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俺に触れて?
それから…2
レストランに行くと、既に要さんや涼さん、それに礼人がテーブルに着いていてご飯を食べていた。宿泊時にフロントで貰っていた朝食券と引き換えに番号札を貰う。どうやらメニューは一種類しかないようだ。
「よお、遅かったな」
「すみません。寝坊しちゃって」
「いいけど……」
途中で言葉を区切って、要さんが俺たちをじっと見る。
「……これからは、シロが手綱を上手く握るようにしろよ。そこに良い手本が居るから見習え」
そう言って、千佳を笑いながら指さした。
「……工藤かよ」
「ちょっとクロ~? 何か不満?」
「別に…。あ、呼ばれてる。取りに行ってくる」
陸の番号を筆頭に、次々と番号が読み上げられ、みんなでぞろぞろと朝食を受け取りに向かう。
俺たちは朝食を美味しくいただいた後、ホテルを出た。
「良かったな、シロ」
目当ての橋を渡りながら、礼人が近寄って来た。俺ら二人が並んで歩いているのを嬉しそうに見ている。
礼人にはいろいろと心配かけてしまっている自覚があるので、素直に頷いた。
そんな最中にも、通り過ぎていく女の子たちがいつものように礼人や陸を頬を染めて振り返る。そして「見た?今の人!カッコよかったねー」とか言いながらはしゃいでいた。
もちろん今だって複雑な気持ちにはなるけれど、いつもみたいに酷く落ち込んだり不安になったりはしなかった。
そっと陸の手に自分の手を近づけて、小指だけこっそり絡めてみた。
ピクンと陸が体を揺らして、俺を見る。その目はまん丸。
陸がこちらに意識を持ってきてくれたのに満足して、絡めた指を離そうとしたら、今度は逆に陸にキュッと力を入れられた。
今度は俺が驚いて陸を見上げる。
してやったりといった顔で見る陸を、俺は眩しい思いで見つめ返した。
その後お昼ご飯をファミレスで取って公園にも行き、皆でぶらぶらする。
夕方にはそれぞれ駅で別れた。
駅からは、俺と同方向なのは陸と礼人。三人でゆっくり歩きながら帰路に着く。
「明日学校に行ったら、お前らまたファンが増えるんじゃないのか?」
不意に礼人にそんな事を言われて、目を瞬かせる。
確かに陸は表情もちょっぴり余裕が出て来て、今までの険のある表情が柔らかくなっているようにも見えるけど…。
女子が今まで以上に陸のことで騒ぎそうだ。
……。
「……それは俺も思った。心配の種が増えた気がする」
「それはこっちのセリフなんだけど」
自分の魅力を全然理解していない陸に、ため息を吐きながら抗議すると、当の陸も俺を呆れたような表情で見ていた。
「お前ら、ほんっと、自分のことには無頓着なんだな(;^ω^)」
「自分のことって…。礼人だって知ってるだろ? 陸がすごくモテてる事!歩くだけで女子のほとんどが振り向いて行くんだぞ」
(礼人もそうだけどさ!)
礼人についつい今までのうっ憤をぶちまけると、苦笑いされてしまった。
「……んなの、関係ねーよ。水以外に興味ないんだから」
「……」
ぼそりと呟く陸を見ると、ちょっと顔が赤い。
つられて俺の顔もじわじわと熱くなってきた。
「あー、はいはい。ごちそうさま! じゃあ、俺こっちからだから、また明日な!」
「うん、明日な!」
「…おう」
笑いながら手を振って走り去っていく礼人を、陸と2人で見送る。
礼人の姿が小さくなったころ、陸が指を絡めて来た。
「暗いし、誰もいないから良いだろ?」
「…うん」
合わさった掌から、陸の気持ちが伝わってくるような気がする。
俺の大好きだって気持ちも、陸に伝わると良いな…。
そう思って俺は、絡めた指にキュッと力を込めた。
「よお、遅かったな」
「すみません。寝坊しちゃって」
「いいけど……」
途中で言葉を区切って、要さんが俺たちをじっと見る。
「……これからは、シロが手綱を上手く握るようにしろよ。そこに良い手本が居るから見習え」
そう言って、千佳を笑いながら指さした。
「……工藤かよ」
「ちょっとクロ~? 何か不満?」
「別に…。あ、呼ばれてる。取りに行ってくる」
陸の番号を筆頭に、次々と番号が読み上げられ、みんなでぞろぞろと朝食を受け取りに向かう。
俺たちは朝食を美味しくいただいた後、ホテルを出た。
「良かったな、シロ」
目当ての橋を渡りながら、礼人が近寄って来た。俺ら二人が並んで歩いているのを嬉しそうに見ている。
礼人にはいろいろと心配かけてしまっている自覚があるので、素直に頷いた。
そんな最中にも、通り過ぎていく女の子たちがいつものように礼人や陸を頬を染めて振り返る。そして「見た?今の人!カッコよかったねー」とか言いながらはしゃいでいた。
もちろん今だって複雑な気持ちにはなるけれど、いつもみたいに酷く落ち込んだり不安になったりはしなかった。
そっと陸の手に自分の手を近づけて、小指だけこっそり絡めてみた。
ピクンと陸が体を揺らして、俺を見る。その目はまん丸。
陸がこちらに意識を持ってきてくれたのに満足して、絡めた指を離そうとしたら、今度は逆に陸にキュッと力を入れられた。
今度は俺が驚いて陸を見上げる。
してやったりといった顔で見る陸を、俺は眩しい思いで見つめ返した。
その後お昼ご飯をファミレスで取って公園にも行き、皆でぶらぶらする。
夕方にはそれぞれ駅で別れた。
駅からは、俺と同方向なのは陸と礼人。三人でゆっくり歩きながら帰路に着く。
「明日学校に行ったら、お前らまたファンが増えるんじゃないのか?」
不意に礼人にそんな事を言われて、目を瞬かせる。
確かに陸は表情もちょっぴり余裕が出て来て、今までの険のある表情が柔らかくなっているようにも見えるけど…。
女子が今まで以上に陸のことで騒ぎそうだ。
……。
「……それは俺も思った。心配の種が増えた気がする」
「それはこっちのセリフなんだけど」
自分の魅力を全然理解していない陸に、ため息を吐きながら抗議すると、当の陸も俺を呆れたような表情で見ていた。
「お前ら、ほんっと、自分のことには無頓着なんだな(;^ω^)」
「自分のことって…。礼人だって知ってるだろ? 陸がすごくモテてる事!歩くだけで女子のほとんどが振り向いて行くんだぞ」
(礼人もそうだけどさ!)
礼人についつい今までのうっ憤をぶちまけると、苦笑いされてしまった。
「……んなの、関係ねーよ。水以外に興味ないんだから」
「……」
ぼそりと呟く陸を見ると、ちょっと顔が赤い。
つられて俺の顔もじわじわと熱くなってきた。
「あー、はいはい。ごちそうさま! じゃあ、俺こっちからだから、また明日な!」
「うん、明日な!」
「…おう」
笑いながら手を振って走り去っていく礼人を、陸と2人で見送る。
礼人の姿が小さくなったころ、陸が指を絡めて来た。
「暗いし、誰もいないから良いだろ?」
「…うん」
合わさった掌から、陸の気持ちが伝わってくるような気がする。
俺の大好きだって気持ちも、陸に伝わると良いな…。
そう思って俺は、絡めた指にキュッと力を込めた。
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