EARTH STRIDER 〔アースストライダー〕

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第１章〔地球編〕

26.絆

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キアトがガイガードの自爆に巻き込まれた。

爆発は僕達にもおよび、生身の身体では間違いなく死亡レベルだった。だが僕達はそれぞれのＷＥＧＳが咄嗟に盾となり、相棒を救ってたから少し離れた場所にいた僕達は無傷とは言えないが、取り敢えず無事だった。

だけどガイガードに羽交い締めされたキアトは考えたくないが、おそらく即死だろう……

僕は沖田仙道。立ち込める火煙がガイガードが自爆した、キアトがいる場所を隠すが、次第に煙が天へと登り視界がうっすらと見えてきた。

「キアト！」「いやぁ、キアト！」「キア兄！」

ひろな、まゆそして愛亞が泣き叫ぶ。

「キアト……」「嘘でしょ？」「バカヤロー、キアト！」

ユウヤもくるみもテルも絶望した。

煙はすぐに晴れて、キアトがいた場所の残場を映し出した。

現実が映された。

「ウェ、ＷＥＧＳ……？」

僕はそれを見て呟く。

そこには見覚えのある青色のＷＥＧＳが何かを守るように丸くなっていた。

「「バルエース！」」

ひろなとまゆがＷＥＧＳの名前を叫んだ。そのＷＥＧＳは剣歯虎サーベルタイガーモデルのバルエースだった。

慌てて全員がバルエースの元へと走る。

「キア、キアト……、無事か？」

「…………お前、何をして、んだよ……」

バルエースがキアトに覆い被さりながらキアトの安否を確かめると、中からキアトの声がした。

「キアトが生きてた！」「キアトが生きてる！」「テメェ、バカキアト！」「キア兄！」

女子全員がキアトの生還に涙を流し、そして全員がキアトが生きていたことに安堵した。しかし……

「バルエース！？背中が半分くらい破壊されている！」

「そんな……？」

愛亞がバルエースの現場を見て驚愕すると、まゆ達も絶句した。

「オメェ、何してんだよ！？なんでオレを助けた！？」

キアトがバルエースからゆっくりと動き出し、大声で怒鳴った。よく見ればバルエースが盾になったが、キアトの額や身体の至る所出血が見える。

「決まっている……、相棒だからだ」

「バカかテメェ！まだオレの相棒と決めてねぇだろ！」

バルエースの静かな一言にキアトがゆっくり立ち上りながら反論する。

「私が決めた……、私はヌシと一緒に行く……」

「バカか！そんな……、そんな身体で行けるわけねぇだろうが！」

キアトは言葉を詰まらせながらも叫んだ。

誰もがこのやり取りに口出し出来なかった。

「後でヌシの妹に修理してもらう」

バルエースはそう答えると、愛亞は涙ながらに無言で頷き、そしてバルエースはゆっくりと立ち上がろうとした。だが、バルエースはすぐに崩れ落ちた。

その崩れ落ちるバルエースの頭部にキアトが両腕で支えた。

「流石にあんな砂鉄の固まりを持つ腕力はあるな……、見ての通り私は重いぞ……」

「キアト、なんでバルエースを相棒にしないの！？」

堪り兼ねたひろながキアトに怒る。

「そうだよ！名前までつけたのに何を戸惑ってるの？」

まゆもひろなに同感し、キアトを責める。

「戸惑ってねぇ！ただ、オレは……」

キアトが否定しながら、次に話しを続けた。

「オレは、那賀先生とアースのように信頼できる相棒が欲しかっただけだ！」

「バルエースは信頼できないの？」

「キアトを守ったバルエースを？」

キアトの告白にまゆとひろなが間髪入れずに反論した。

「違う！いきなりコイツが現れ、相棒だからハイそうですって納得できなかっただけだ！それが今の今まで……」

「引きずってたわけだね？」

「素直じゃないな……」

キアトの告白にひろなとまゆが微笑んだ。

「じゃあ、今、相棒になったら？」

答えたのは愛亞だった。

「…………すまねぇ、バルエース……」

キアトがバルエースを横目にし、目を閉じた。

「取り敢えず、テメェはマルクに戻って修理だ」

キアトがゆっくりとバルエースを担ぎながら歩き出そうとした。

「運べないだろ？私は重いぞ……」

「へっ、どうってことねぇ……、これから作るオメェとオレの絆の重さに比べたらな……」

「素直じゃないな……」「よくそんな歯の浮きそうなセリフを……」「バカみたい……」

キアトのその一言に全員が呆れた表情を見せた。

「マルクにテメェを運んだら、また戻るからよ……」

キアトはそう答えるとゆっくりと動き出した。

「ムリだよ！キアトだって重症なんだよ」

「見てられない……、みんなでバルエースを運ぼう」

まゆとひろながそう答えると、まゆ、ひろな、愛亞のＷＥＧＳがバルエースに近づいた。

「バカ馬ども、バルエースを傷つけたら許さんからな！」

キアトがバージンロードとヘブンズガールに忠告すると、何故かキアトが赤面し、そして何故か涙を流した。

「オレの……、うぐっ、クソ……、クソ相棒だからよ……、うぐっ……」

「素直じゃないな……」「ほんとにバカだね……」

キアトが号泣するとひろなとまゆも泣きながらも笑顔になった。

「茶番は終わりか？」

突然、巨大スクリーンの下から男の声がし、全員が振り向いた。

「貴様は、ボルガ！」

声の主はガイガードの相棒であるストライダーのボルガだった。ボルガは黒い肌の巨体だ。そしてこともあろうか、キアトと同じくらいの年齢の少年をまるで猫の首すじを摘まむようにして人質にしていた。

「「「「「「ヒロヤーッ！？」」」」」」

キアト達が同時に叫ぶ。そうか、この少年がヒロヤか……

ヒロヤと呼ばれた少年は首根っこをもたれ宙に浮いた状態で何故か申し訳ない表情で笑いながら手を振っていた。

「ははは……、捕まっちまった……」

「「「「「何やってんだ！バカだろ？テメェ！！」」」」」

揃った声に何故か僕もそう答えていた。

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