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第二章
こいつは誰だ 2
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……何だかなあ。
どうも気になる、あの感じ。駿介への接近の仕方とか、インパクトがあり過ぎて設定外の話しとは思えない。だけどあんなキャラにあの名前、小説内には存在していないと断言できる。
それに媚びっての? 駿介を見つめるその顔が、無駄にキラキラしていて何だか癪に障る。
「……くくっ」
「信也?」
こんな時に忍び笑いを見せる青島に、駿介が怪訝な顔をした。
「いや、何でもない」
そう言って笑いながら、青島はチラリとこちらに視線を向けた。
……なんだ?
深刻な雰囲気の三森との話が済んだことで、駿介目当ての他のやつらが話し掛け始めた。
「駿介先輩、運動会に出る種目とか決まりましたか?」
「え? ああ、決まったよ」
「何に出るんですか? あ、もしかしてスウェーデンリレーとかですか?」
「ああ。よく分かったな」
「そりゃ、分かりますよ。駿介先輩、運動神経抜群だもん。な?」
そいつの言葉にみんな同意して頷く。みんなから尊敬の念で見られて、駿介も満更ではないようだった。
「で、もう一つ出るんだよな」
「綱引き以外にですか?」
「そう、そう」
楽しそうに頷く青島に、嫌な予感しかしない。余計なことを言うなよという思いを込めて青島をじっと見ていたら、目が合った。
目が合ったこいつは、薄らと楽しそうな笑みを浮かべる。……おい!
青島は頼りになる奴だし基本信頼出来る奴だけど、意地が悪い。Sっ気があるんだよ!
「こいつら二人で二人三脚に出るんだよ。応援してやってな」
「ええっ!?」
悲鳴というか非難というか、そんな絶叫の後に皆がいっせいにこちらを見た。
「……ちょっと、青島!」
だいたい皆のこういう反応くらい想像ついてただろうに。この面白がりの性格、どうにかならないのか?
グイッ!
青島に気を取られていたら、突然肩を引き寄せられてビックリした。
「全力で楽しんでやるのが運動会の醍醐味だ。俺らも頑張るから、皆も楽しんで頑張れよ」
爽やかに笑う駿介に対し、皆は複雑な笑顔で返した。あからさまに俺に文句を言い、駿介に嫌われるのを恐れたんだろう。それは三森も同じだった。
だけど彼が他のやつらと違うのは、俺に対する眼差しだ。その三森の、俺を探るような冷たい視線。
だいたい谷口の存在だけでゲンナリなのに、こんな訳の分からない奴のことなんかで悩みたくない。
そっと溜息を吐く俺を、三森は素知らぬ振りで窺い続けた。
どうも気になる、あの感じ。駿介への接近の仕方とか、インパクトがあり過ぎて設定外の話しとは思えない。だけどあんなキャラにあの名前、小説内には存在していないと断言できる。
それに媚びっての? 駿介を見つめるその顔が、無駄にキラキラしていて何だか癪に障る。
「……くくっ」
「信也?」
こんな時に忍び笑いを見せる青島に、駿介が怪訝な顔をした。
「いや、何でもない」
そう言って笑いながら、青島はチラリとこちらに視線を向けた。
……なんだ?
深刻な雰囲気の三森との話が済んだことで、駿介目当ての他のやつらが話し掛け始めた。
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「そう、そう」
楽しそうに頷く青島に、嫌な予感しかしない。余計なことを言うなよという思いを込めて青島をじっと見ていたら、目が合った。
目が合ったこいつは、薄らと楽しそうな笑みを浮かべる。……おい!
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「こいつら二人で二人三脚に出るんだよ。応援してやってな」
「ええっ!?」
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グイッ!
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だけど彼が他のやつらと違うのは、俺に対する眼差しだ。その三森の、俺を探るような冷たい視線。
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