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第一章【それぞれの冒険】
past4❲海龍バラクーヌ❳
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「いつの間に……」
私、アースフィールと私の上に乗る那賀龍神の眼前に、巨大龍の顔面が映る。
海面から五十メートル離れた上空に居るのに、何故こうも簡単に前を取られたのだ?
「へぇ、早いじゃねぇか?」
那賀龍神は少しも臆することなく、目の前の龍に答えた。
龍地球の子と呼ばれる龍地球最強の龍の一頭、海龍バラクーヌ。バラクーヌの姿は蛸のような身体に五つの首を持つ龍であり、先程倒した海蛙と同じように巨大な龍である。
「那賀龍神と言ったな?では那賀龍神よ、何故貴様はあの龍を宿しているのだ?」
「あの龍?」
バラクーヌの問いに那賀龍神ではなくわたしが疑問を言葉にした。
「額の龍の事か?」
那賀龍神は自分の額を指にさし言うと、バラクーヌは頷いた。
「あの龍は我ら十三龍の一頭、邪悪なる三の龍の一頭ぞ。」
「邪悪なる……」「三の龍?」
わたしの言葉に那賀龍神が付け足す。
「魔龍ゼルゼ・フォーガ」
突然放ったバラクーヌの一言にわたしは人工知能回路の奥を探った。
「解析しました。龍神さま」
「答えろ、ポンコツ」
「他の十の龍の名前は長くなりますので省きますが、魔龍ゼルゼ・フォーガ、呪龍コーライト、亡龍エンディアの三龍は、十三の龍の中で最も邪悪なる龍と伝承されてますが……」
「伝承ではなく事実だ!我らは何千年も前から奴らとは争って来た!」
私の発言にバラクーヌが怒りに任せながら反論した。
「お前ら十三龍って一体、いくつなんだ?」
那賀龍神の質問には私も意見があった。龍地球が誕生した、もしくは始祖の巨龍が死に大地となったのは、およそ40億年前。十三龍が文明開化する前から語られたのがおよそ三千年前。少なくとも十三龍の年齢は三千歳以上となるだろう。
「我は輪廻転生を十繰り返しているからな。この身体では七百歳となる」
那賀龍神の質問にバラクーヌは真正直に答え、那賀龍神は驚きの表情を見せた。そういえば十三龍は不死の龍もいれば、バラクーヌのように輪廻転生をする龍がいると私の人工知能が認識していた。
「話しが反れてしまったが本題だ。那賀龍神、何故に貴様はゼルゼ・フォーガを宿しているのだ?」
「それは私も興味があります。私と相棒になる前には、すでに額の龍はいました」
那賀龍神と知り合ったのは十二年前。那賀龍神が十五歳の時だったが、すでにゼルゼ・フォーガは那賀龍神に支配されていたのだ。
私は今の今まで額の龍がゼルゼ・フォーガとは認識しておらず、バラクーヌに言われて知ったのだ。興味が湧くのは当たり前だろう。
「知ってどうすんだ?」
「答えたくなければ答えなくてもよい。我が貴様共々、ゼルゼ・フォーガを死滅させるのみ」
那賀龍神の発言にバラクーヌは大きな牙を剥き出し威嚇する。
「出来ねぇよ、お前が俺を殺す事なんて」
那賀龍神は鋭い視線を向けると、バラクーヌが今にでも襲いかかる仕草を見せる。すでにバラクーヌの五つの頭が、空中に浮かぶ私と、私に乗る那賀龍神を囲んでいた。
「この身体の寿命は近いが、それでも貴様を簡単に死滅は出来るぞ!」
「俺が蟻?ふっ、笑わせてくれるじゃねぇか!」
那賀龍神が笑い顔を見せながら凄む。
「折角、額の龍の事を教えてやろうと思ったが……」
「龍神さま?バカはやめてください!相手は龍地球最強の十三龍ですよ!?」
私が那賀龍神を制止するが、那賀龍神はすでに臨戦態勢に入っていた。
「十三龍のたかたが一頭だけじゃねぇか?しかも寿命のねぇ死にぞこないが!」
「貴様を死滅させる!」
バラクーヌは那賀龍神の挑発に怒りを剥き出しにし、那賀龍神を敵と認識した。
「やれるもんならやって見ろ!こっちはとっておきの三龍だ!」
那賀龍神は怒鳴りながら、額、左右の胸部を含ませた。
「私の許可なく……」
私が那賀龍神に忠告しようとするが、すでに龍三頭が浮かび上がった。
「な、なんだと!?ゼルゼ・フォーガのみならず……」
バラクーヌが変貌した那賀龍神の姿を見て驚愕した。あの二龍は確かに那賀龍神の宿す龍の中でも最強過ぎる龍であり……、まさか?
「龍神さま?もしかして……?」
「何故、貴様が邪悪なる三龍を宿しているのだ?」
やはり、バラクーヌの発言と私の解析は一致した。
それにしても、いくら私が邪悪なる三龍の容姿を知らなかったとはいえ、私の相棒が何故、魔龍ゼルゼ・フォーガの事のみならず……、
呪龍コーライトと亡龍エンディアを宿していたとは、私もまだまだ無知だと認識した。
そして……
私と相棒になる前、那賀龍神は何をしていたのだろうか……?
