最強美人が可愛い過ぎて困る

くるむ

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第三章

15分の帰り道

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「そう言えば御影さんの家はどちらですか? 俺は品浦川なんですが」
「俺は坂田だ」
「え!? あ~、それじゃ全くの反対方向ですね」
「そうだな。朝合流した地点が分かれ道だな」
「は~っ」

俺は大きくため息を吐いた。

なんてこった。それじゃあ一緒に帰っても、たったの15分しか一緒にいられないんじゃないか。

「……ちょっと野望を抱いてたんですけどね」
「野望?」
「はい。再来週には中間考査があるでしょう? 一緒に勉強するのを口実に、俺んち来ませんかーって誘おうと思ってたんですよ」

思ってはいたけど、言葉にできるとは正直思ってはいなかった。

ちゃんと御影さんと向き合うことが出来て本当に良かった。そうでなきゃ、こんな邪だらけのお願いを口にしたりなんかとてもじゃないけど出来ない。

「……ああ」

御影さんはちょっぴり目を大きくして、何かを考える表情に変わった。

「お前らの部も、来週は休みになるのか?」
「はい。試験に向けて勉強するようにとのことでした」
「そうか。……まあこの学校のモットーは文武両道だもんな」
「そうなんですか?」
「ああ。……そうだ、蒼空。来週は、放課後に一緒に図書館で勉強するか?」
「図書館で? はい! はい、します! 御影さんと一緒にいられるんならなんでも!」

今までの焦心していた俺はどこへやら。意気込んで言う俺に、御影さんは静かに笑みを湛えた。


……ドキドキした。

こんなふうに笑う御影さんの静かな笑顔は可憐さを増して、俺の気持ちを簡単に幸せの中に放り込んでくれる。
好きなんだよなあ、本当に。

さっきとは真逆で、幸せの余韻に浸りながら同じ帰り道をゆっくりと歩く。
薄暗い夜道も、2人でいるだけでまったく別の顔を見せてくれていた。


「そうだ、明日は土曜だけど部活はあるんだろう?」
「はい、あります」

「部活は何時までなんだ?」
「俺らは3時で終了ですけど」
「なんだ、一緒だな。……その後、遊びに行くか?」
「はっ、はい是非!!」

大声を出して御影さんの両手を握り締めた俺に、御影さんはさっきよりも楽しそうに笑ってくれた。
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