EARTH STRIDER 〔アースストライダー〕

とと

文字の大きさ
37 / 54
第1章〔地球編〕

23.バイオロイドパークの異変

しおりを挟む
アメリカ、モンタナ州に位置するバイオロイドパークは、この裏地球の大型テーマパークの一つだ。

バイオロイドパークの売りは三つ。一つは表地球では絶滅した太古の生物、つまり恐竜の動物園。二つ目はあらゆる生物の遺伝子を組み産まれさせた、つまり空想動物を生み出した研究所と空想動物園。最後がWEGSウェグスを造り展示をする博物館。

特にWEGSの博物館の特徴は恐竜動物園、空想動物園の生き物の構造をモチーフにし造られた施設であり、WEGSの生産が世界の半分を締めているのだ。

来客は裏地球の人間、友好地球外知的生命体であり、オーストラリア大陸の恐竜王国に次ぐ人気のテーマパークである。

そのテーマパーク、バイオロイドパークに事もあろうことか現在、テロリストが籠城し、二十数名の人を人質にしていた。

僕の名前は沖田仙道。日本人であり、アースストライダーである。

僕の相棒であるマザーウィッチ・マルクに搭乗し、日本からここ、モンタナ州のバイオロイドパークの入口に僕は今いる。

回りを見渡せばあの機械王都・東京の半分くらいの面積はあるテーマパークの外壁をストライダーや警察官や、一般人等で中の様子を伺っている。

僕の後ろにはマルクが地上すれすれまで浮遊し、僕の回りには十六、七歳の少年少女がバイオロイドパークのシンボルでもある、マルクよりも大きな中央の全長一キロメートルの超巨大なスクリーンを見いっていた。

スクリーンに映し出された映像が、今僕達や警察関係者、野次馬達を騒然とさせている。

十六、七歳の少年少女は僕の同伴者である、キアト、ひろな、まゆ、ユウヤ、くるみ、テルそして愛亞の七人。そしてその相棒のWEGSの七体だ。

愛亞のWEGSだけ他のWEGSに比べて少し大きいが、他のWEGSの体長はだいたい二メートル前後のWEGSだが、今は関係ない。

僕もスクリーンを見てバイオロイドパークの内部を把握しなければならない。

スクリーンに映し出されたのはWEGSの鋼鉄のスーツで身を隠したテロリストが五人。その五人が銃や刀等の凶器をもち二十人弱の男女を威嚇していた。

人質は全員、それぞれ間隔を十メートルくらい空け自分たちの相棒であろうWEGSを後ろに控えさせた状態で、縄のような物で両手を縛られ、虚ろな表情をした者やすすり泣きする者がおり、誰一人、それぞれのWEGSも抵抗しようとしてない。

「ヒロヤとちなみは?」

キアトが巨大スクリーンを左右上下観ながら質問する。

「あっ!ちなみ……?」

まゆがスクリーンの中の人質の一人を見つけると、ひろなとまゆ、くるみが抱き合うように涙ぐむ。

スクリーンに映し出された少女は何処に視点を当てているか分からない虚ろな表情をしていた。

「ヒロヤは……」「見当たらねぇ……」

ユウヤとテルがヒロヤと呼ぶ少年を探していたが、何故か見当たらなかった。

「まさか、もう犠牲に……」

「くだらねぇこと言ってんじゃねぇ!ヒロヤは生きてる」

愛亞の不安にキアトが静かな口調で反論した。

『われわれはこの裏地球に要求する!』

突然、巨大スクリーンにWEGSの黒いスーツスタイルで武装した者が発言した。当然、顔は隠れていて解らなく、その者が男なのか女なのか解らない。

『金星のストライダーの刑務所、ガッグバーに収容されている真田剴門及びゲッツベルの釈放を要求する!要求を呑まなければ、人質は全員殺害する!このようにな!』

黒いスーツスタイルのテロリストはそう答えると、近くにいた人質の成人男性の後ろにいるWEGSに向かって右腕をかざした。

百足のような形のWEGSはいきなり行動し、相棒である成人男性に巻きつき成人男性が締めつけられた苦しみからか悲鳴をあげた。

「何をする気だ!?」

キアトがスクリーンに向かって叫ぶ。

「観るな!」

僕は最悪の状況を予測し、女子全員にそう叫ぶと、いきなりスクリーンの先から爆発音が響いた。

女子全員が悲鳴をあげ、うつむく。

「じ、自爆した……?」

テルがスクリーンを見入りながら全身を奮わす。

『一時間後にわれわれの要求を受け入れるか、受け入れないかの返事をしろ』

テロリストがスクリーン越しから忠告した。

テロリストの横には黒焦げた成人男性の遺体があり、現場の悲惨さが分かる。

怒りがこみ上げて来る。キアトもテルもユウヤも怒りに奮え、スクリーンを睨み付けているのが分かる。

その怒りを察したのか、スクリーンから黒いスーツスタイルのテロリストが自身の顔を隠していたヘルメットのような物を唐突に取り出した。

「アイツは……」「やはり……」

「「「トム・セッツガー!」」」

僕とキアトとユウヤが口を揃えて叫ぶ。

『来てるんだろ?ミスターセンドー?』

スクリーンに映るトム・セッツガーが笑みを浮かべながら言った。

「どういうつもりだ!トム・セッツガー!?」

僕は怒りに叫んだ。勿論、トムには僕の叫びは聞こえないだろう。

『私を止めたいのだろう?私はここにいるぞ!来るがよい!センドー、私が貴様を殺してやるぞ!ふはははは!』

宣戦布告!トム・セッツガーの単純な挑発に怒りがこみ上げてくる。

「上等だ!トム・セッツガー!貴様を倒すのは僕だ!」

僕はそう宣言すると、バイオロイドパークの入り口へと歩き始めた。

「オレも行くぜ!」「ま、待てよ、おれ様もだ!」

キアトとテルが僕に続くと、他の連中も後に続いた。

さあ、決戦は近い!





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。 選んだ職業は“料理人”。 だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。 地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。 勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。 熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。 絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す! そこから始まる、料理人の大逆転。 ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。 リアルでは無職、ゲームでは負け組。 そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ホスト異世界へ行く

REON
ファンタジー
「勇者になってこの世界をお救いください」 え?勇者? 「なりたくない( ˙-˙ )スンッ」 ☆★☆★☆ 同伴する為に客と待ち合わせしていたら異世界へ! 国王のおっさんから「勇者になって魔王の討伐を」と、異世界系の王道展開だったけど……俺、勇者じゃないんですけど!?なに“うっかり”で召喚してくれちゃってんの!? しかも元の世界へは帰れないと来た。 よし、分かった。 じゃあ俺はおっさんのヒモになる! 銀髪銀目の異世界ホスト。 勇者じゃないのに勇者よりも特殊な容姿と特殊恩恵を持つこの男。 この男が召喚されたのは本当に“うっかり”だったのか。 人誑しで情緒不安定。 モフモフ大好きで自由人で女子供にはちょっぴり弱い。 そんな特殊イケメンホストが巻きおこす、笑いあり(?)涙あり(?)の異世界ライフ! ※注意※ パンセクシャル(全性愛)ハーレムです。 可愛い女の子をはべらせる普通のハーレムストーリーと思って読むと痛い目をみますのでご注意ください。笑

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

処理中です...