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第二章
やっぱり俺は腐男子ww
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「できればそういう可愛いセリフは、俺と二人っきりの時だけにしてくれないかな」
「え?」
か、可愛いって……。
ああそうか。駿介的にはこういうセリフ、可愛い範疇に入るんだな。
「さあ、行こうか。のんびりしてたら遅刻する」
「うん、急ごう」
揃って教室に行くと、やはりと言うべきか結構な人にじろじろと見られてしまった。それでもクラスのみんなは、駿介が二人三脚の競技に俺を選んだのを知っていたので、なんとなく納得するものがあったのだろう。それほど驚く奴はいなかった。
……だけど、やっぱり面白くないと思っている奴は多いようだ。駿介が傍にいない時の、視線の痛いこと痛いこと。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「真紀、飯食いに行こうぜ」
午前の授業が終わってすぐに、駿介が当前のように俺の席にやって来た。一番仲のいい奴はお前だと言ってもらっているようで、なんだか照れる。
「うん」
自然と樹や良介、それに青島も合流して、ぞろぞろと食堂に向かおうとしたところで柏木が止めに入った。
「おい、そこの副寮長。今日は月に一度の報告会だぞ」
「あ……」
ああ。そう言えば、そういう設定があったな。寮内の生活をできるだけ快適に過ごせるように、問題があったらなるべく早く解決するようにという観点から、昼食を兼ねて個々の情報を共有し合うんだった。
その報告会には、寮長に副寮長、それとそれぞれのクラスの委員長が参加する。ただ委員長に関しては、クラス全員のそれが参加してしまうと大変な人数になってしまうので、偶数月には偶数のクラスが、奇数月には奇数のクラスが参加することになっていた。
「しょうがないな。一緒のテーブルは無理か」
「まあ、そんなにがっかりするな。近くの席が空いていたら、俺らはそこに座るから。な?」
青島が駿介を励ますようにそう言って、俺を振り返った。もちろん俺は大きく頷く。
「そっか。そうだな」
そんな一連の俺らの会話を黙って聞いていた柏木が、うっすら笑って歩き出した。なんとなくみんな、それにつられてぞろぞろと歩き始めた。俺も駿介の隣で歩き始める。
……え?
駿介の掌がスッと伸びてきて、俺の掌をきゅっと握る。
見上げた先には、駿介の優しくて綺麗な笑顔。
……ああ、なんというか。まるでこの小説の主人公になったかのような気分だ。だって、なんの取り柄もないただの腐男子のこの俺が、こんなイケメンに愛されているんだよ? 普通じゃあり得ないだろ。
ドキドキしながら廊下を歩いていると、突如、通り過ぎた教室の隅でモブらしい二人のラブシーンが見えた。きりっとした感じの方が可愛い感じの奴の頬を愛おしそうに撫でている。
うわわっ、何だ!?
あれは絶対次はキスだぞ!
こんな幸せ真っただ中にいるというのに、俺の腐男子煩悩がさく裂した。目は駿介を見ずに見ず知らずのカップルに釘付けだ。
「おいっ」
「うわっ!」
急に引き寄せられてびっくりした。
「俺と一緒にいるって言うのに、何に気を取られているんだ?」
怒りを抑えた不服そうな顔。……怖いけど綺麗だ。
じゃなくて!
拙い、拙い。男同士のいちゃいちゃを見るのが三度の飯よりも好きだなんて、駿介に知られるのはかなり拙い。
「ええっと、あの……駿介の……」
「俺の?」
「うん……。駿介の事じっと見てる人がいたから、ライバルなのかなと思って……」
かなり苦し紛れないい訳だ。だけどこの世界では、その信ぴょう性はかなり高い。
かなりのイケメン設定な駿介だ。俺の言葉に一瞬きょとんとしたけれど、すぐにバツの悪そうな表情に変わり頭を掻いた。
「スマン。嫉妬した」
「あ、ううん。こっちこそ……」
俺は駿介の顔を見上げて、掌をキュッと握り返した。優しく微笑みかけてくれる駿介にキュンとなる。
俺の趣味は、駿介のいる時は封印だ!
