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第四章
マインドコントロール?
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大綱引きや棒倒しを終えて、いよいよ二人三脚リレーが始まる。
うあ~、ドキドキする~。
手に汗べったりだし、足もがくがくだ。
「どうした? 緊張してるのか?」
「だって……。俺やっぱり駿介の足引っ張りそうだし」
「そんな事は無いさ。結構練習しただろう? しっかり息も合うようになって来たじゃないか」
「でも俺、足遅いし……」
「大丈夫、練習通りに走れば余裕だ」
「そうかなあ……」
「そうだって。信じろよ」
「うん……」
足が遅く期待されたことのない俺は、リレーのアンカーなんて初めてだ。それなのに選ばれてしまったという事は、やっぱり駿介の存在だけが意識された結果だ。
だから逆を言うと、良い結果が出ない時は……、俺だけの責任だって事なんだよ。
「こら。いつまでも余計なことを考えてると、ここでキスするぞ」
「えっ、ちょっと駿介!」
俺をリラックスさせるための冗談なんだろうけど、俺の背中に腕を回し、引き寄せようとするのは止めてくれ。
あちらこちらから悲鳴のような非難の声が聞こえてきて、余計に居た堪れない。
「真紀」
「いや、だから……」
ここでそんな甘い声出すなよ。
「余計な事は考えるな。外野は無視して、俺と一緒に走ることを楽しめよ」
「駿介……」
「俺なんて、一緒に走っている時の真紀の体温や匂い、それに感触とかを楽しんで走ってるんだぞ」
「えっ、俺匂うの? 臭い?」
「バカ。そういう意味じゃない。わかるだろ?」
ううう……。
だから! こんな大勢の人の前で、腰に来るような甘い声出さないでくれる?
「ああ、本当に可愛いな真紀は。……思いっきり抱きしめたいけどダメだよな?」
「だ……、駄目に決まってるじゃないか……」
こんな時なのに、俺の心臓は競技への緊張のドキドキから、いつの間にか駿介へのドキドキに代わっていた。
「なんだよ、あいつ」
「駿介さまと付き合ってるみたいだけど、調子に乗りやがって」
「知ってるか? 三森って奴の方があいつよりずっと可愛いぜ」
「関係のない奴の声なんて聞くこと無い」
そう言って駿介は、ニコリと笑って俺の両耳を手のひらで覆った。
じわじわと顔が熱くなる。
俺達のすぐ横では、樹と良介が同じようなやり取りをしていたらしいのだけど、惜しいことにその時の俺はちっとも知らなかったんだ。
うあ~、ドキドキする~。
手に汗べったりだし、足もがくがくだ。
「どうした? 緊張してるのか?」
「だって……。俺やっぱり駿介の足引っ張りそうだし」
「そんな事は無いさ。結構練習しただろう? しっかり息も合うようになって来たじゃないか」
「でも俺、足遅いし……」
「大丈夫、練習通りに走れば余裕だ」
「そうかなあ……」
「そうだって。信じろよ」
「うん……」
足が遅く期待されたことのない俺は、リレーのアンカーなんて初めてだ。それなのに選ばれてしまったという事は、やっぱり駿介の存在だけが意識された結果だ。
だから逆を言うと、良い結果が出ない時は……、俺だけの責任だって事なんだよ。
「こら。いつまでも余計なことを考えてると、ここでキスするぞ」
「えっ、ちょっと駿介!」
俺をリラックスさせるための冗談なんだろうけど、俺の背中に腕を回し、引き寄せようとするのは止めてくれ。
あちらこちらから悲鳴のような非難の声が聞こえてきて、余計に居た堪れない。
「真紀」
「いや、だから……」
ここでそんな甘い声出すなよ。
「余計な事は考えるな。外野は無視して、俺と一緒に走ることを楽しめよ」
「駿介……」
「俺なんて、一緒に走っている時の真紀の体温や匂い、それに感触とかを楽しんで走ってるんだぞ」
「えっ、俺匂うの? 臭い?」
「バカ。そういう意味じゃない。わかるだろ?」
ううう……。
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「ああ、本当に可愛いな真紀は。……思いっきり抱きしめたいけどダメだよな?」
「だ……、駄目に決まってるじゃないか……」
こんな時なのに、俺の心臓は競技への緊張のドキドキから、いつの間にか駿介へのドキドキに代わっていた。
「なんだよ、あいつ」
「駿介さまと付き合ってるみたいだけど、調子に乗りやがって」
「知ってるか? 三森って奴の方があいつよりずっと可愛いぜ」
「関係のない奴の声なんて聞くこと無い」
そう言って駿介は、ニコリと笑って俺の両耳を手のひらで覆った。
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俺達のすぐ横では、樹と良介が同じようなやり取りをしていたらしいのだけど、惜しいことにその時の俺はちっとも知らなかったんだ。
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