最強美人が可愛い過ぎて困る

くるむ

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第一章

恋人だから

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「……それって、俺のこと好きだって思ってくれてるって解釈して構いませんか?」

恐る恐る切り出してみた。
だって、都合がいいと思われるかもしれないけど、どうしても俺にはそう聞こえてしまったから。

「――間違ってない。そういうことだ……」

相変わらず目を伏せた状態で、それ以上に少し顔を背けての告白。
だけど、髪の隙間から見える赤くなった耳が御影さんの気持ちをちゃんと表してくれていて、俺の気持ちはぐんぐん上昇した。

「じゃあ、俺と付き合ってください! 俺、御影さんと一緒に……。ええっと、御影さんの一番近くにいたいです」

照れて顔を背けているのかもしれないけど、ちゃんと俺に顔を見せて欲しくって、俺は御影さんの両手を俺の両手でギュッと覆って握りしめ引き寄せた。

俺の突然の行動にびっくりしたんだろう。御影さんはハッとしたように顔を上げて、俺と目を合わせる。
だけどすぐにその大きく見開いた目を細めて、穏やかな笑顔を浮かべた。

「……ああ。いいよ」

きゅうんっ、と胸が甘く痛んだ。

御影さんのホッとしたような穏やかな表情が、微かではあっても喜んでいてくれるのが伝わってじわじわと幸せが満ちてくる。


御影さんは本人が気にしているように確かに表情は乏しいけれど、それでもちゃんと気持ちを伝えれば、こうやってしっかり向き合ってくれるんだ。
そういう些細な事を知ることすら俺にとっては貴重なことだ。

そうやって一つ、また一つと御影さんに対する思いが膨らんでくるんだ。

「御影さん……」

握っていた掌を解放して、その代わりに御影さんの背中に腕を回した。
御影さんはやっぱりちょっと驚いたようだったけど、すぐに自分も俺の背中に腕を回して俺が抱きしめることを許可してくれた。

「……御影さんをこうして抱きしめられるなんて夢見たいです」
「――恋人だからな。……当然だろ?」


はうっ!!
こ、恋人……!!


御影さんのその一言で、俺の中の血が一気に逆流するようにバクバクと激しく心臓が動き出す。
その俺の音に釣られたかのように、御影さんの方からも激しい心臓の音が流れ込んできた。



……うれしすぎる。


奇跡のような幸せに、俺は御影さんを抱く腕にギュッと力を込めていた。

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