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第1章〔地球編〕
13.キアトに会わせたい人
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鯨型モデルのマザーウィッチ・マルクは黒く輝くボディーで、世界二位の大きさを持つWEGS。
私達はマルクの内部におり、静岡県から東京まで僅か十分で東京に到着した。
私は神代ひろな。マルクの上層階の操縦室にいる。他に幼なじみの男子、未室希跡、キアトと私の大親友の女の子、香川まゆ、そしてこの大きなWEGSマルクの相棒の相棒であり、ワールド13の一人、沖田仙道さんがいる。私の相棒や他のWEGS達は二階のWEGS格納庫にいる。
私とキアトとまゆは、東京へ行くのは小学三年生の修学旅行に行った切り。
あの時は大好きだった美人の校長先生がいて、三十人の友達がいて楽しかった。
私はマルクの操縦室の大きな窓から東京の景色を見ながら、昔を思い出していた。
あの頃の大好きだった校長先生も他の二十七人の友達も今はいない。今、私といるのはキアトとまゆだけ。
二十七人の友達の安否は確認してないけど、事故やら嫌な話しは聞いてないからみんな元気だと思う。
だけど、校長先生はもう……
「辺り一面、機械や鋼鉄のビルや建物だらけだな……」
物思いに更ける私に、キアトの声が私を現実へと戻した。
「機械王都と呼ばれる所以よ。東京の七割が今、見ている鋼鉄や機械に覆われた場所なんだよ」
私はキアトとまゆに教えると、キアトとまゆは興味深そうに東京全土を空から眺めていた。
鋼鉄のビルや鋼鉄の建物。空にはマルクだけでなく、何百の様々な格好をしたWEGSが相棒を乗せて移動している。
ドームのような造りの建物があちこちにあり、ネオンがきらびやかに輝く。
大自然に覆われた他の都道府県とは違い、日本で唯一の科学や技術が発達した場所、それがこの機械王都・東京なんだ。
「間もなく到着するよ。でも先にマルクを収納する工場へ行き、そこでキアトに会わせたい人と会い、それからユウヤのいる所へ行くよ」
会わせたい人と言うのがさっきから気になる。仙道さんの言い方から私やまゆには関係がない人みたいな感じ。私はまゆと目を合わせ互いに首をかしげた。
私の読心能力を使って仙道さんの考えを読めば一発で解るんだろうけど、なんだか妙な胸騒ぎがして読心はしないようにしている。
そうこう思っているうちに、マルクはドーム型の建物の上空に制止し、下へと下降した。マルクの中からだとよく解らないけど、たぶんマルクは建物の中へと入ったんだと思う。
五分後。無事に東京へ到着した私達はマルクから出ようとしていた。
「仙道さんよ……、オレに会わせたい人って誰?」
キアトが仙道さんに質問した。
「まゆも気になってた。三十人の仲間の一人だよね?」
「キアトの知り合いって言い方……、なんだか私達は知らないような意味ありげに聞こえたんだけど……」
まゆと私が疑問を言葉にする。
「キミ達は知らない女子だよ。でも……「あ~っ!キアト、まゆに内緒で浮気している!」
「「んな訳あるか!」」
キアトと私はまゆの発言に怒り任せで怒鳴った。だいたい、まゆとキアトは付き合ってませんから!まったくホントにおバカさんなんだから!
縮こまった半泣きのまゆはほっとこ。
「でも、キアトも正確には知らないよ。まぁ、マルクから出ればすぐに待っているから」
そう仙道さんは言い、歩きはじめた。
マルクの外に出ると、そこは鋼鉄や機械だけの空間だった。
「表地球のロボットアニメに出てきそうな基地の中みたいだな」
キアトの例えはまさにそれ。こちらの世界ではアニメやドラマはなく、裏地球の技術で見えない空間から電波を頂き、表地球でやっているテレビ番組を観ることができるんだけど、今はどうでもいい事だね。
「いないようだけど……」
まゆが辺りを見回しながら呟く。確かに人一人いない。
「よく見て、あそこにいるよ」
仙道さんがマルクの頭部へと指差した。
鯨顔のマルクの前に確かに人がいる。
よく見ると、私達と同じ年頃の可愛い女の子で、髪を団子団子結びを三つにした汚れたつなぎの作業着のようなものを着ていた。
「私達の知らない人」
「確かに初めて見る……」
私とキアトが答えと、まゆが次に不思議なことを言った。
「なんか、キアトに雰囲気似てない?」
「似ているか?ハハハ……」
仙道さんがまゆの一言に意味ありげに笑った。
その時、私は仙道さんが思っている事を読心してしまい、咄嗟に口に手を当てた。余りにも衝撃過ぎて……
「なんだよ?ひろな……」
キアトが驚く私に対し、不安そうに言う。
「彼女はキアトの一個下、名前は……」
