幼児化した闇魔術士は聖騎士に溺愛される

くるむ

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第一章

魔道具!?

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 どういうわけか、夜寝る時はウィルが添い寝をするものと決まってしまったようだった。はなはだ不本意ではあるものの、びっくりするくらい熟睡できるので絶対いやだと拒否できなくなっていた。

 しかし……。
 大の男にホールドされて、なんで俺は熟睡なんてできるんだ。

「んー、起きたのか? おはよう」
「……はよう」

 ぎゅむむと俺を抱く腕の力が強くなった。

「うっとうしい」
 離せという思いから、体を左右に捩った。余計にウィルの力が強まる。なんだこいつは。

「ルアーン、悲しいこと言うなよ」
「いいから! もうおきるんだろう。うっとうしいからはなせよ」
「こんなにかわいいのに言葉は辛辣だ」
「ああ?」

 ちっこくなったのはお前のせいだろうと不機嫌な声を出したのに、なぜか楽しそうに笑われた。
「ルアン。君はもう私の家族だからな」
「えっ?」
 
 思いもよらない言葉にぽかんとウイルを見つめていたら、頭をわしゃわしゃとされた。

「そろそろ起きるとするか。ルアンはゆっくりしてるといい」

 じゃあなと手を上げて、ウィルは部屋を出て行った。

 はあ?
 家族? はあああ?

 嘘だろ。
 どっきんどっきんバックンバックンって心臓がでっかい音を鳴らしてる。
 おまけに顔が熱い。しかも嬉しいなんて思ってしまってる。

 馬鹿だろ?
 俺は、信じられない馬鹿だ。



 リースに着替えを手伝ってもらいウイルを送りだして、それからまたリースの膝の上でご飯を食べた。
 俺には似合わない恥ずかしい行動が続いているけれど、なんとか我慢だ。

 世話になっているから仕方がないという思いもあるけれど、俺を見るみんなの目が優しくて、文句を言う気が削がれるというのが本音かもしれない。
 
「ウィルフレッド様の心配もわかるから何とも言えないけど、ルアン様もずっと屋敷の中にこもるのも窮屈ですよね」

 リースの言葉に、俺は思いっきりうんうんと大きく頷いた。

「魔道具でなんとかできると面白いのだけどね」

 何? 魔道具?

「そういえばメイド長の娘さんのお婿さんは、魔道具作りのお仕事をしていましたね」
「ああ、変わった婿だけどね。腕は立つから顧客は結構ついてるんだよ」
「そ、それでめのいろをかえるまどうぐなんてできるのか?」

 前のめりになりすぎたのかリースが目を丸くした。マーサも目をパチパチとさせる。

「いいアイディアですね。ウィルフレッド様に相談してOKが出たら頼んでみましょう」
「ほんとうか? ありがとう!」

 町にいい思い出なんてなかったけど、だけど本当は憧れていた。母親に手を引かれ、友達と楽しくおしゃべりしながら、恋人と嬉しそうに、さまざまな形で楽しそうに歩いている人たちを。
 一度でいいから俺もあんなふうに街を歩いてみたかった。俺はいつも、見つかれば罵られ追いかけ回され石を投げられるような事しかなかったから。
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