさぐれ気味です

お前が結婚した日、俺も結婚した。

jun
BL
十年付き合った慎吾に、「子供が出来た」と告げられた俺は、翌日同棲していたマンションを出た。 新しい引っ越し先を見つける為に入った不動産屋は、やたらとフレンドリー。 年下の直人、中学の同級生で妻となった志帆、そして別れた恋人の慎吾と妻の美咲、絡まりまくった糸を解すことは出来るのか。そして本田 蓮こと俺が最後に選んだのは・・・。 *現代日本のようでも架空の世界のお話しです。気になる箇所が多々あると思いますが、さら〜っと読んで頂けると有り難いです。 *初回2話、本編書き終わるまでは1日1話、10時投稿となります。

侯爵令息は婚約者の王太子を弟に奪われました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか

まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。 そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。 テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。 そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。 大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。 テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。

優秀な婚約者が去った後の世界

月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。 パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。 このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。

処理中です...