仙道さんはキアトを見つめながら答えた。
「未室愛亞」
「「「みむろ~?……未室って!?」」」
「そう、キアト……、キミの妹だよ」
仙道さんの告白にキアトもまゆも、そして私も言葉を失った。
私達はマルクの内部におり、静岡県から東京まで僅か十分で東京に到着した。
私は神代ひろな。マルクの上層階の操縦室にいる。他に幼なじみの男子、未室希跡、キアトと私の大親友の女の子、香川まゆ、そしてこの大きなWEGSマルクの相棒の相棒であり、ワールド13の一人、沖田仙道さんがいる。私の相棒や他のWEGS達は二階のWEGS格納庫にいる。
私とキアトとまゆは、東京へ行くのは小学三年生の修学旅行に行った切り。
あの時は大好きだった美人の校長先生がいて、三十人の友達がいて楽しかった。
私はマルクの操縦室の大きな窓から東京の景色を見ながら、昔を思い出していた。
あの頃の大好きだった校長先生も他の二十七人の友達も今はいない。今、私といるのはキアトとまゆだけ。
二十七人の友達の安否は確認してないけど、事故やら嫌な話しは聞いてないからみんな元気だと思う。
だけど、校長先生はもう……
「辺り一面、機械や鋼鉄のビルや建物だらけだな……」
物思いに更ける私に、キアトの声が私を現実へと戻した。
「機械王都と呼ばれる所以よ。東京の七割が今、見ている鋼鉄や機械に覆われた場所なんだよ」
私はキアトとまゆに教えると、キアトとまゆは興味深そうに東京全土を空から眺めていた。
鋼鉄のビルや鋼鉄の建物。空にはマルクだけでなく、何百の様々な格好をしたWEGSが相棒を乗せて移動している。
ドームのような造りの建物があちこちにあり、ネオンがきらびやかに輝く。
大自然に覆われた他の都道府県とは違い、日本で唯一の科学や技術が発達した場所、それがこの機械王都・東京なんだ。
「間もなく到着するよ。でも先にマルクを収納する工場へ行き、そこでキアトに会わせたい人と会い、それからユウヤのいる所へ行くよ」
会わせたい人と言うのがさっきから気になる。仙道さんの言い方から私やまゆには関係がない人みたいな感じ。私はまゆと目を合わせ互いに首をかしげた。
私の読心能力を使って仙道さんの考えを読めば一発で解るんだろうけど、なんだか妙な胸騒ぎがして読心はしないようにしている。
そうこう思っているうちに、マルクはドーム型の建物の上空に制止し、下へと下降した。マルクの中からだとよく解らないけど、たぶんマルクは建物の中へと入ったんだと思う。
五分後。無事に東京へ到着した私達はマルクから出ようとしていた。
「仙道さんよ……、オレに会わせたい人って誰?」
キアトが仙道さんに質問した。
「まゆも気になってた。三十人の仲間の一人だよね?」
「キアトの知り合いって言い方……、なんだか私達は知らないような意味ありげに聞こえたんだけど……」
まゆと私が疑問を言葉にする。
「キミ達は知らない女子だよ。でも……「あ~っ!キアト、まゆに内緒で浮気している!」
「「んな訳あるか!」」
キアトと私はまゆの発言に怒り任せで怒鳴った。だいたい、まゆとキアトは付き合ってませんから!まったくホントにおバカさんなんだから!
縮こまった半泣きのまゆはほっとこ。
「でも、キアトも正確には知らないよ。まぁ、マルクから出ればすぐに待っているから」
そう仙道さんは言い、歩きはじめた。
マルクの外に出ると、そこは鋼鉄や機械だけの空間だった。
「表地球のロボットアニメに出てきそうな基地の中みたいだな」
キアトの例えはまさにそれ。こちらの世界ではアニメやドラマはなく、裏地球の技術で見えない空間から電波を頂き、表地球でやっているテレビ番組を観ることができるんだけど、今はどうでもいい事だね。
「いないようだけど……」
まゆが辺りを見回しながら呟く。確かに人一人いない。
「よく見て、あそこにいるよ」
仙道さんがマルクの頭部へと指差した。
鯨顔のマルクの前に確かに人がいる。
よく見ると、私達と同じ年頃の可愛い女の子で、髪を団子団子結びを三つにした汚れたつなぎの作業着のようなものを着ていた。
「私達の知らない人」
「確かに初めて見る……」
私とキアトが答えと、まゆが次に不思議なことを言った。
「なんか、キアトに雰囲気似てない?」
「似ているか?ハハハ……」
仙道さんがまゆの一言に意味ありげに笑った。
その時、私は仙道さんが思っている事を読心してしまい、咄嗟に口に手を当てた。余りにも衝撃過ぎて……
「なんだよ?ひろな……」
キアトが驚く私に対し、不安そうに言う。
「彼女はキアトの一個下、名前は……」
仙道さんはキアトを見つめながら答えた。
「未室愛亞」
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