EARTH STRIDER 〔アースストライダー〕

とと

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Prolog〔過去と未来の想い〕

一九八八年四月

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   西陽が錆び付いた鉄屑の山を照らし、私の目を細めた。

人間の身体よりも大きな鉄の塊や、何かの部品になりそうな機械の破片やらが十メートル以上はある山となり、その場に何十も鉄屑の山は存在していた。

通称、瓦礫の山。その地域に住む私達住人はそう呼んでいた。

瓦礫の山、それは十年前の大戦の名残であり、WEGSウェグスと呼ばれるロボット(もしくはサイボーグ、マシン、人それぞれにより呼び名は違うが)の残骸であった。言葉は余り良くないけど、WEGSの墓場と呼ぶ人もいる。

現在、西暦一九八八年四月。この場所は日本の愛知県と呼ばれる場所であり、私達の故郷でもある。

瓦礫の山の周りには広大なる平原と至る場に生える木々、遠くを見渡せば、御岳山や鈴鹿山脈等の山々が美しく見える。

また平原には様々な動物もおり、ニホンオオカミやナウマンゾウ等が優雅に暮らしいる。さらに岐阜や長野に行けば、サーベルタイガーやマンモス等が生息しているが、話しがずれてしまうのでまた詳しく話そうと思う。

私は今、瓦礫の山にいる。私はここまでの移動手段、バイクから降り、瓦礫の山の頂きに顔を上げた。

スカイブルーのヘルメットをとり、私は深呼吸を一つし、そして大きく叫んだ。

「キアトー!起きてるの!?」

私の呼掛けに瓦礫の山の頂上から西陽により影になった人影がゆっくりと動き出した。

「んん……、おお、また寝ちまった……」

西陽のせいで顔がはっきり見えないけど、いつもの声、影でもわかるほどの寝癖頭、間違いなく私の知っているキアト。

「そんな所で寝てたらいつか落ちて死んじゃうよ!」

(うるせぇ、死ぬか!)

キアトの思っていることが私の頭に入って来た途端、影でもわかるくらい、キアトはの悪い表情をした。

私は人の考え、思っていること、心の声が聞こえてしまう能力を持っているの。その能力をキアトは知っていて、キアトは私に今の表情を見せたんだ。

「だってそうじゃん!三十メートル以上あるんだよ!落ちたら死んじゃうよ!」

「うるせぇ、死なねぇよ!ブス!てか、お前、毎日のようにオレの能力見てんだろ!超天然女!」

今度は声にして、キアトは立ち上がった。

「おら……」

いきなりキアトは一言呟き、私のいる地上へと飛び降りた。

普通なら飛び降り自殺だ。いつ見ても心臓に悪い。でもキアトが飛び降りると同時に瓦礫の山から鉄屑が何個か飛び出し、キアトの足の裏へと接近し、直ぐ様サーフボードのような形となり、キアトはまるで空中でサーフィンをするように華麗に動き、あっという間に私の前へと着地した。

「ほらな、死なねぇだろ」

ようやく見えたキアトの表情は、私に屈託ない笑顔を見せた。

未室希跡。身長百七十センチの年齢は私と同じ十七歳。寝癖頭で服へのこだわりもないお洒落にも疎い。で、鉄屑を集めてサーフボードのようにしたのはキアトの能力なんだけど、話しが長くなるから今のところはパスします。まあ、一言でキアトのことを言えば、単細胞のおバカさん。

でも…………

「なんだよ?人の顔じろじろ見て」

キアトが不思議そうな表情で私を見る。

「また、アースを探してたの?」

私は話題を変えた。するとキアトは一瞬だけ寂しそうな表情を見せ、私を見つめた。

「……他にする事あるか」

ぶっきらぼうに答えたキアトは私に背を向けた。

「見つかるといいね。アース……」

「ああ、アイツは何せ不死身の不死鳥モデルだからな……」

今の私とキアトのやりとりは何回、何十、何百と毎日のように同じ会話の繰り返しだった。

それほどにこの場所は、今はなにもない平穏な場所だった。今は……

「帰るぞ、ひろな」

キアトの一言に私は頷き、私の愛機バイクに跨がり、家に帰る準備をした。

キアトがなぜこのなにもない平穏な場所にいてアースを探しているのかは、過去の出来事が原因なんだけど、またそれは追々と……


あっ、住む家に帰る前に自己紹介。私の名前は神代ひろな。キアトとは幼なじみの17歳。キアトからはチビだのブスだの天然女だの散々言われるけど、私はとーっても、かわいいんだから、それは覚えておいてね。


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