EARTH STRIDER 〔アースストライダー〕

とと

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第1章〔地球編〕

20.キアト対ひろな

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ここは太平洋。マザーウィッチ・マルクに乗り私達はアメリカを目指していた。

マルクに搭乗しているのは私、神代ひろなと幼馴染の未室希跡、香川まゆ、須藤勇矢、葉山くるみ、中條輝、そしてマルクの相棒でワールド13のメンバーの一人、沖田仙道さんとWEGSの技師であり、キアトの妹さんの未室愛亞の八名。

そしてWEGSがキアトの仮の相棒と私の相棒、まゆの相棒、ユウヤの相棒、くるみの相棒とかテルくんの相棒、あっちゃの相棒のWEGS、それに突然生き返ったWEGS五十体。あと仙道さんの別の相棒が五体。

それだけ搭乗していてもマザーウィッチ・マルクは普通に移動するマルクの大きさには関心するしかない。

「キア兄、バルエースのどこが気に入らないの?」

「別にそう言う訳じゃない」

「だったらなんで相棒にしないの?あっちゃが造った最高傑作の一体なのに……」

今、私達はWEGS収納件WEGS修理場にいて、あっちゃが兄のキアトに説明すると、キアトはバルエースのいる場所へと移動した。バルエースのいる場所に五十の様々な形態のWEGSが所狭しと活動を休止していた。

「なんだ?私に用か?」

キアトが無言でまじまじとバルエースを見る。

剣歯虎サーベルタイガーモデルの青く輝くボディーのWEGSはキアトの異様な視線に一歩後ずさりする。

「おめぇ、人型に変形するのかよ?」

「当たり前だよ」

答えたのはあっちゃ。そういえば、ここにいるのは私とキアトとあっちゃの三人だけ。いつもならまゆもいるはずなんだけど、あの子何処に行ったんだろう?

「ひろ姉やまゆ姉のWEGSのような馬型WEGSには人型じゃなく、バイクスタイルに変形するけど、バルエースはヒューマンスタイルに変形するんだよ。あと共通するのは、ストライダーを守るバトルスーツにも変形できるんだ」

「バトルスーツ?」

キアトってそんな事も知らないの?改めてキアトの頭の弱さに関心した。

「そう、バトルスーツは宇宙服にもなる、いわゆるWEGSの鎧みたいなもの」

「かっこいいじゃねぇか!バルエース、お前、今からヒューマンスタイルって言うのに変形してみろ、なっ、頼む!そしてオレの変身の一言でバトルスーツとやらに変身させてくれ!」

キアトがいきなり目を輝かせながら、バルエースに詰め寄る。

ああそうだった。キアトって昔から表地球の特撮やロボットアニメが好きだった……

バルエースは見事に後ずさりしながら引いている。

「キア兄、キモい~!キモ兄!アハハ」

何故かあっちゃはツボに入ったように笑っていた。しかし、キモ兄って、私も今度、キアトにムカついたら、キモトって呼ばせてもらお。

「ところでキアト、ずっと気になってたんだけど五十体のWEGSの修復が終わったら、その後WEGS達はどうするの?」

私はずっと気にしていた事をキアトに質問した。

「なんで復活したのかを聞いてみてぇな。あとはマシンを探してWEGSのサーカスみたいな事をしたらきっとおもしれぇんじゃねぇか?」

キアトは冗談半分で廻りで休止しているWEGS達を、優しそうな表情で見回した。

やっぱり改めてだけど、五十のWEGSが復活してキアトが一番喜んでいると実感した。

キアトの表情は私やまゆにも見せない、温かな表情。私がずっとキアトと一緒にいる理由はそれかもしれない。偽善じゃなくキアトの素の優しさ。私はキアトを……

「まあ、完全復活してから考える」

キアトが笑いながら締めくくり、私は簡単に頷いた。

「そういえば、キア兄、仙道さんが言ってたけど、キア兄の磁気能力勿体ないって……」

「勿体ない?」

あっちゃが唐突に話題を代え、キアトが疑問に思った。

「キア兄は能力を制御出来てないって。なんか砂鉄をコントロールしてないから無駄な力が入っているらしいよ」

「んなことねぇ!オレは剣を作ってそれを武器にしてんだよ」

「意味わかんない~、とにかく仙道さんが言うにはキア兄は集中力が足らないから、あっちゃが指導してだって……」

「意味わかんねぇのはこっちだ!なんだよ、あのスーパー天然鬼男~!」

仙道さんの代弁を伝えたあっちゃにキアトが苛立ちを見せた。

確かに仙道さんの言う通り、キアトは砂鉄を剣にすると、いつも自分の胴回りくらいかそれ以上の重たそうな剣を作っている。実際、キアトが砂鉄の剣を振り回すことができるようになったのは確か一年ちょい前だった。その前は剣を作れても振れる腕力がなかったんだ。つまりキアトは自分の能力を扱いきれてないってこと。

キアトの性格からして、あっちゃの指導を素直に聞くとは思えない。でもいつか砂鉄の固まりを振り回し続けたら間違いなく身体を壊してしまう可能性大。だから私は……

「キアトって、男子の中じゃ一番能力低いよね?」

「なんだって?ひろな、もう一回言ってみろ!」

キアトが青筋を立てて私の挑発に乗ってきた。

「だってそうじゃん。キアトって小学一年生の時、遅れて入学してきたよね?あれって赤ちゃんの時、裏地球の能力者達に気づかれなかったんだよね?能力低かったから……」

「ひろ姉、それはあっちゃが……」

私の嫌らしい口撃にあっちゃが反論しようとするが、私はあっちゃにウインクをして制止させた。

あっちゃも私の企みに気付き、口を少し上げて黙りした。

「おい、いくらお前でも許さんぞ!ゴラァ!」

「どう許さんのか解らないけど、口だけはやめてね。余計に弱く見えてみっともないから」

「上等だ!オレが強いか弱いか見とけ!すぐにコントロールしてやるよ!このブス!……った~!」

私はブスじゃないから!反応してキアトを無意識に殴っちゃった。

悶絶するキアトに私はトドメの口撃をした。

「ちゃんとコントロールして成長したら、デートしてあげる」

「いらねぇよ!ブ……、ギャアア!」

またブスって言おうとしたから、咄嗟にパンチが飛びキアトは断末魔をあげ、動かなくなった。

「ひろ姉……、キア兄、死んでない?」

一回、死んで生まれ変わればいいんだよ。とにかく、これであっちゃに指導してもらえればきっとキアトは強くなる。そしたらデー……、いやなんでもない。

この場にまゆがいなくて良かったとだけ、思っとこ……………、はぁなんでこんなバカを私は……いやなんでもない!ふんっ!  




そんなこんななことしてる時、いきなりマザーウィッチ・マルクが急停止したのか、私達はバランスを崩し、廻りを見回した。

【前方より、何者かが接近中です】

マルクの公害的な機械音に私達は耳を抑えながら、私はただ不安を覚えた。
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