那賀龍神は一体何者なのだろうか……?
私の人工知能は更にそう認識した。
気づけば空は暗がりが広がり夜になろうとしていた。
私、アースフィールと私の上に乗る那賀龍神の眼前に、巨大龍の顔面が映る。
海面から五十メートル離れた上空に居るのに、何故こうも簡単に前を取られたのだ?
「へぇ、早いじゃねぇか?」
那賀龍神は少しも臆することなく、目の前の龍に答えた。
龍地球の子と呼ばれる龍地球最強の龍の一頭、海龍バラクーヌ。バラクーヌの姿は蛸のような身体に五つの首を持つ龍であり、先程倒した海蛙と同じように巨大な龍である。
「那賀龍神と言ったな?では那賀龍神よ、何故貴様はあの龍を宿しているのだ?」
「あの龍?」
バラクーヌの問いに那賀龍神ではなくわたしが疑問を言葉にした。
「額の龍の事か?」
那賀龍神は自分の額を指にさし言うと、バラクーヌは頷いた。
「あの龍は我ら十三龍の一頭、邪悪なる三の龍の一頭ぞ。」
「邪悪なる……」「三の龍?」
わたしの言葉に那賀龍神が付け足す。
「魔龍ゼルゼ・フォーガ」
突然放ったバラクーヌの一言にわたしは人工知能回路の奥を探った。
「解析しました。龍神さま」
「答えろ、ポンコツ」
「他の十の龍の名前は長くなりますので省きますが、魔龍ゼルゼ・フォーガ、呪龍コーライト、亡龍エンディアの三龍は、十三の龍の中で最も邪悪なる龍と伝承されてますが……」
「伝承ではなく事実だ!我らは何千年も前から奴らとは争って来た!」
私の発言にバラクーヌが怒りに任せながら反論した。
「お前ら十三龍って一体、いくつなんだ?」
那賀龍神の質問には私も意見があった。龍地球が誕生した、もしくは始祖の巨龍が死に大地となったのは、およそ40億年前。十三龍が文明開化する前から語られたのがおよそ三千年前。少なくとも十三龍の年齢は三千歳以上となるだろう。
「我は輪廻転生を十繰り返しているからな。この身体では七百歳となる」
那賀龍神の質問にバラクーヌは真正直に答え、那賀龍神は驚きの表情を見せた。そういえば十三龍は不死の龍もいれば、バラクーヌのように輪廻転生をする龍がいると私の人工知能が認識していた。
「話しが反れてしまったが本題だ。那賀龍神、何故に貴様はゼルゼ・フォーガを宿しているのだ?」
「それは私も興味があります。私と相棒になる前には、すでに額の龍はいました」
那賀龍神と知り合ったのは十二年前。那賀龍神が十五歳の時だったが、すでにゼルゼ・フォーガは那賀龍神に支配されていたのだ。
私は今の今まで額の龍がゼルゼ・フォーガとは認識しておらず、バラクーヌに言われて知ったのだ。興味が湧くのは当たり前だろう。
「知ってどうすんだ?」
「答えたくなければ答えなくてもよい。我が貴様共々、ゼルゼ・フォーガを死滅させるのみ」
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「出来ねぇよ、お前が俺を殺す事なんて」
那賀龍神は鋭い視線を向けると、バラクーヌが今にでも襲いかかる仕草を見せる。すでにバラクーヌの五つの頭が、空中に浮かぶ私と、私に乗る那賀龍神を囲んでいた。
「この身体の寿命は近いが、それでも貴様を簡単に死滅は出来るぞ!」
「俺が蟻?ふっ、笑わせてくれるじゃねぇか!」
那賀龍神が笑い顔を見せながら凄む。
「折角、額の龍の事を教えてやろうと思ったが……」
「龍神さま?バカはやめてください!相手は龍地球最強の十三龍ですよ!?」
私が那賀龍神を制止するが、那賀龍神はすでに臨戦態勢に入っていた。
「十三龍のたかたが一頭だけじゃねぇか?しかも寿命のねぇ死にぞこないが!」
「貴様を死滅させる!」
バラクーヌは那賀龍神の挑発に怒りを剥き出しにし、那賀龍神を敵と認識した。
「やれるもんならやって見ろ!こっちはとっておきの三龍だ!」
那賀龍神は怒鳴りながら、額、左右の胸部を含ませた。
「私の許可なく……」
私が那賀龍神に忠告しようとするが、すでに龍三頭が浮かび上がった。
「な、なんだと!?ゼルゼ・フォーガのみならず……」
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「龍神さま?もしかして……?」
「何故、貴様が邪悪なる三龍を宿しているのだ?」
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それにしても、いくら私が邪悪なる三龍の容姿を知らなかったとはいえ、私の相棒が何故、魔龍ゼルゼ・フォーガの事のみならず……、
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