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第二章
自称ライバル登場
俺の間抜けな顔を数秒見続けた後、駿介がこの場の空気を変えるように表情を一変させた。
「そろそろ飯の時間だろ、食堂に行くか」
「え、あ、うん。あっ……、でも青島はいいの?」
「信也か? 別にあいつと毎日飯を食うとは決まってない。都合が合えば一緒に食うけど」
「そ、そうなんだ」
「ほら、行こう。時間がずれると混むぞ」
「……わかった」
はっきり言って俺の頭の中はぐちゃぐちゃだった。駿介を応援するぞと思っていた矢先に、あろうことかその相手が俺に変わっていたなんて……。
しかも攻めていくだなんて。
「…………」
ど、どうしよう。さっきの色っぽい駿介に攻め続けられたら、俺絶対変になっちゃうよ。
「真紀」
「え、何?」
呼ばれて見上げた駿介の顔は真顔だ。ドキンと小さく心臓が鳴った。
「お前さ……」
「うん」
「…………」
「何?」
俺に何を聞きたいのか、駿介はそれを言うのに躊躇しているように見える。先の言葉を催促するように駿介の顔を見続けていると、駿介は頭を掻いた後ふうっと一つ息を吐いた。
「真紀は、好きな奴はいるのか?」
「え? 俺? いないよ!」
思わず力強く否定してしまった。なんだろう、すごく反射的に言葉が出てしまっていた。
「そうか……。そっか」
駿介の心底ホッとしたような表情に、俺の胸がキュウンと痛む。
俺のこの気持ちは何だろう? 駿介には誰よりも、一番幸せになってもらいたいと思うけど、その相手が俺だなんて考えた事もない。
だけど……。
「あれ? 稲積も今から夕飯か?」
あ、あいつ! あのキリッとしたイケメンぶりと横柄なあの感じ。自称駿介のライバル、谷口芳徳か?
「ああ」
「……珍しい奴と一緒だな」
「そうか? 同じクラスだ。普通だろ?」
「ふうん……」
背の高い谷口が、体を折り曲げて俺の顔を覗き込んだ。俺の脳裏に、小説の中での光景が浮かぶ。樹の立ち位置が今の俺になっている。
……これ、ヤバくね? 谷口って俊介と張り合うあまり、駿介が気に入っていると思う相手にいろいろとちょっかい掛けて来ていたもんな。小説の中では、樹にエロいこと仕掛けようと画策してたし。
俺は思わず駿介の背中側のシャツを掴み後ずさった。駿介も不躾な谷口の態度に眉をしかめる。
「谷口」
諭すような警戒するような駿介の声音に、谷口が顔を上げる。口角を上げたその表情は、まるで悪戯好きの子供が玩具を見付けた時の様なそんなヤバいものが見て取れた。
「そろそろ飯の時間だろ、食堂に行くか」
「え、あ、うん。あっ……、でも青島はいいの?」
「信也か? 別にあいつと毎日飯を食うとは決まってない。都合が合えば一緒に食うけど」
「そ、そうなんだ」
「ほら、行こう。時間がずれると混むぞ」
「……わかった」
はっきり言って俺の頭の中はぐちゃぐちゃだった。駿介を応援するぞと思っていた矢先に、あろうことかその相手が俺に変わっていたなんて……。
しかも攻めていくだなんて。
「…………」
ど、どうしよう。さっきの色っぽい駿介に攻め続けられたら、俺絶対変になっちゃうよ。
「真紀」
「え、何?」
呼ばれて見上げた駿介の顔は真顔だ。ドキンと小さく心臓が鳴った。
「お前さ……」
「うん」
「…………」
「何?」
俺に何を聞きたいのか、駿介はそれを言うのに躊躇しているように見える。先の言葉を催促するように駿介の顔を見続けていると、駿介は頭を掻いた後ふうっと一つ息を吐いた。
「真紀は、好きな奴はいるのか?」
「え? 俺? いないよ!」
思わず力強く否定してしまった。なんだろう、すごく反射的に言葉が出てしまっていた。
「そうか……。そっか」
駿介の心底ホッとしたような表情に、俺の胸がキュウンと痛む。
俺のこの気持ちは何だろう? 駿介には誰よりも、一番幸せになってもらいたいと思うけど、その相手が俺だなんて考えた事もない。
だけど……。
「あれ? 稲積も今から夕飯か?」
あ、あいつ! あのキリッとしたイケメンぶりと横柄なあの感じ。自称駿介のライバル、谷口芳徳か?
「ああ」
「……珍しい奴と一緒だな」
「そうか? 同じクラスだ。普通だろ?」
「ふうん……」
背の高い谷口が、体を折り曲げて俺の顔を覗き込んだ。俺の脳裏に、小説の中での光景が浮かぶ。樹の立ち位置が今の俺になっている。
……これ、ヤバくね? 谷口って俊介と張り合うあまり、駿介が気に入っていると思う相手にいろいろとちょっかい掛けて来ていたもんな。小説の中では、樹にエロいこと仕掛けようと画策してたし。
俺は思わず駿介の背中側のシャツを掴み後ずさった。駿介も不躾な谷口の態度に眉をしかめる。
「谷口」
諭すような警戒するような駿介の声音に、谷口が顔を上げる。口角を上げたその表情は、まるで悪戯好きの子供が玩具を見付けた時の様なそんなヤバいものが見て取れた。
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