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俺に触れて?
竹下の嫉妬
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授業が済んで一緒に部室に行こうと陸の席に行くと、「先にトイレ行ってくる」と、走ってトイレに行ってしまった。俺の顔も見ずらい様で、どうやらさっきの事を気にしているみたいだった。
スクバを陸の机の上に置いて、知らずため息を吐いた。
時折見せる陸の俺への激しい気持ち。
抱きしめられたときに嬉しいってちゃんと言葉にしたけれど、陸が本当の意味で俺の気持ちを理解してくれているのか不安だった。
「シロ」
呼ばれて振り向くと、竹下が立っていた。
「あのさ、ちょっといいかな?ちゃんとシロと話したくても、いっつも黒田達に邪魔されちゃってたから」
「…ああ、うん。何?」
言葉を促すと、少しバツの悪そうな顔をして竹下は頭を掻いた。
「ここじゃさ、まだみんないるし。一応、ほら。男同士だし…。ちょっと移動しない?」
「…うん、分かった」
陸がまだ戻って来そうになかったので気になったけど、確かに陸が居たら竹下とちゃんと話もできないだろう。俺は竹下に頷いて、彼の後をついて行く。
一応後ろを歩きながら、竹下と話をしてくると陸にラインを送っておいた。
廊下の端で話をするのかと思ったら、竹下は階段を上り始める。
「竹下?」
「上に空き教室があるだろ。あそこなら座って話せるし」
「空き教室なら…」
ここにもあるだろと続けたかったけど、竹下がどんどん先に歩いて行くので仕方なく俺も後を追った。
「なあ、シロ。黒田なんてやめて俺と付き合えよ」
座って話したいと言っていた割には椅子に腰かけようともせず、教室に入った早々、竹下は俺を壁際に追い詰めていた。
「ちょっと待って。前にも言ったけど俺は…っ」
突然ガシッと肩を掴まれたかと思うと、すごい勢いで抱きしめられた。
予想もしていなかった竹下の行動。
俺は慌てて竹下を引き離そうとしたが、強い力で抱きしめられていてびくともしない。
「黒田の事だ。シロのこと、どうせこうやって強引に行ったんだろ?シロも優しいもんだから流されて!だったら黒田じゃなくて俺でいいだろ。俺の方が黒田なんかよりずっと優しくしてやれるんだ!」
「ちが…っ。俺は、俺だって陸の事が好きだから…」
竹下は俺の話を聞く気なんてないのか、強い力で抱きしめていたその手を少し緩めて、今度は強引に俺を壁に押し付けた。
そして体を密着させて片手で俺の肩を押しながら、もう片っ方の手で俺の顎を掬う。
「やめっ…」
顔を左右に振ってその手を離そうとしても、強い力で捕まれていてままならない。それどころか、今度は両手で頬を挟まれてしまった。
「嫌なのか…?」
いつも飄々とした竹下とは思えないほどの獰猛な顔。
焦りと恐怖で、心臓がバクバクと煩く鳴っている。背中を嫌な汗が伝っていた。
「嫌…だ」
必死な思いで絞り出した声は、情けないことに掠れて震える声だった。
「黒田には許すくせに」
「…え」
見上げた竹下の顔には冷たい笑みが浮かんでいた。
スクバを陸の机の上に置いて、知らずため息を吐いた。
時折見せる陸の俺への激しい気持ち。
抱きしめられたときに嬉しいってちゃんと言葉にしたけれど、陸が本当の意味で俺の気持ちを理解してくれているのか不安だった。
「シロ」
呼ばれて振り向くと、竹下が立っていた。
「あのさ、ちょっといいかな?ちゃんとシロと話したくても、いっつも黒田達に邪魔されちゃってたから」
「…ああ、うん。何?」
言葉を促すと、少しバツの悪そうな顔をして竹下は頭を掻いた。
「ここじゃさ、まだみんないるし。一応、ほら。男同士だし…。ちょっと移動しない?」
「…うん、分かった」
陸がまだ戻って来そうになかったので気になったけど、確かに陸が居たら竹下とちゃんと話もできないだろう。俺は竹下に頷いて、彼の後をついて行く。
一応後ろを歩きながら、竹下と話をしてくると陸にラインを送っておいた。
廊下の端で話をするのかと思ったら、竹下は階段を上り始める。
「竹下?」
「上に空き教室があるだろ。あそこなら座って話せるし」
「空き教室なら…」
ここにもあるだろと続けたかったけど、竹下がどんどん先に歩いて行くので仕方なく俺も後を追った。
「なあ、シロ。黒田なんてやめて俺と付き合えよ」
座って話したいと言っていた割には椅子に腰かけようともせず、教室に入った早々、竹下は俺を壁際に追い詰めていた。
「ちょっと待って。前にも言ったけど俺は…っ」
突然ガシッと肩を掴まれたかと思うと、すごい勢いで抱きしめられた。
予想もしていなかった竹下の行動。
俺は慌てて竹下を引き離そうとしたが、強い力で抱きしめられていてびくともしない。
「黒田の事だ。シロのこと、どうせこうやって強引に行ったんだろ?シロも優しいもんだから流されて!だったら黒田じゃなくて俺でいいだろ。俺の方が黒田なんかよりずっと優しくしてやれるんだ!」
「ちが…っ。俺は、俺だって陸の事が好きだから…」
竹下は俺の話を聞く気なんてないのか、強い力で抱きしめていたその手を少し緩めて、今度は強引に俺を壁に押し付けた。
そして体を密着させて片手で俺の肩を押しながら、もう片っ方の手で俺の顎を掬う。
「やめっ…」
顔を左右に振ってその手を離そうとしても、強い力で捕まれていてままならない。それどころか、今度は両手で頬を挟まれてしまった。
「嫌なのか…?」
いつも飄々とした竹下とは思えないほどの獰猛な顔。
焦りと恐怖で、心臓がバクバクと煩く鳴っている。背中を嫌な汗が伝っていた。
「嫌…だ」
必死な思いで絞り出した声は、情けないことに掠れて震える声だった。
「黒田には許すくせに」
「…え」
見上げた竹下の顔には冷たい笑みが浮かんでいた。
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