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第六章
相変わらずの駿介
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俺は目と口をぽかんと大きく開けて、駿介を見た。見続けているうちに駿介と目が合う。
目が合った駿介は一瞬ハッとしたような顔をして、そして笑いをかみ殺すような表情になった。
ヤベッ! 泣きそうじゃん。
駿介、俺のことを覚えてる……!
慌てて口を覆って、ソッポを向いた。そうでもしないと、マジ泣きしちゃいそうだったから。
良かった……。良かった……!
夢じゃなかったんだあれは、俺はちゃんと駿介と恋をしていた。
「…………」
こ、恋……。
ぶわっ///。
や……、そうだよ俺。俺駿介と……。
ギャー。急に恥ずかしくなってきたー!
「二人同時は珍しいが、青島君と稲積君だ。――自己紹介してくれ」
「はい。じゃあまずは俺から。稲積駿介です。坂上男子高校から転校して来ました。スポーツ全般が好きです。よろしくお願いします」
パチパチと拍手が沸き起こった。かなりの美形なせいもあり、女子が凄くうれしそうだ。
「青島信也です。同じく坂上男子高校から。よろしく」
同じように拍手は起こったけど、駿介の時のような高揚感はない。そこはかとなく醸し出される妙な威圧感は、やはりみんなにも伝わっているらしい。
「そこと向こうの空いている席に、それぞれ着いてくれ」
先生が俺の方向も指さしていた。
え?と思って振り向くと、俺の斜め後ろが空いている。
空いてたっけ、ここ。
俺がいない間に、俺がいない中でここの時間も流れていたんだろうか?
青島が駿介の肩をポンと叩いて、迷わずに向こう側の席に歩いて行った。駿介はそれに笑って応えて、俺の方へ一直線に歩いて来る。
「よろしくな」
相変わらずのイケボが俺の頭上から降ってきた。艶やかな微笑とともに。
「……うん」
俺の大好きな駿介がいる。俺だけの駿介が。
そう思った途端、胸の中がすごく熱くなって涙がにじみ始めた。唇を震わせながら駿介をじっと見ていたら、頭上にポンと温かな掌が乗っかる。
「泣くなよ」
「うう~」
俺はプルプルと震えながら、駿介を睨むように見続ける。苦笑した駿介は、スッと俺の耳もとに顔を寄せた。そして小さな声でこそっと呟いた。
「泣き止むようにキスするか?」
ビシッ!
一瞬石のように固まった。
固まって、涙なんて一瞬で止まってしまった。
そんな俺を見て駿介は口角を上げる。
……やっぱり目の前にいるのは、相変わらずの駿介だった。
目が合った駿介は一瞬ハッとしたような顔をして、そして笑いをかみ殺すような表情になった。
ヤベッ! 泣きそうじゃん。
駿介、俺のことを覚えてる……!
慌てて口を覆って、ソッポを向いた。そうでもしないと、マジ泣きしちゃいそうだったから。
良かった……。良かった……!
夢じゃなかったんだあれは、俺はちゃんと駿介と恋をしていた。
「…………」
こ、恋……。
ぶわっ///。
や……、そうだよ俺。俺駿介と……。
ギャー。急に恥ずかしくなってきたー!
「二人同時は珍しいが、青島君と稲積君だ。――自己紹介してくれ」
「はい。じゃあまずは俺から。稲積駿介です。坂上男子高校から転校して来ました。スポーツ全般が好きです。よろしくお願いします」
パチパチと拍手が沸き起こった。かなりの美形なせいもあり、女子が凄くうれしそうだ。
「青島信也です。同じく坂上男子高校から。よろしく」
同じように拍手は起こったけど、駿介の時のような高揚感はない。そこはかとなく醸し出される妙な威圧感は、やはりみんなにも伝わっているらしい。
「そこと向こうの空いている席に、それぞれ着いてくれ」
先生が俺の方向も指さしていた。
え?と思って振り向くと、俺の斜め後ろが空いている。
空いてたっけ、ここ。
俺がいない間に、俺がいない中でここの時間も流れていたんだろうか?
青島が駿介の肩をポンと叩いて、迷わずに向こう側の席に歩いて行った。駿介はそれに笑って応えて、俺の方へ一直線に歩いて来る。
「よろしくな」
相変わらずのイケボが俺の頭上から降ってきた。艶やかな微笑とともに。
「……うん」
俺の大好きな駿介がいる。俺だけの駿介が。
そう思った途端、胸の中がすごく熱くなって涙がにじみ始めた。唇を震わせながら駿介をじっと見ていたら、頭上にポンと温かな掌が乗っかる。
「泣くなよ」
「うう~」
俺はプルプルと震えながら、駿介を睨むように見続ける。苦笑した駿介は、スッと俺の耳もとに顔を寄せた。そして小さな声でこそっと呟いた。
「泣き止むようにキスするか?」
ビシッ!
一瞬石のように固まった。
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そんな俺を見て駿介は口角を上げる。
……やっぱり目の前にいるのは、相変わらずの駿介だった。
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