俺は駿介に微笑み返しながら、(もしかしたら本当にどこかにいるのかもしれない)BLの神様にそう誓った。
「え?」
か、可愛いって……。
ああそうか。駿介的にはこういうセリフ、可愛い範疇に入るんだな。
「さあ、行こうか。のんびりしてたら遅刻する」
「うん、急ごう」
揃って教室に行くと、やはりと言うべきか結構な人にじろじろと見られてしまった。それでもクラスのみんなは、駿介が二人三脚の競技に俺を選んだのを知っていたので、なんとなく納得するものがあったのだろう。それほど驚く奴はいなかった。
……だけど、やっぱり面白くないと思っている奴は多いようだ。駿介が傍にいない時の、視線の痛いこと痛いこと。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「真紀、飯食いに行こうぜ」
午前の授業が終わってすぐに、駿介が当前のように俺の席にやって来た。一番仲のいい奴はお前だと言ってもらっているようで、なんだか照れる。
「うん」
自然と樹や良介、それに青島も合流して、ぞろぞろと食堂に向かおうとしたところで柏木が止めに入った。
「おい、そこの副寮長。今日は月に一度の報告会だぞ」
「あ……」
ああ。そう言えば、そういう設定があったな。寮内の生活をできるだけ快適に過ごせるように、問題があったらなるべく早く解決するようにという観点から、昼食を兼ねて個々の情報を共有し合うんだった。
その報告会には、寮長に副寮長、それとそれぞれのクラスの委員長が参加する。ただ委員長に関しては、クラス全員のそれが参加してしまうと大変な人数になってしまうので、偶数月には偶数のクラスが、奇数月には奇数のクラスが参加することになっていた。
「しょうがないな。一緒のテーブルは無理か」
「まあ、そんなにがっかりするな。近くの席が空いていたら、俺らはそこに座るから。な?」
青島が駿介を励ますようにそう言って、俺を振り返った。もちろん俺は大きく頷く。
「そっか。そうだな」
そんな一連の俺らの会話を黙って聞いていた柏木が、うっすら笑って歩き出した。なんとなくみんな、それにつられてぞろぞろと歩き始めた。俺も駿介の隣で歩き始める。
……え?
駿介の掌がスッと伸びてきて、俺の掌をきゅっと握る。
見上げた先には、駿介の優しくて綺麗な笑顔。
……ああ、なんというか。まるでこの小説の主人公になったかのような気分だ。だって、なんの取り柄もないただの腐男子のこの俺が、こんなイケメンに愛されているんだよ? 普通じゃあり得ないだろ。
ドキドキしながら廊下を歩いていると、突如、通り過ぎた教室の隅でモブらしい二人のラブシーンが見えた。きりっとした感じの方が可愛い感じの奴の頬を愛おしそうに撫でている。
うわわっ、何だ!?
あれは絶対次はキスだぞ!
こんな幸せ真っただ中にいるというのに、俺の腐男子煩悩がさく裂した。目は駿介を見ずに見ず知らずのカップルに釘付けだ。
「おいっ」
「うわっ!」
急に引き寄せられてびっくりした。
「俺と一緒にいるって言うのに、何に気を取られているんだ?」
怒りを抑えた不服そうな顔。……怖いけど綺麗だ。
じゃなくて!
拙い、拙い。男同士のいちゃいちゃを見るのが三度の飯よりも好きだなんて、駿介に知られるのはかなり拙い。
「ええっと、あの……駿介の……」
「俺の?」
「うん……。駿介の事じっと見てる人がいたから、ライバルなのかなと思って……」
かなり苦し紛れないい訳だ。だけどこの世界では、その信ぴょう性はかなり高い。
かなりのイケメン設定な駿介だ。俺の言葉に一瞬きょとんとしたけれど、すぐにバツの悪そうな表情に変わり頭を掻いた。
「スマン。嫉妬した」
「あ、ううん。こっちこそ……」
俺は駿介の顔を見上げて、掌をキュッと握り返した。優しく微笑みかけてくれる駿介にキュンとなる。
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