EARTH STRIDER 〔アースストライダー〕

とと

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第1章〔地球編〕

past11 空から飛来する者

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那賀龍神の朝は早い。六時に起床し簡単な身仕度をし、六時半には校庭の草むしり。七時にはトイレ掃除。七時半から日下部弥生とミーティング。八時にホームルーム。八時半から授業といった感じだ。

早いもので那賀龍神と私がこの小学校に来て二ヶ月余り。季節は夏になり、何処からか蝉の鳴き声が響く。

「あちぃ、あちぃ……、ポンコツ、テメェはいいよな……、暑さを感じなくてよ……」

那賀龍神が私にちょっかいかけるのは日常茶飯事だ。

「草むしりは~た~のし~な♪今日~もた~のし~く草むしり~♪」

このお方は何を歌っているんだ?ついに日光で頭をやられたか?いや既に遠の昔から頭は弱かった。今に始まったことではない。

「草むしりは~た~のし……「那賀先生、何を歌ってるんだ?」

那賀龍神のけしてお上手とは言えない歌を誰かが中断させ、那賀龍神と私は声のした方へと振り向いた。

「おお、お前達か~、おはよう!」

那賀龍神が挨拶をしたのは、キアト、ひろな、まゆにマシンの児童であり、それぞれが元気よく挨拶をした。

「お前ら何をしてんだ?」

「向日葵の水やりだよ」

答えたのはひろなだった。確かにジョロやスコップ等を手にしていた。

「おお、感心だな……、どれだけ大きくなったか見せてくれ」

「……いい……よ」

那賀龍神が立ち上がると、まゆが恥ずかしながら那賀龍神の手をとり、向日葵がある花壇へと案内した。

「おお、茎が育っているじゃねぇか~」

那賀龍神がまだ花を咲かせてない向日葵を見て感心した。

向日葵の数は三十。丁度生徒の数分はある。回りを見渡せば色々な花があり、ちょっとした花畑になっていた。

「み~んな当番で~世話して~んだぜ~♪」

「何、歌ってるんだ?マシン?」

「先生~の~もの~まね~♪」

マシンのおちゃらけにその場の児童達が笑う。この少年は凄い。クラス一の人気者であり、場を盛り上げる素質がある。

「相変わらずお前は楽しいヤツだな。間違いなくお前は宇宙一のコメディアンになるぜ」

「あり~がと~う、お花さんた~ちも喜んで~いる~♪……」

そうマシンが歌うと突然、そこらの花々が風もないのにゆらりゆらりと意思を持ったように、マシンの歌声に合わせて左右上下に揺れ動いた。

「こ、これは……マシンの……」

那賀龍神が揺れ動く花々を見渡しながら驚く。

「ええ、植物操作能力です」

「凄いな……」

「褒められた~♪」

私の発言に那賀龍神が感心するとマシンは照れ隠しに歌って誤魔化した。

マシンだけでなく三十人の児童の能力は私も那賀龍神も熟知している。

キアトのように磁気の能力者や、ひろなの読心能力、まゆの鏡を使った表地球への移動能力や人狼変化や変化能力者もいる。

そんな能力を持つ三十人の児童が集まったこの学校。

そんな児童達が大きく成長する、そんな未来を私も何より那賀龍神も楽しみにしている。

願わくはこの子供達が大きく成長した時は宇宙が、地球が平穏であればよいのだが……

那賀龍神。私が言うのもなんだが彼が入ればそんな未来が実現するかもしれない。

何故なら、彼は地球に選ばれた




アースストライダーなのだから…………










私がそう確信した日の正午。事件が起こった。

それは当然、予告もなく東の上空からある物体が飛来して来たからだ。

その物体は紛れもなくWEGS。

緑色に輝く全長五十メートルはある大きな鷲型のWEGSだった。

授業中、窓から映し出されたその光景に那賀龍神や生徒達が見いった。

「あ、あれは……」

「間違いありません!あれは……」

「何故、アイツが……」

那賀龍神が珍しく同様を見せると、生徒達が不安になった。

米国四騎士アメリカンナイトフォー」「アウリナ・クージャ!」

那賀龍神の言葉を私が継ぎ足し、大鷲型のWEGSの相棒の名前を叫んだ。

その時、私の頭部に内蔵された電話が響いた。

電話の相手は……


那賀龍神の元婚約者である……

杉並優菜、その人だった………………




            past12

                                                To Be Continued……





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