25 / 59
俺に触れて?
同好会旅行計画
しおりを挟む
「よーっ、お疲れ…と、と? なんだクロ? 一人だけ汗掻いてんな。どうした?」
「ああ、それ。竹下とかいう変な奴がシロの周りうろちょろしてんだよ」
礼人の問いに、陸が返事をする前に、なぜか千佳が答えた。
「竹下…? あいつ、まだシロにちょっかい出してんのか」
呆れたように嫌な顔をする礼人に、竹下のつぶやきを思い出した。
「礼人、もしかして中学の時、竹下の、その…気持ちって気づいてたわけ?」
言いにくくて、モソモソと小さな声で礼人に聞くと、礼人は「おや?」というように目を見開いた。
「なに、あいつ、とうとうシロに告白したわけ? しょーもな」
「知ってたんだ…」
当人の俺が全然気がつかなかったのに、何で礼人が気づくわけ?
何だか腑に落ちない気がしてモヤモヤしていると、礼人に失笑されてしまった。
「お前さ、鈍感すぎるんだよ。あいつ、下心満々だったんだぜ? 気を付けろよ。て、まあクロがいるから大丈夫だとは思うけどさ」
「なあ、クロ?」と礼人が陸に振り向くけど、陸はさっきの事を思い出したのか、気まずそうに床に目を落とした。
「なんだ、あいつ」
礼人が思っていた反応と陸の態度があまりにもかけ離れていたんだろう。礼人は首を傾げながら陸の様子を見ている。
そこへ千佳がやってきて、何やらぼそぼそ礼人に告げていた。
…まあ、大体の予想はつくんだけどさ…。
おそらく想像通りの事を言ったんだろう。礼人がニヤニヤと陸の方を向いた。
「なんだなんだ、照れんなよ。お姫様を守って、ご褒美もらっただけだろ? な、水?」
今度はこちらを向いて、礼人がニヤリと笑う。まあ、当たらずとも遠からず?
俺はお姫様ではないけどな。
「さーて、よけいなお喋りはいいからさ。水はプチ旅行の話は聞いたのか?」
今日は涼さんも来ていて、いくつか小説を開いていた。
「はい。礼人がピックアップしているホテルも見ましたよ」
「そうか。一応小説ゆかりの地を訪ねるって事なんだけど…」
涼さんはそう言いながら、パラパラとページをめくる。
「涼さん、別に小説に拘らなくてもいいじゃないですか。ただの親睦会にしちゃいましょうよー」
「だーめ。一か所くらいはちゃんと行かなきゃ。ほら、この神社にはお参りに行くぞ」
「え~?」
面倒くさそうな物言いだけど、とりあえずガイドブックを覗き込む千佳。
「うわー、ここって、縁結びの神様がいるんだ」
「へー、良かったな、千佳。俺らが一生一緒にいられるようにお祈りしようぜ」
剛先輩もやってきて、千佳を引き寄せながら覗き込む。
引き寄せられた千佳はそのまま剛先輩にもたれ掛かり、ずるずると倒れこんで、先輩に膝枕をしてもらっている格好になっていた。
甘え上手というか、なんというか…。
羨ましいほどの千佳の甘えっぷりに、俺は苦笑いを浮かべていた。
「ああ、それ。竹下とかいう変な奴がシロの周りうろちょろしてんだよ」
礼人の問いに、陸が返事をする前に、なぜか千佳が答えた。
「竹下…? あいつ、まだシロにちょっかい出してんのか」
呆れたように嫌な顔をする礼人に、竹下のつぶやきを思い出した。
「礼人、もしかして中学の時、竹下の、その…気持ちって気づいてたわけ?」
言いにくくて、モソモソと小さな声で礼人に聞くと、礼人は「おや?」というように目を見開いた。
「なに、あいつ、とうとうシロに告白したわけ? しょーもな」
「知ってたんだ…」
当人の俺が全然気がつかなかったのに、何で礼人が気づくわけ?
何だか腑に落ちない気がしてモヤモヤしていると、礼人に失笑されてしまった。
「お前さ、鈍感すぎるんだよ。あいつ、下心満々だったんだぜ? 気を付けろよ。て、まあクロがいるから大丈夫だとは思うけどさ」
「なあ、クロ?」と礼人が陸に振り向くけど、陸はさっきの事を思い出したのか、気まずそうに床に目を落とした。
「なんだ、あいつ」
礼人が思っていた反応と陸の態度があまりにもかけ離れていたんだろう。礼人は首を傾げながら陸の様子を見ている。
そこへ千佳がやってきて、何やらぼそぼそ礼人に告げていた。
…まあ、大体の予想はつくんだけどさ…。
おそらく想像通りの事を言ったんだろう。礼人がニヤニヤと陸の方を向いた。
「なんだなんだ、照れんなよ。お姫様を守って、ご褒美もらっただけだろ? な、水?」
今度はこちらを向いて、礼人がニヤリと笑う。まあ、当たらずとも遠からず?
俺はお姫様ではないけどな。
「さーて、よけいなお喋りはいいからさ。水はプチ旅行の話は聞いたのか?」
今日は涼さんも来ていて、いくつか小説を開いていた。
「はい。礼人がピックアップしているホテルも見ましたよ」
「そうか。一応小説ゆかりの地を訪ねるって事なんだけど…」
涼さんはそう言いながら、パラパラとページをめくる。
「涼さん、別に小説に拘らなくてもいいじゃないですか。ただの親睦会にしちゃいましょうよー」
「だーめ。一か所くらいはちゃんと行かなきゃ。ほら、この神社にはお参りに行くぞ」
「え~?」
面倒くさそうな物言いだけど、とりあえずガイドブックを覗き込む千佳。
「うわー、ここって、縁結びの神様がいるんだ」
「へー、良かったな、千佳。俺らが一生一緒にいられるようにお祈りしようぜ」
剛先輩もやってきて、千佳を引き寄せながら覗き込む。
引き寄せられた千佳はそのまま剛先輩にもたれ掛かり、ずるずると倒れこんで、先輩に膝枕をしてもらっている格好になっていた。
甘え上手というか、なんというか…。
羨ましいほどの千佳の甘えっぷりに、俺は苦笑いを浮かべていた。
4
あなたにおすすめの小説
【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる
ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。
そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。
「一緒にコラボ配信、しない?」
顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。
これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。
※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
鈴木さんちの家政夫
ユキヤナギ
BL
「もし家事全般を請け負ってくれるなら、家賃はいらないよ」そう言われて鈴木家の住み込み家政夫になった智樹は、雇い主の彩葉に心惹かれていく。だが彼には、一途に想い続けている相手がいた。彩葉の恋を見守るうちに、智樹は心に芽生えた大切な気持ちに気付いていく。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる